令和8年6月改定ベースアップ評価料(病院・訪問看護)|診療報酬改定のポイント、様式95と97の具体的作成方法、届出スケジュール

令和8年6月改定ベースアップ評価料_コラムサムネ
井ノ上剛(社労士・行政書士)

タスクマン合同法務事務所がお送りする福祉起業塾です。病院や訪問看護ステーションで算定できるベースアップ評価料が、診療報酬改定により拡大しています。今回のコラムでは令和8年6月改定ベースアップ評価料をテーマに取り上げ、診療報酬改定のポイント、様式95と97の具体的作成方法、届出スケジュールについて詳しく解説します。

このコラム推奨対象者

・会社経営者の方
・事業所の管理者の方
・診療報酬改定のポイントについて理解したい方
・様式95と97の具体的作成方法について理解したい方
・届出スケジュールについて理解したい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は社労士・行政書士・司法書士・税理士が合同し、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化してご対応しています。このコラムの執筆日時点、職員数86名、累積顧客数は北海道から沖縄まで990社、本社を含め12の営業拠点で運営しています。今回の福祉起業塾では【令和8年6月改定ベースアップ評価料】をテーマに取り上げ、診療報酬改定のポイント、様式95と97の具体的作成方法、届出スケジュールについて詳しく解説します。

同じ内容を動画でも解説しています。

解説対象の施設

はじめに、解説対象の施設を整理します。このコラムでは、病院で外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰと入院ベースアップ評価料を算定するケースと、訪問看護でベースアップ評価料ⅠとⅡを算定するケースについて解説します。

病院、訪問看護いずれの場合も、評価料Ⅰは全施設に共通する基本評価料です。点数は固定されており、基本診療料に加算する形で算定します。

001.外来在宅ベースアップ評価料、入院ベースアップ評価料、訪看ベースアップ評価料の一覧表

一方で入院ベースアップ評価料は、入院患者数が多く、評価料Ⅰだけでは賃金改善額が不足する場合に算定します。算定は入院日数に応じて1日1回です。訪問看護ベースアップ評価料Ⅱも、評価料Ⅰの算定のみでは賃金改善額が不足する場合に算定します。医療保険利用者割合を計算する点が、病院と異なります。

ここで重要となるのが、継続的賃上げ実施施設の取り扱いです。病院については、令和8年3月31日時点で評価料Ⅰを届け出ていた医療機関等が「注5該当施設」として、より高い点数を算定できる仕組みとなっています。注5とは厚労省告示の注書きのことです。訪問看護ステーションの場合も同様に、「注3該当施設」として取り扱われます。

令和8年6月の制度変更点

続いて、令和8年6月の制度変更について、主要4項目を解説します。

報酬・単位数の引上げ

第一に、報酬・単位数の引上げです。

002.外来在宅ベースアップ評価料、入院ベースアップ評価料、訪看ベースアップ評価料の点数表

例として、病院の外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰの初診時は、改定前6点であったものが、新規算定施設で17点、継続的賃上げ実施施設で23点となります。さらに令和9年6月からは新規34点、継続40点へと段階的に引き上げられます。訪問看護ベースアップ評価料Ⅰは、改定前780円であったものが、新規1,050円、継続1,830円となり、令和9年6月からは新規2,100円、継続2,880円へと段階的に引き上げられます。

分配対象職種の拡大

第二に、分配対象職種が拡大します。第二に、分配対象職種が拡大します。これまで「主として医療に従事する職員」とされていた対象範囲が、「当該保険医療機関に勤務する職員」に拡大します。これにより40歳未満の医師・歯科医師、および事務職員等が新たに対象に加わります。一方で、40歳以上の医師・歯科医師、業務委託職員、経営者・法人役員は引き続き対象外です。

