第4回 計画書編(全5回)初心者のための分かりやすい処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算
初心者のための処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算をテーマに、全5回に分けて解説していきます。第4回は計画書の作成です。
このコラムの推奨対象者
・処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算の違いが分からない方
・自分で処遇改善加算等の手続きをしているが、不安に思っている方
・これから介護障害福祉事業を開業するために知識を習得しておきたい方
コラムの信頼性
タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した法務事務所です。このコラムの執筆時(令和5年2月)現在、介護障害福祉事業の累積支援実績537社。日々多くの事業所様から処遇改善加算等のご相談をお受けし、対応しています。このコラムでは処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算の基礎知識について詳しく解説します。
このコラムと同じ内容を動画でもご覧頂けます。読むのが苦手な方はこちらをどうぞ。
計画書の入力手順
初めに、計画書の入力手順について解説します。
処遇加算計画の入力は、
基本情報入力シート
別紙様式2-2(処遇加算)
別紙様式2-3(特定加算)
別紙様式2-4(ベア加算)
最後に別紙様式2-1(総括)
の順に進めます。順番を間違えると、極端に効率が悪化するためご注意下さい。
基本情報入力シート
続いて、基本情報入力シートについて解説します。まずは介護保険からです。
介護保険では、1月当たり介護報酬総単位数から入力します。ここは処遇加算、特定加算、ベア加算額を除く総単位数です。初めて処遇加算等を算定するケースでは、見込みの1カ月当たり平均単位を算出します。継続更新のケースでは、年間総単位数を月数で割り、平均単位を算出します。また地域ごとに設定されている、1単位当たりの単価を入力します。
障害福祉の方は若干、入力内容が異なり、処遇加算等を含む1月当たり障害福祉サービス等報酬総額から、1月当りの処遇加算等の総額を引いて、処遇加算等を除く報酬総額を計算します。
初めて処遇加算等を算定するケースでは、見込みの1カ月当たり平均報酬を算出します。継続更新のケースでは、年間総報酬を月数で割り、平均報酬を算出します。
基本情報入力シートの処理により、様式2-2、2-3の作業は概ね完了します。
様式2-4(ベア加算)
続いて、様式2-4ベア加算の入力について解説します。
基本情報入力シートにより、事業所ごとのベア加算受給見込額が自動計算されます。受給見込額を上回るように、介護職員、その他の職員それぞれへの年間支給総額を入力します。
またそれぞれ支給総額の3分の2以上が毎月支給されるように金額を計算し、それぞれ右隣の枠内に金額を入力します。処遇加算、特定加算と異なり、給与段階での支給を3分の2以上とすることが、ベア加算の重要な要件となります。
様式2-1 (加算額を上回る賃金改善)
続いて、様式2-1、加算額を上回る賃金改善について解説します。
様式2-1では、
(ア)前年度の賃金総額から(イ)前年度の処遇加算総額、(ウ)前年度の特定加算総額、(エ)前年度のベア加算総額、(オ)前年度の事業者独自の賃金改善額を引いて、前年度の改善前賃金総額を計算します。この金額のことをそれぞれの加算ごとに基準額1、2、3と呼びます。
この基準額に対して、今年度の改善後の賃金総額の見込額を入力することで、賃金改善の見込額を計算します。
これが今年度の受給見込額を上回る場合、要件判定が○になり、基準をクリアします。
特定加算、ベア加算がある場合、赤枠の3つの数値をメモしましょう。この後続く説明で用います。
様式2-1(特定加算)
続いて様式2-1特定加算について解説します。
特定加算がある場合、(A)経験・技能ある介護職員、(B)他の介護職員、(C)その他の職種ごとに、改善前の前年度の賃金総額を入力します。この合計が先ほどメモした数値と一致する必要があります。
さらに、ABC3つのグループごとに、前年度の常勤換算職員数、前年度の1月当たりの常勤換算職員数を入力して、前年度のグループごとの平均賃金額を計算します。この金額のことを基準額4と呼びます。
後半部分で、どのグループに賃金改善を行うかを選択し、グループごとの平均賃金改善額を計算します。ここで計算される賃金改善額の年額が、さきほどメモした数値と一致する必要があります。
様式2-1(ベア加算)
続いて様式2-1ベア加算について解説します。
ベア加算がある場合、赤枠の金額を確認しましょう。介護職員の賃金改善の見込額とその他の職員の賃金改善の見込額の合計が、さきほどメモした数値と一致する必要があります。
また給与段階、つまりベースアップ等による賃金改善の見込額の比率が66.7%以上となる場合、要件判定が○になり、基準をクリアします。
様式2-1 (具体的な取組内容)
続いて、様式2-1具体的な取組内容の記載について解説します。
具体的な取組内容は、処遇加算・特定加算・ベア加算それぞれで規定する必要があります。当社がご推奨している一般的な記載方法をご紹介します。
具体的な取り組み内容(記載例)
月給制の職員には賃金体系図に基づき5,000円~30,000円の処遇加算手当を支給する。
時給制の職員には時間当たり100円~300円の処遇加算手当を支給する。
単価制の職員には1件当り500円の処遇加算手当を支給する。
賃金体系図で定める資格手当、役職手当を対象者に支給する。
上記の支払い後、余剰額が生じた場合は、5月・8月・12月に一時金として支給する。
処遇改善加算対象外の者が対象職種を兼務し、かつ常勤換算上勤務時間の算入を行う場合は
処遇改善の対象とする。
この様な記載例を参考に、自社の制度に合致する取り組みを記載しましょう。
まとめ
以上が第4回の解説内容です。
タスクマン合同法務事務所では、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化した社労士、行政書士、司法書士、税理士がお客様を強力にバックアップしています。
最終第5回のコラムもご覧頂けると幸いです。
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。
処遇改善加算顧問
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【この記事の執筆・監修者】
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※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
ご了承お願い致します。
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
(電話)0120-60-60-60
06-7739-2538
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