取引先・取引関係等の書き方コラムを3分読めば理解できること

・日本政策金融公庫融資の創業計画書の書き方が理解できる
・特に取引先・取引関係先の書き方のコツが理解できる
・取引先・取引関係先の記載が融資額に影響する理由が理解できる

日本政策金融公庫融資の創業計画書の「4.取引先・取引関係先」。この部分の記載を正しく行うことで、希望金額の融資実行が実現できる。このコラムでは「4.取引先・取引関係先」の記載方法のポイントを詳しく解説する。

取引先・取引関係等の書き方コラムの目次

①販売先、仕入先、外注先は可能な限り具体的に
②取引先との証拠書面、信用調査も
③回収・支払い条件の記載が融資額に影響
④取引先・取引関係等の書き方コラムのまとめ

①販売先、仕入先、外注先は可能な限り具体的に

創業計画書において、取引先・取引関係先が具体的に決まっていることは、融資審査上有利に働くことは言うまでもない。事業開始にあたり販売先、仕入先、外注先を予め確定している姿勢が、融資担当者にPRできるからだ。

決して「**市内の法人」や「一般個人」のような包括的な記載とせずに、具体的に固有名詞、および住所を記載しよう。

株式会社*** (**市**区)
(法人相手の事業の記載例)

要介護3以上の個人 (**市**区、**区)
(訪問介護事業の記載例)



②取引先との証拠書面、信用調査も

「4.取引先・取引関係先」記載のポイントとしては、確定している内容を可能な限り、公庫の審査担当者に提示することだ。すでに法人設立、または個人事業の開業届が提出出来ている場合などは、相手先との契約書の写しを提出しよう。まだ法人設立、個人事業の開業前である場合にも、相手先との取引条件が分かる書面の提出を行いたい。

この時注意すべき点は、相手先の信用調査である。相手先が日本政策金融公庫との取引でブラックリストに載っている場合や、法令違反により過去に営業停止などの報道がある場合は、たとえ取引が決まっているとしても記載は避けたいところ。

公庫融資の前段階で簡単な信用調査を行い、そもそも取引を行うべき相手先かどうかのチェックも事前に済ませておこう。信用調査は会社情報の調査機関に委託するのも良いが、現段階では簡単なインターネット上の調査程度でも良いだろう。

なお外注先に、例えば当事務所のような「法務事務所」を記載することも効果的だ。経営者が自身の知識・経験で補えない部分を正しく認識し「会計・労務・法務」などについて、予め取引先を選定している姿勢が、審査担当者に好感を与えることは言うまでもない。

③回収・支払い条件の記載が融資額に影響

最後に、最も重要な点を説明する。それが回収と支払いの条件だ。初めて事業を起こす方にとって、あまりピンとこない内容かもしれないが、事業経営上売上金の回収と、仕入れ外注費の支払いの期間のズレは、資金計画上で非常に大きな問題となる。

例えば、飲食店の場合を例にとろう。

飲食店の場合でクレジットカード使用がないとき、回収期間は「即日」となる。一方で食材の仕入れは、月末締め翌月末支払いとなる場合が多い。

この場合には、日々回収できる売上によって仕入れの支払いが可能となるため、運転資金必要額は少なくて済む。(=融資申込額も少なくなってしまう)必要な運転資金は開業時にそろえるべき最初の食材等のみだ。

一方で訪問介護事業の場合などは、売上の回収は1割(利用者負担額)が月末回収、介護保険請求分は、何と翌々月末回収となる。

商品の仕入れが必要のない事業とはいえ、その間にも人件費、家賃、諸経費の支払いが必要になるため、運転資金が枯渇する。(=融資申込額が多くなる

回収・支払い条件の記載が、融資申込金額自体に大きく影響する内容となるため、記載の際は安易に考えず、綿密に検討しよう。

④取引先・取引関係等の書き方コラムのまとめ

以上が「4.取引先・取引関係先」の記載の際のポイントである。販売先、仕入先、外注先を具体的に記載することで、審査担当者に事業の計画性を十分にPRしつつ、資金繰りの根拠となる回収・支払い期間についても、必要融資金額と調整しつつ記載しよう。

創業計画書の記載に対して、専門家の助言が必要な方は、是非当事務所までご連絡を。