届出様式の簡素化

第三に、届出様式が簡素化されます。これまで作成が必要だった賃金改善計画書は不要となり、様式95に統合された誓約書方式に改められ、書類作成の負担が軽減します。

賃金改善算定基礎額の計算方法

第四に、賃金改善算定基礎額、つまりベースアップ評価料の月額見込み額の計算方法です。これは月額賃金総額に1.29という係数と定められた賃上げ率を乗じて算出します。月額賃金総額には、基本給と毎月決まって支払われる手当が含まれますが、賞与や法定福利費は含みません。月額賃金の増加に伴う、賞与増加分や事業主負担の法定福利費増加分は、1.29倍の中に含まれる仕組みとなります。

病院様式95の作成方法 ≒訪看様式11(Ⅰ)

続いて、届出書類の作成方法について解説します。ここでは、外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰに用いる様式95、入院ベースアップ評価料に用いる様式97を取り上げます。訪問看護の様式を作成する場合は、以下の対応関係を参考にしてください。

003.外来在宅ベースアップ評価料、入院ベースアップ評価料、訪看ベースアップ評価料参考関係

まず、様式95の作成手順です。誓約書の欄では、毎年8月に様式100で実績報告を行うこと、評価料収入の全額を対象職員の賃金改善に充当することを誓約します。

01.様式95(誓約書)

続いて、必要記載項目は、届け出る評価料、外来医療の実施状況を選択します。

02.様式95(届出区分と外来医療)

続いて、対象職員の常勤換算数と注5該当性の確認を行います。令和8年3月31日時点で評価料Ⅰを届け出ていたか、もしくは所定以上のベースアップを実施したかを選択します。

03.様式95(対象職員数・注5該当性)

病院様式97の作成方法 ≒訪看様式11(Ⅱ)

続いて、様式97の作成方法について解説します。様式97は、看護職員処遇改善評価料と入院ベースアップ評価料を統合した届出様式で、Excel様式の中で2つの評価料の算定区分が自動判定されます。

04.様式97(看護職員処遇改善評価料・入院ベア評価料)

記載手順としては、誓約部分と届出を行う評価料を確認したうえで、新規届出を選択します。

05.様式97(誓約書・届出・新規)

続いて、対象職員数、届出年月日、賃金改善開始年月日を入力します。

06.様式97(対象職員数)

続いて、看護職員等の数、延べ入院患者数を記載します。

07.様式97(看護職員数・述べ入院患者数)

続く算定基礎額の中心は、続くアからエの欄までの入力です。アの欄に医師等を除く職員、イの欄に看護補助者と事務職員の月額賃金総額を直近1か月で記載し、ウ・エの欄に40歳未満医師等の人数を直近3か月平均で入力します。

08.様式97(月額賃金総額・医師数)

これにより賃金改善算定基礎額が自動計算されます。

09.様式97(賃金改善基礎額)

続いて、評価料の区分決定のために、届出を行う直近3か月について、初診料、再診料などの算定回数を入力します。

10.様式97(点数の記入)

これらにより、値【A】と値【C】が自動計算されたことを確認します。

11.様式97(値AとC)

続いて、施設基準要件の確認を行います。

12.様式97(施設基準要件の確認)

ページ末尾で入院ベースアップ評価料の算定区分が自動判定されていれば、書類作成作業は終了です。

13.様式97(届出区分)

届出手続きのスケジュール

最後に、届出手続きのスケジュールについて解説します。 ベースアップ評価料の届出は、5月末までに提出する必要があります。算定開始は6月1日からです。その後、8月には、前年度分の賃金改善実績報告書とあわせて、当年度分の賃金改善中間報告書を、様式100で提出します。令和8年度から中間報告の仕組みが取り入れられた点にご注意ください。

14.届出手続きのスケジュール

まとめ

今回のコラムでは令和8年6月改定ベースアップ評価料について解説しました。診療報酬改定のポイント、様式95と97の具体的作成方法、届出スケジュールについてご理解いただけたかと思います。

介護障害福祉事業の会社設立・指定申請開業相談_税理士社労士顧問契約相談ヘッダー

会社設立・運営をサポート!

タスクマン合同法務事務所では、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化した社労士、税理士、行政書士、司法書士がお客様を強力にバックアップしています。詳細は画像をクリックしてご確認下さい。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
 ご了承お願い致します。

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)0120-60-60-60 
     06-7739-2538