2025年9月号

部門別会計のご対応を正式スタート

複数の事業部門を運営する際には、会計処理を事業部門ごとに分けて行い、部門別会計(セグメント会計)を実施する場合があります。当社においても複数の支店を運営していることから、部門別会計を採用しています。

特に介護保険事業や障害福祉事業においては、運営基準によりサービス事業ごとに会計を区分して処理することが求められており、部門別会計の実施は不可欠です。そこで当社では、独自の検討を重ね、異なる住所地で複数事業を運営する場合の「部門会計方式」と、同一住所地で複数事業を運営する場合の「区分表方式」を整理しました。

このたび2025年9月より、正式なサービスメニューとしてご対応を開始いたしました。詳細につきましては、下記をご確認のうえ、会計業務担当者までご相談ください。

ファイナンスセミナーの講師を務めます

医療・介護分野におけるファクタリング大手「メドレーフィナンシャルサービス」との共同セミナーにて、当社代表の井ノ上剛が講師として登壇します。テーマは「介護・障害福祉事業者が取り得る資金調達手段」です。

介護・障害福祉事業の運営において、資金戦略(ファイナンス戦略)は極めて重要です。事業拡大のための設備投資、売上増加に先行する人件費支出、国保連請求事務のミスによる請求権滞留など、資金繰りにはさまざまな課題が伴います。本セミナーでは、これらの課題に備える短期借入(短期資金調達)の手法の一つとしての『ファクタリング』について解説します。

資金調達手段の枠組み

間接金融 短期借入(ファクタリング 1年以内の期間での借入れ
長期借入 1年を超える期間での借入れ
直接金融 増資 資本金の増強
利益剰余金 税引後利益による蓄積

開催要項

開催:2025年9月30日 16:00から
形式:オンラインセミナー
内容:「介護・障害福祉事業者が取り得る資金調達手段」
申込:予約フォームをご案内しますので担当者までお問い合わせ下さい

単身高齢者手続き支援策

厚生労働省は、身寄りのない一人暮らし高齢者を対象に、入院や施設入所の手続き代行、葬儀や死後の事務を支援する新制度を2027年度から開始する方針です。担い手は社会福祉協議会やNPO法人を想定し、利用料は所得に応じ、低所得者は無料または低額とします。

現状では「移行型任意後見契約」や「信託契約」「見守り契約」「死後事務委任契約」などの組み合わせで対応可能ですが、今後増加する一人暮らし高齢者への法的支援を行政が制度として担う点に大きな意義があります。

設備投資減税

経済産業省は、2026年度から5年間の時限措置として「設備投資促進税制」を新設する方向で検討を進めています。投資額の一部を法人税から控除する「設備投資減税」や、設備費用を初年度に全額経費算入できる「即時償却」の導入により、企業の国内投資を後押しする狙いです。

介護障害福祉事業では、例えば事業所の新設などによる投資を行った際に、従来の減価償却費を大きく上回る償却費(即時償却)を計上することにより、節税効果を見込むことができます。経営者の皆さんは是非この制度の動向に注目しておいてください。

『経営ビザ』取得のための必要資本金が6倍に

出入国在留管理庁は、日本で起業する外国人向けの在留資格「経営・管理ビザ」の取得要件を厳格化する方針を示しました。資本金要件を現行の6倍(500万円から3000万円以上)に引き上げるとともに、常勤職員1人以上の雇用を必須とします。

さらに、「経営・管理経験3年以上」または「修士相当の学位」の保有を条件とし、中小企業診断士などによる事業計画の確認も義務づけます。移住目的で民泊法人やペーパー会社を設立する事例が多発しており、これを抑制する狙いがあります。

【再掲】就労選択支援(令和7年10月スタート)

以前のタスクマンレターでご案内のとおり、2025年10月から障害福祉サービスに『就労選択支援』が加わります。詳細を解説するコラムと動画を作成しましたので関心のある方は是非ご覧ください。

編集後記

タスクマンレター2025年9月号昭和史

今年、令和7年は「昭和100年」にあたります。つまり、昭和元年から数えてちょうど100年目という意味です。

私は毎年8月に先の大戦に関連する書籍を読むことにしていますが、今年の選択は半藤一利著『昭和史』でした。昭和元年(1926年)から昭和64年(1989年)までの日本の歴史が、絶妙な語り口で綴られています。

戦前編(1926~1945)では、日本がいかなる国際情勢の中で戦争に向かっていったのかが描かれ、戦後編(1945~1989)では、焼け野原からの復興の様子や政治・経済体制の再建が記されています。

私は昭和50年生まれですので、昭和の最後の時期しか体感していません。しかし、この本を通して昭和という時代を追体験することができ、大変有意義な夏の読書となりました。

ただし、あまり人には勧めにくい本です。なにせ2冊組で、合計1200ページにも及びますから...。