2023年4月号

雇用保険料率の変更

令和5年4月、雇用保険料率が改定されます。コロナ対策による休業補償(雇用調整助成金)の増大が理由で、雇用保険財政が悪化していることが予測されます。

変更前

  本人 会社 合計
一般事業 0.5% 0.85% 1.35%
建設事業 0.6% 1.05% 1.65%

変更後(令和5年4月~)

  本人 会社 合計
一般事業 0.6% 0.95% 1.55%
建設事業 0.7% 1.15% 1.85%

住民税の新年度課税

個人住民税の新年度課税時期が近づいています。住民税は前年の所得(確定申告や年末調整の結果)に応じて、翌年6月~5月の期間に課税されます。

各自治体から住民税特別徴収(給与からの控除)の決定通知書が届きましたら、本人通知分を従業員ご本人に手渡して下さい。

当事務所に給与計算の代行をご依頼頂いているお客様は、一覧表を担当者までPDFファイル等でご提供をお願い致します。また住民税の納付書はお手元で管理して頂き、当社から給与計算報告後、金融機関でご納付をお願い致します。

特別徴収になっておらず、自分で住民税を納付する方(普通徴収)で、特別徴収への切り替えを希望される場合も、担当者へお申し出下さい。

キャリアアップ助成金(制度改正後の支給申請)

令和4年10月以降に正規社員転換した方の、支給申請の開始時期を迎えます。

正社員転換時期 制度の適用
令和4年9月30日まで 旧制度
令和4年10月1日以降 新制度

令和4年10月に正社員転換した方の場合、6か月間の給与を支払うタイミングが概ね令和5年4月となり、支給申請はその日から2か月以内です。多くの会社で5~6月に新制度下で初回の支給申請を迎えることになります。

今回(昨年)のキャリアアップ助成金制度改正は、制度開始以来の大改正です。多くの社労士が審査の動向を注視しています。新制度下での審査開始は6~8月に集中するものと思われます。当社においても審査上の論点を集約しノウハウ蓄積に努めてまいります。(以下参考コラムです)

月60時間超の残業割増率引き上げ

働き方改革の一環で、4月1日付労働基準法が改正施行されます。具体的には月60時間を超える時間外労働(残業)を行った場合、60時間を超える部分の割増率が50%に変更されます。(従来は25%)

大企業ではすでに導入されている法規制が、中小企業にも拡大適用されるとの位置づけです。これを機に労務管理の再徹底を行う必要がありますので、どうぞご留意下さい。

編集後記

作家の司馬遼太郎さん(故人)の生誕100周年を記念して、司馬遼太郎財団が「好きな司馬作品」のアンケート結果を発表しました。

順位 作品名 概要
1位 坂の上の雲 明治維新から日露戦争までの日本の近代化
2位 竜馬がゆく 坂本龍馬の生涯
3位 燃えよ剣 新選組変遷と土方歳三の生涯

司馬ファンの私としては納得の結果です。いずれも10代のころから本が擦り切れるまで繰り返し読みました。「坂の上の雲」はNHKから発売されたDVDも愛蔵しています。本木雅弘(秋山真之役)と阿部寛(秋山好古約)が私のイメージ通りで何度見ても楽しめます。

なお「坂の上の雲」で描かれる「旅順攻防戦」については、東京国際大学教授の福井雄三氏による反論本「坂の上の雲に隠された歴史の真実」の方が史実ではないかな?というのが私の意見です。こちらもお勧めの1冊です。

さて今回の「好きな司馬作品」ランキングでは、女性票で「燃えよ剣」が1位だったそうです。やはり土方の「ニヒル、クール、剣豪、イケメン」ぶりが女性のハートを掴むのでしょうか (^^;