労働基準監督署から立ち入り調査の通知が来た。あなたならどうする?介護・障害福祉事業は小規模のため充分な労務管理が追いついていない事業所が多い。このコラムでは労働基準監督署の立ち入り調査の意味について、概要を社会保険労務士が詳しく解説する。

【目次】

①労働基準監督署の立ち入り調査は拒否できる?
②抜き打ち、事前通知 どんな種類がある?
③法違反の場合、逮捕送検も
④まとめ

①労働基準監督署の立ち入り調査は拒否できる?

労働基準監督官の調査は労働基準法に規定されているため、監督署への来所、または事業所への立ち入りともに拒否することはできない。当日の都合が悪い場合の日程変更には応じてくれる場合があるが、意図的に調査を回避するような延期は避けた方がよい。

また質問に対する回答を拒否または求められた資料を提出しない場合にも罰則が適用されるため、対処方法には慎重を期したいところだ。

②抜き打ち、事前通知 どんな種類がある?

労働基準監督官の調査手法には大別して3種類ある。

ア)定期監督・・・計画に基づいて事業所をピックアップする
イ)申告監督・・・情報提供に基づき、特定の事業所を特定の問題で調査する
ウ)災害時監督・・・労災発生時の原因調査

これらに対して通常は事前に場所と日時の指定の通知があるが、事前通知により証拠隠滅等の恐れがある場合などには、抜き打ち調査が実施される場合もある。

③法違反の場合、逮捕送検も

労働基準監督官は労働法令違反に関して司法警察員の地位をもつ。司法警察員とは警察官のように逮捕、捜査、送検などの職務権限を有する職種である。

強制捜査権を持たない税務署員と比べても極めて強固な権限であるといえる。

④まとめ

以上のように労働基準監督署の立ち入り調査は、他の行政庁の調査に比べ、極めて重い問題であることが分かる。事前通知があり、あたかも定期監督であると思い込んでいても、実は従業員から申告に基づく申告監督である、などのケースも多い。

監督署調査が発生した場合、当事務所のような専門事務所へ相談の上、正しい対処相談を行うことをお勧めしたい。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)