2024年12月号
103万・106万の壁(見直し)
103万円の壁(所得税非課税ライン)を引き上げる改正が予定されています。この改正により所得税非課税で働ける時間が延長し、手取りアップ&人手不足解消に繋がることが期待されています。
一方で106万円の壁の撤廃が同時に議論されています。中小企業経営とってはこちらのインパクトの方が大きいのでご注意下さい。
社会保険の加入対象者は「フルタイム労働者、またはフルタイム労働者の4分の3以上勤務する人」とされています。1週間の所定労働時間が40時間の事業所の場合「週30時間以上で社会保険加入」となります。以下が特例措置ですが、赤文字部分の条件が撤廃される見込みです。
特例措置
従業員51人以上の会社で、月額8.8万円(年収106万円)以上、週20時間以上勤務する労働者
この制度改正が実現すると、「週20時間以上勤務の人がすべて社保の加入対象」となります。詳細情報は追ってご案内致します。
キャリアアップ助成金(令和7年改定予定)
キャリアアップ助成金の制度改正が以下の通り予定されています。
対象労働者 | 支給額 | |
現行 | ・有期雇用労働者 | 800,000円 |
・派遣労働者 | 1,085,000円 | |
・人材開発支援助成金の対象訓練を受けた有期雇用労働者 ・一人親家庭の父母である有期雇用労働者 |
895,000円 | |
改正案 | ・雇入れから3年以上の有期雇用労働者 ・雇入れから3年未満の有期雇用労働者のうち過去から不安定雇用が継続している者 ・派遣労働者 ・人材開発支援助成金の対象訓練を受けた有期雇用労働者 ・一人親家庭の父母である有期雇用労働者 |
800,000円 |
・上記以外の者 | 400,000円 |
現行は「有期雇用労働者」に特段の条件付けはありませんが、改正後は条件が付与される可能性があります。詳細情報は追ってご案内致します。
在職老齢年金(緩和)
在職老齢年金の規制が緩和される方向です。在職老齢年金を分かりやすく言うと、働きながら年金を受け取る場合に、給与+年金が月50万円を超える場合に、年金が減額される制度です。
この50万円の基準を引き上げることで、高齢者の手取りを増やし、働き手を確保する狙いがあります。予定では50万円基準を62万円まで引き上げる予定との事です。
高額療養費(負担上限引き上げ)
医療費が高額になった場合の自己負担額上限が引き上げされる方向です。
70歳未満(年収370~770万の例)
1カ月に70万円の手術費、入院費がかかった場合
・7割(49万円)・・・保険給付
・3割(21万円)・・・自己負担(ただし上限84,430円)
この場合、21万円と上限84,430円の差額125,570円が高額療養費として払い戻されます。上限ラインが上がると、それだけ自己負担額が増加するということになります。
離婚時年金分割(2年から5年へ延長)
離婚時に配偶者に対して厚生年金の分割を請求できる期限を、現行の2年から5年に延長する改正が予定されています。財産分与を期限内に請求できず、生活に困窮するケースがあるための改正です。
源泉所得税納付・償却資産税の申告
源泉所得税 令和7年1月20日(月)
源泉所得税を年2回に分納している会社の場合、令和6年7~12月分の納期は、令和7年1月20日(月)です。当社に年末調整業務をご依頼頂いているお客様への、確定納付額のお知らせは、年末~年始となります。半年分のまとめ納付のため、相当な高額となる場合があります。納税資金のご準備をお願い致します。
償却資産税の申告時期 令和7年1月31日(金)
毎年1月は償却資産税の申告時期であり、事業所に申告書が郵送されます。土地・建物・車両等以外の固定資産のうち通常10万円以上のものが申告対象となります。当社で会計入力を承っているお客様には、当方が把握する範囲の対象資産をご案内しますので、申告手続きをお願いします。なお、申告しても課税標準が150万円未満の場合は課税されません。
今年度の当社の冬季休業
今年度の当社冬季休業は下記の通りとなります。
年内最終営業日:12/27(金) ※大掃除のため14時で業務を終了する予定です
年始営業開始日:1/6(月)
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
12/22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 (最終日) |
28 |
29 | 30 (休業) |
31 (休業) |
1/1 (元日) |
2 (休業) |
3 (休業) |
4 |
5 | 6 (始業) |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
編集後記
奈良県五條市の柿を食されたことはございますか?湯塩(ゆしお)地区では11~12月柿の収穫期を迎え、また毎年、収穫された柿を持って県知事と市長らが内閣総理大臣を表敬訪問するという伝統も続いています。11月17日(日)、地方創生イベントの一環で柿の収穫作業に参加してきました。約15名で一心不乱に大きな柿を収穫し、あっという間に籠いっぱいになりました。
こちらの王隠堂(おういんどう)農園さんは、はるか昔、南朝の後醍醐天皇をかくまったことから、「王隠堂」という珍しい名字を賜ったとのこと。現社長さんも名字はもちろん王隠堂さんです。王隠堂農園さんでは収穫体験だけでなく、グランピング施設、レストラン、カフェの運営、SNSを使った情報配信など様々な工夫により来園者の獲得に努めておられます。ご興味のある方は是非一度 ホームページ をご覧ください。なお、施設に通ずる最後の山道は、かなりチャレンジングです。ある程度の運転技術のある方が、小回りの利く車で出向かれることを、心から(本気で)お勧め致します。(-_-;)