取扱商品・サービス書き方コラムを3分読めば理解できること

・日本政策金融公庫融資の創業計画書の書き方が理解できる
・特に、「取扱商品、サービス」の書き方が理解できる
・マーケティングの基本が理解できる

日本政策金融公庫の創業計画書の書き方。「取扱商品・サービス」を直感のまま書くだけでは、読み手である審査担当者には響かない。このコラムではマーケティング要素を検討しつつ、創業計画書の「取扱商品・サービス」の書き方を解説する。

取扱商品・サービス書き方コラムの目次

①取扱商品・サービスの内容ではマーケティング要素が問われる
②マーケティングの4Pを正しく理解
③セールスポイントでは集客・営業活動に確実性があることをアピール
④販売ターゲット・販売戦略は「紹介」をメインに
⑤競合・市場など企業を取り巻く環境では高い視点からの考察を
⑥取扱商品・サービス書き方コラムのまとめ

①取扱商品・サービスの内容ではマーケティング要素が問われる

あなたが計画する事業で取り扱う商品・サービスは、世に出ていない新規性のあるものだろうか。または高い技術や特許によって差別化されたものだろうか。

創業計画書の「3.取扱商品・サービス」ではそのような新規性や特殊性をPRする必要はない。ただし、あえて言えば「ターゲットの絞り込み」の観点は盛り込みたいところだ。大企業でもない、中小企業ですらない、超零細状態であるあなたの創業計画が輝きを放つのは、唯一「ターゲットの絞り込み」による。例えば次のようなことだ。

・整骨院 → ひざ専門の整骨院
・訪問介護 → 重度障害者専門の訪問介護
・法務事務所 → 解雇問題専門の社会保険労務士

さらにエリアの軸を狭く取ることで、そのエリアの特定課題でのシェアを獲得するという視点をPRしよう。以下に記載例を示す。

・大阪市内の法人に対する、解雇問題専門の社労士顧問サービス(月額顧問料3万円から)
・同じく、雇用助成金申請代行サービス(1申請10万円から)
・同じく、労働社会保険手続き代行サービス(月額2万円から)

取扱商品・サービス


②マーケティングの4Pを正しく理解

次にポイントとなるのが、販売経路(LACE)と販売価格(RICE)、販売促進(ROMOTION)だ。①で取り上げた「ターゲットの絞り込み」では、販売する対象(RODUCT)を決定した。これら4つの頭文字Pをとって、マーケティングの4Pと呼ぶ。

日本政策金融公庫の創業計画書の「3.取扱商品・サービス」では次の項目がマーケティングの4Pと連動している。

取扱商品・サービスの内容・・・RODUCT、RICE
販売ターゲット・販売戦略・・・ROMOTION、LACE

③セールスポイントでは集客・営業活動に確実性があることをアピール

次に「3.取扱商品・サービス」の項目、「セールスポイント」の書き方について解説する。ここでは「自社の商品・サービスがいかに他社に対して優れているか」を書きたいところだが、そこに注力するだけでは信ぴょう性は極めて低くなる。例えば

・他社よりも親切丁寧なサービスを心がけます(訪問介護)

等と記載したところで全く具体性がない。

そこで、この「セールスポイント」では、「既に自社の商品・サービスを買うと約束してくれている顧客が複数ある程に優れている」という点を含んでPRしよう。

株式会社****に勤務していた際に、お付き合いのあった3社の社長が、私の知識と経験を高く評価して下さっており、開業後は当社との契約を確約してくれている。その他知人である税理士、司法書士がそれぞれの顧客を紹介すると約束してくれているため、開業直後、少なくとも毎月**万円の月商が確定している。




④販売ターゲット・販売戦略は「紹介」をメインに

ここでは「インターネット広告で集客」や「SNSで拡散」等という安易な手法は避けよう。広告は投機である。投機性の高い計画に対して融資をすることほどリスクの高いことはない。

そこで、「販売ターゲット・販売戦略」にはこれまで記載した「略歴」・「セールスポイント」の流れを受け継ぎ、すでに「周囲の紹介」により販売先が確定していることを中心に記載しよう。以下の記載例を参考にされたい。

労務環境の整備を望む法人をターゲットとする。すでに私の知識と経験を評価して下さっている経営者、税理士、司法書士らがいるというから、当社のサービスが紹介に値するレベルにあると予測する。開業当初は広告宣伝費を抑えるため、知人経営者、顧客法人を中心に、「紹介」に軸を置いた販売戦略とする。「紹介」を軸にする以上、サービスの開発・向上を繰り返し行う。一定の財務基盤が出来てからはインターネット等を活用した広告宣伝を行う。



⑤競合・市場など企業を取り巻く環境では高い視点からの考察を

「3.取扱商品・サービス」の最後の項目が「競合・市場など企業を取り巻く環境」だ。ここでは誰もが知っている情報(新聞・ニュース)だけでは足りない。かとって緻密な市場分析などは必要ない。

「競合・市場など企業を取り巻く環境」では、「審査担当者も知っている情報ではあるが、視点を変えて記載」という点に留意しよう。

私がこの業界に従事し始めた19**年当時は、会社での残業・解雇・過労死などの問題が今ほど社会問題として取り上げられる事はなかった。しかし現在は2019年施行の働き方改革法が象徴する通り、会社における労務コンプライアンスの遵守が極めて重大な課題となっている。この問題を専門的に取り扱う法務事務所が強く求められる市場環境であると言える。



⑥取扱商品・サービス書き方コラムのまとめ

以上が、日本政策金融公庫の創業計画書「3.取扱商品・サービス」の書き方のポイントである。この項目にはマーケティングに関する要素が多分に含まれている点がお判りいただけたと思う。

審査担当者は経営の専門家でもマーケティングの専門家でもない。しかし彼ら審査担当者を納得させるためには、やはり論理に裏打ちされたマーケティング理論武装が必要なのだ。

実際の融資手続きに当事務所のサポートをご希望される方は、是非お気軽にご相談を。