自動車は購入、割賦(クレジット)、残価設定クレジット、リースどれが有利ですか?

自動車は購入するのとリース、残価設定クレジットどれが有利ですか?

社用車の取得を検討しています。購入、割賦(クレジット)、残価設定クレジット、リースどれが有利ですか?

支出総額、法人税、利便性3つの観点から比較検討して決定しましょう。

用語の開設

残価設定クレジット(残クレ)とは、途中まで割賦(クレジット)で分割して支払い、以後は一括払い・分割継続・乗換えの選択を可能とするしくみです。会社の状況変化に応じて、短期的に新しい車へ乗り換えが可能となります。

解 説

ここからは支出総額、法人税、利便性3つの観点から比較検討します。

支出総額で比較

購入 割賦(クレジット) 残クレ リース
× ××

1位は購入です。金利が掛からないためです。ただし銀行融資を受けて購入する場合割賦(クレジット)と同位となります。

2位は残クレです。分割払終了後に一括払いを選択すると以後の金利が生じないため、2位としました。

3位は割賦(クレジット)です。支払全期間に金利が掛かるためです。

4位はリースです。割賦(クレジット)同様、支払全期間に金利が掛かる上に、 一般的なカーリース契約では、車検費用・自動車税・自動車保険・通常生じる修繕費を含めてリース契約とするため、これらに係る金利を含めると支払総額は最も高くなります。

※この項では金利(リース料率)が全て同じであることを前提に比較しています。

法人税で比較

購入 割賦(クレジット) 残クレ リース

いずれの場合も、トータルの期間では、車両本体価格、取得費用(諸税、自賠責)が経費化されることで法人税の節税に繋がる点は同じです。

しかし購入、割賦(クレジット)、残クレの場合は減価償却を行うことで取得1~2年目に多めの経費化が可能となるのに対し、リースは毎年度均一の経費化を行うことになるため、優劣を付けました。

中古車の場合、減価償却年数がさらに短くなるため、この差は顕著となります。

なお、この項での比較は会社が黒字で法人税の納付が生じる場合に限ります。赤字の会社ではこの項の比較はあまり意味がないでしょう。

利便性で比較

購入 割賦(クレジット) 残クレ リース
×

1位はリースです。一般的なカーリース契約では、車検費用・自動車税・自動車保険・通常生じる修繕費を含めてリース契約とするため、 都度支払い手間や固定資産管理の必要がありません。

2位は購入と割賦(クレジット)です。車検・自動車税・自動車保険・修繕などを自己管理しつつ、固定資産管理の手間も生じるため、リース契約に比べて利便性は劣ります。

3位は残クレです。購入・割賦(クレジット)に加えて、分割払い終了後の一括払い・分割継続・乗換えの選択時に再契約の手間が生じる分、3位としました。

以上の3つの観点から比較して、自社に適した取得方法を選択しましょう。

【この記事の執筆・監修者】

山下 龍志
山下 龍志(やました りゅうじ)
◆1981年生 関西大学大学院卒
◆税理士(近畿税理士会 南支部 登録番号143312)
◆中小企業庁認定 経営革新等支援機関※ ID:106727012301
◆事務所 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル