会社名義の通帳口座はいつ頃開設できますか?またどの金融機関で作れば良いですか?

会社名義の通帳口座はどの銀行で作れば良いですか?

会社名義の通帳口座はいつ頃開設できますか?またどの金融機関で作れば良いですか?

会社設立登記後に開設しましょう。利便性と事業上の取引を考えて、最寄りの地方銀行または信用金庫をお勧めします。

解 説

初めて会社を運営する方にとって、会社名義の通帳口座の開設には戸惑いも多いことでしょう。このQ&Aでは、会社名義の通帳口座の開設タイミングと、金融機関の選び方についてご説明します。

会社名義の通帳口座の開設時期

金融機関で会社名義の通帳口座を開設するためには、一般的に次の書類が必須とされます。

会社名義の通帳口座に必要となる書類の代表例

・会社の登記事項証明書(現在事項証明書または履歴事項証明書)
・会社の印鑑証明書

これらは会社の設立登記が完了した後、法務局(管轄問わず)で取得することができます。つまり会社名義の通帳口座の開設時期は登記完了後という事になります。通帳口座開設後は、資本金の入金を行うなど、必要な手続きを行いましょう。

補足

会社の登記事項証明書(600円)は会社名・会社住所などの情報を記載するだけで請求できますので、誰でも取得することができます。そもそも、これが登記制度の本質です。一方の会社の印鑑証明書(450円)の請求には会社の印鑑カードが必要です。

どの金融機関で開設すればよいか

次にどの金融機関で開設すればよいかについてご説明します。一般的には次の4択になると思います。

①メガバンク(みずほ系、三菱UFJ系、三井住友系)
②地方銀行
③信用金庫・信用組合
④ネット専業銀行

中小企業の開業時期には①メガバンク、④ネット専業銀行はあまりお勧めできません(関係者の皆様、誠に申し訳ございません)。理由は次の通りです。

お勧めしない理由

①メガバンク
一定の事業規模にならないと融資取引や事業上の相談が困難なため。
「うちのメインバンクは(メガバンク名)だ」とおっしゃる方がいますが、単に口座を開設しているだけでは、メインバンクとは言いません。メインバンクとは「様々な金融取引を行い、金融機関側が各種の特別サービスを提供している状態」のことを言います。

④ネット専業銀行
実店舗がない、振込先に指定できない等の不便があります。特に日本政策金融公庫の融資をお考えの場合、公庫からの入金先に指定できないなどのデメリットがあります(2021年10月時点)。

※会社名義の通帳口座は複数開設しても構いませんので、2つ目、3つ目の金融機関として上記を選択するのは良いと思います。ただし口座数が多くなると残高管理が大変になりますのでご注意下さい。

結論として、中小企業の開業時期にお勧めするのは、②地方銀行または③信用金庫・信用組合です。いずれも地域に密着した出店、事業運営を行っており、中小企業向けのサポートが充実しています。

また最初の融資を日本政策金融公庫で受ける場合に、タイアップ融資(提携融資)の名目で地方銀行、信用金庫・信用組合が追加融資をしてくれる場合もあります。開業から数年経過後の事業展開の際にも、地方銀行、信用金庫・信用組合は協力にバックアップしてくれるでしょう。

②地方銀行、③信用金庫・信用組合の中から

・事業所に最も便利な場所にある
・ネット振込などが充実している

などを条件に選択しましょう。口座開設には一定の審査期間が設けられているため、なるべく早めの手続きをお勧めします。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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