役員報酬はどの程度の金額で設定するのが良いのでしょうか?

役員報酬はどの程度の金額で設定するのが良いのでしょうか?

役員報酬はどの程度の金額で設定するのが良いのでしょうか?

3通りの考え方をお示しします。最善策は「その年度の最終利益を見越して決定」です。

解 説

役員報酬の決定については、次の3通りの考え方があります。

1.その年度の最終利益を見越して決定する

これが最善策です。役員報酬(個人の年収)が一定金額以上になるまでは、

役員報酬の所得税率+住民税率 < 法人税率

となるため、なるべく会社に利益を残さず、自身の役員報酬を多く取ることにメリットがあるわけです。詳細については、こちらのQ&Aをご参照下さい。

2.現在の生活費を前提に決定する

1でご説明した「年度の最終利益を見越して決定」は、会社が3期、4期と業歴を重ねるにつれて、予測しやすくなりますが、創業1期目等は年度の最終利益の予測が難しいと思います。そのような場合は、現在の生活費や前職の収入などを参考に決定するのもよいでしょう。

この場合、次のデメリットの理解が必要です。

現在の生活費を前提に決定する場合のデメリット

①結果として役員報酬を取り過ぎた
=> 会社が赤字になった。
=> 取り過ぎた役員報酬にかかる所得税・住民税・社会保険料が無駄に。

②結果として役員報酬が少なすぎた
=> 会社が黒字になった。
=> 想定以上の法人税納付が生じた。

なお、青色申告を行っている法人の場合、①で生じる会社の赤字は、次年度以降に生じる会社の黒字と相殺できる効果があるため、一概にデメリットであるとは言えません。

(参考)
国税庁HP:青色申告を提出した事業年度の欠損金の繰越控除

3.雇用する職員さんとのバランスで決定する

会社で一番の重責を担うのは、代表者を含む役員さんであることから、雇用する職員さんの給与額とのバランスを考慮して、役員報酬を決定するのも合理的でしょう。

この場合も、前2同様のデメリットが生じる可能性がある点にご留意下さい。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
 ご了承お願い致します。

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)0120-60-60-60 
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