2024年9月号
健康保険証廃止 → マイナ保険証へ
健康保険証の新規発行が廃止され、マイナ保険証に移行します。時系列に概要をまとめました。
時期 | 内容 |
2021年10月1日 | ・マイナンバーカードに健康保険証を統合 → マイナ保険証 (マイナンバーカードをお持ちの方も、別途保険証利用登録が必要です) |
2024年12月2日 | ・健康保険証 新規発行停止 発行済みの健康保険証は1年間に限り使える ・マイナ保険証を利用しない場合は「資格確認書」を利用 「資格確認書」の有効期間は最長5年(更新制) |
2025年12月2日 | ・健康保険証 廃止 |
国はマイナンバーカードの普及促進のために、健康保険証の廃止に踏み切りました。マイナンバーカードを作っていない方については「資格確認書」が健康保険証の代用機能を果たしますが、今後は例外的なケースとして不便さが生じそうです。
健康保険証廃止に伴う「資格情報のお知らせ」の送付
※ここでご説明する「資格情報のお知らせ」は、前の項でご説明した「資格確認書」とは別物です。
「資格情報のお知らせ」はマイナ保険証リーダーが使えない医療機関を受診する際に、マイナ保険証と併せて提示するために、①マイナンバー下4桁と、②資格情報(記号/番号/枝番 ・ 氏名/フリガナ ・ 生年月日 ・ 資格取得年月日 ・ 保険者番号・保険者名称)が記載され、②を切り取って使用する形となります。
従業員・扶養親族の分が事業所に届くため、そのまま従業員さんにお手渡し下さい。
送付時期
1回目:R6.9.9~9.30
2回目:R7.1.22~2.3(1回目の送付時期以後に資格取得した方)
ここまでのご説明を表にまとめました。
名称 | 形状 | 取得方法 | 使用目的 | 使用方法 |
マイナ 保険証 |
マイナンバーカードの入手後、マイナンバーカードの保険証利用登録を行う | マイナ保険証リーダーが使える医療機関を受診するとき | 医療機関のマイナ保険証リーダーで読み取り | |
資格 確認書 |
・資格取得時などに申請 ・マイナ保険証を持たない人に職権で発行 ・有効期間は最長5年(更新制) |
マイナ保険証を持たない人が医療機関を受診するとき | 医療機関に提示 | |
資格情報 のお知らせ |
・資格取得時に送付(申請不要) ・令和6年9月、7年1~2月に送付予定 |
マイナ保険証リーダーが使えない医療機関を受診するとき | マイナ保険証と資格情報のお知らせの両方を医療機関に提示 |
制度転換期なので、かなりややこしいですね (T_T)
令和6年度 地域別最低賃金(答申結果)
地方最低賃金審議会(都道府県労働局)が答申した、令和6年度の地域別最低賃金の改定額が公開されました。エクセル版、PDF版を作成しましたので、以下からダウンロードしてご参照下さい。
答申された改定額は、異議申出手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、令和6年10月1日から順次正式発効される予定です。
障害年金の請求代行業務を強化中
障害年金の請求代行業務を強化中です。以下に該当する方は担当者までご相談ください。
このような方々にお勧め
・経営者または職員の方で、利用者の障害年金のサポートが必要な方
・ご自身、ご家族または知人に障害年金の受給可能性がある方
短時間労働者の社保適用拡大のお知らせ送付
令和6年10月1日から短時間労働者の社会保険の適用範囲が拡大されます(事業所人数101人以上→51人以上)。これに伴い日本年金機構から、以下の通り「お知らせ」が発送されます。当社と社労士顧問契約をご締結頂いているお客様で、対応にご不安のある方は、担当者までご相談下さい。
該当する事業所 | 9月「事前のお知らせ」が届く | 10月「該当通知書」が届く |
該当可能性がある事業所 | 9月以降毎月「重要なお知らせ」が届く | 該当したとき届出書の提出が必要 |
令和6年10月1日からは、常時51人以上の事業所に勤務する短時間労働者で、以下の全要件を満たす方が新たな加入対象となります。
加入要件(すべて満たす方)
①週の所定労働時間が20時間以上
②所定内賃金が88,000円以上
③2カ月を超える雇用の見込みがある
④学生ではない
M&A仲介 自主規制
企業の合併・買収(M&A)を仲介する会社が急増しています。M&A仲介は行政庁の許可や免許が不要であるため、どのような会社でも参入可能です。この参入障壁の低さが原因で、強引な営業活動や膨大な手数料を要求するトラブルが増加しています。
仲介業者の任意団体である「M&A仲介協会」は、9月に自主規制を制定する予定です。M&A仲介契約時に「買い手と売り手から受け取る仲介手数料の総額や算定根拠」を開示する内容にするとのこと。
しかし、全国で数千社を数えるM&A仲介会社のうち「M&A仲介協会」への加盟社は107社。M&A業界のさらなる透明性の確保を期待したいところです。
編集後記
毎年8月は先の大戦に関連する書籍を読むようにしています。今年の選択は北海道新聞記者、酒井聡平著「硫黄島上陸」。硫黄島は東京とサイパンのちょうど中間にある島です。米軍の戦略上の視点では、1944年7月のサイパン占領後、日本本土攻撃のための中継基地として、重要な意味を持ちました。その硫黄島で1945年2月~3月、日本軍戦死19,900人、米軍戦死戦傷26,038人(内戦死6,821人)を数える激戦が繰り広げられました。戦後、政府による遺骨収集事業が実施されてきましたが、今なお1万柱以上の遺骨が収集されず、祖国に帰ることができていません。「祖父の戦友たちを本土に帰したい」との一心で、遺骨収集事業に参加する、著者の硫黄島上陸の軌跡が克明に記されています。なお硫黄島戦については、梯久美子著「散るぞ悲しき」もお勧めの一冊です。(井ノ上 剛)