第3回 作業準備編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算

第3回 作業準備編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算2
井ノ上剛(社労士・行政書士)

初心者のための処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算をテーマに、全5回に分けて解説していきます。第3回は作業準備です。

第1回 基礎知識編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算4
第1回 基礎知識編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算
第2回 算定要件編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算2
第2回 算定要件編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算
第3回 作業準備編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算2
第3回 作業準備編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算
第4回 計画書編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算2
第4回 計画書編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算
第5回 実績報告編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算2
第5回 実績報告編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算

このコラムの推奨対象者

・処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算の違いが分からない方
・自分で処遇改善加算等の手続きをしているが、不安に思っている方
・これから介護障害福祉事業を開業するために知識を習得しておきたい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した法務事務所です。このコラムの執筆時(令和5年2月)現在、介護障害福祉事業の累積支援実績537社。日々多くの事業所様から処遇改善加算等のご相談をお受けし、対応しています。このコラムでは処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算の基礎知識について詳しく解説します。

このコラムと同じ内容を動画でもご覧頂けます。読むのが苦手な方はこちらをどうぞ。

処遇加算等 総額のお知らせ

初めに処遇加算等総額のお知らせについて解説します。介護保険と障害福祉で若干様式が異なります。

処遇改善加算等の総額のお知らせ

例えば、介護保険の方では令和4年4月審査分、障害福祉の方では令和4年4月受付分と記載されますが、意味は同じです。いずれも、3月のサービス提供について、4月に請求を行い、5月に入金されることを意味しています。

それぞれ事業所番号ごとに、入金予定の加算額が記載されています。この処遇加算等総額のお知らせを毎月整理することが作業の第一歩となります。

給与ソフトでの所属設定

続いて、給与ソフトでの所属設定について解説します。

  事業所名 指定種類 (A)経験技能ある介護福祉職員 (B)他の介護福祉職員 (C)その他の職種
1 ケア東京 放課後等デイ 1-A 1-B 1-C
2 ケア東京 児童発達支援 2-A 2-B 2-C
3 ケア町田 通所介護 3-A 3-B 3-C
4 ケア横浜 訪問介護 4-A 4-B 4-C
5 ケアさいたま 重度訪問介護 5-A 5-B 5-C

ある会社でご覧の5種類の事業を運営しているものとします。まずは事業所ごとに5つの番号を振っていきます。

また従業員の区分を、(A)経験技能ある介護福祉職員、(B)他の介護福祉職員、(C)その他の職種として設定します。例えば、事業所1に所属するAの職員に、給与ソフトで1-Aとして所属設定します。

このケースでは最大で、15通り所属設定が生じることになります。

次に給与ソフトの集計画面を確認します。

給与集計機能の確認

給与ソフトの機能により、期間集計が出来ると作業が効率化します。

またご覧の例では、事業所番号1、従業員区分Aが集計できたことを示しています。このように必要な情報を必要な範囲で呼び出せるように、給与ソフトの設定を行うことが準備段階のポイントとなります。

給与ソフトでの賃金設定

続いて給与ソフトでの賃金設定について解説します。

処遇関連手当の明示方法

ご覧のように処遇加算、特定加算、ベア加算から支出する手当の名称を明確にすると、後々の作業が効率化します。また例えば資格手当を特定加算から支出する場合、資格手当(特)などと名称設定すると、支給金額の管理がしやすくなります。

一時金での支給調整

続いて、一時金での支給調整について解説します。処遇加算等は、受給総額を上回る支給総額を年度内に実現する必要があります。

一時金による調整

受給年度は4月分から翌年3月分までを対象とします。一方の支給年度は事業所ごとに決定できるため、ここでは6月から5月を1年度とし、支給日が20日である例を用いて説明します。

この場合、6月20日、7月20日、8月20日に月給と共に処遇加算等を分配し、その時点の余剰額を夏季賞与で分配します。同様に、9月20日から12月20日に分配した後の余剰額を冬季賞与で、1月20日から5月20日分配した後の余剰額を5月賞与で分配します。

支給年度の最終月に一時金分配ができると、最終調整がしやすくなるため、計画書にもそのように記載することをお勧めします。

このような方法で、受給総額を上回る支給総額となるように計画しましょう。

賃金以外での処遇改善

続いて、賃金以外での処遇改善について解説します。処遇改善は、賃金支給が原則です。

処遇改善加算は賃金支給が原則

よくご質問を受けますが、

空気清浄機等の福利厚生機器購入費
介護福祉士等の資格受講費用の補助
職員の資質向上のための研修受講費

などは、処遇加算等から支出することができません。唯一、賃金以外に支出できるのが、会社負担社会保険料の増加分です。考え方が複雑なため、図で説明します。

会社負担社会保険料増加分

処遇加算等による改善前の賃金には、当然ながら社会保険料がかかります。社会保険料は会社と本人が概ね折半して負担します。

処遇加算等による賃金改善を行う場合、改善前の賃金に処遇加算手当、特定加算手当、ベア加算手当、各一時金が加わります。このことによって、会社負担社会保険料も、本人負担社会保険料も増大します。ここで、会社負担社会保険料を元の額と増加分に分類します。この増加分については、処遇加算等から支出することが可能です。

代表者・役員に対する処遇改善

続いて、代表者・役員に対する処遇改善について解説します。

役員に対する処遇改善加算

多くの経営者から「私たち役員も介護職員としても働いています。処遇加算の支給対象になりませんか?」とのご質問を受けます。処遇加算等についての通達には「役員は処遇加算等の支給対象から除外する」との規定はありません、自治体によってその考え方が異なるため、必ず管轄の自治体に確認しましょう。

年度途中の計画変更

続いて、年度途中の計画変更について解説します。

年度途中の計画変更届

年度途中に計画内容の変更が生じる場合、原則として変更届を提出します。ただし軽微な変更の場合は不要です。どのような変更が軽微な変更に該当するかも、自治体によって考え方が異なるため、変更が生じる場合は必ず管轄の自治体に確認しましょう。

まとめ

以上が第3回の解説内容です。

タスクマン合同法務事務所では、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化した社労士、行政書士、司法書士、税理士がお客様を強力にバックアップしています。

第4回以降のコラムもご覧頂けると幸いです。

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。

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