令和9年度介護報酬改定|人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築|3つの地域類型、特定地域サービスの創設と訪問介護の包括報酬、介護サービスの市町村事業化

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タスクマン合同法務事務所がお送りする福祉起業塾です。このシリーズでは令和9年度介護報酬改定を複数回に分けて深掘りしていきます。今回取り上げるのは【主要4テーマの第1、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築】です。3つの地域類型、特定地域サービスの創設と訪問介護の包括報酬、介護サービスの市町村事業化について詳しく解説します。
このコラム推奨対象者
・会社経営者の方
・事業所の管理者の方
・3つの地域類型について理解したい方
・特定地域サービスの創設と訪問介護の包括報酬について理解したい方
・介護サービスの市町村事業化について理解したい方
コラムの信頼性
タスクマン合同法務事務所は社労士・行政書士・司法書士・税理士が合同し、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化してご対応しています。このコラムの執筆日時点、職員数86名、累積顧客数は北海道から沖縄まで993社、本社を含め12の営業拠点で運営しています。今回の福祉起業塾では【主要4テーマの第1、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築】をテーマに取り上げ、3つの地域類型、特定地域サービスの創設と訪問介護の包括報酬、介護サービスの市町村事業化について詳しく解説します。
同じ内容を動画でも解説しています。
3つの地域類型
このコラムでは、令和9年度介護報酬改定、主要4テーマのうち、「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」に関連した内容を先取りしていきます。


まずは、3つの地域類型からです。2040年には、65歳以上の高齢者数がピークを迎えることに加え、地域によって、高齢化や人口減少のスピードに大きな差が生じます。そこで、「時間軸」と「地域軸」の両視点から、全国を主に3つの地域類型に分類する案が示されました。
中山間・人口減少地域
1点目は「中山間・人口減少地域」で、高齢者人口の減少に伴い、サービス需要も減少する地域です。
大都市部
2点目は「大都市部」で、2040年にかけて高齢者人口が増加し続け、サービス需要が急増する地域です。
一般市等
3点目は「一般市等」で、高齢者人口は増減するものの、サービス需要が2040年までに増加から減少へ転じる地域です。
この三類型のうち、制度上、対象地域を厳密に特定する必要があるのは「中山間・人口減少地域」です。特定にあたっては、特別地域加算の対象地域を基本としつつ、同一市町村内の一部エリアに限った特定も可能となります。最終的には、介護保険事業計画の策定プロセスにおいて、市町村の意向を確認したうえで、都道府県が決定します。
令和9年度改定における最大のポイントは、まさにこの「中山間・人口減少地域」への対応にあると言えます。
特定地域サービスの創設
続いて、特定地域サービスについて解説します。中山間・人口減少地域では、担い手の不足が他地域と比べても深刻な状況にあり、訪問系サービスにおける移動の負担や、季節による繁閑など、経営面の課題も目立ってきています。
そのため、サービスの質を確保し、職員の負担にも配慮したうえで、人員配置基準の柔軟化や事業者間の連携強化を進める仕組みづくりが求められます。
そこで、現行の特例介護サービスの枠組みを拡張し、「特定地域サービス」という新たな類型を創設する見込みです。この新類型では、賃金の改善、ICT機器の活用、事業所間の連携などを前提に、管理者や専門職の常勤・専従要件や、夜勤要件の緩和などが検討されます。対象サービスは以下の通りです。
対象サービス
訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、福祉用具貸与、居宅介護支援、施設サービス、特定施設入居者生活介護、地域密着型サービス
通常の指定サービスは、国の基準に従い、全国一律で運営されます。これに対して基準該当サービスは、国の基準の一部を満たさない事業者であっても、都道府県等が条例で定める基準を満たす場合に認められる仕組みです。離島等相当サービスは、基準該当サービスでも対応が困難な離島・中山間等の地域に限定した、さらに柔軟な仕組みです。そして、令和9年度介護報酬改定で導入が検討されている特定地域サービスは、中山間・人口減少地域に限定したうえで、施設サービスまで対象を拡げた新たな類型となります。


加えて、訪問介護などにおいては、現行の出来高報酬とは別に、月単位の定額払いとなる包括報酬を選べる仕組みも導入される見込みです。これにより、特に季節による繁閑が大きい地域や、小規模な事業所において、経営の安定につながることが期待されます。
介護サービスの市町村事業化
最後に、介護サービスの市町村事業化について解説します。今後2040年を見据えると、特定地域サービスのような特例を活用しても、なおサービス提供体制を維持することが困難な地域も想定されます。
こうした地域でも、利用者が自ら契約してサービスを選ぶという介護保険の理念は守りながら、住み慣れた地域で、これまで通りの暮らしを続けられるようにすることが重要です。
そこで、通常の介護保険サービスとは異なり、市町村がサービス提供主体となり、事業者に業務委託して介護サービスを届ける「特定地域居宅サービス等事業」を創設する見込みです。
事業化の対象となるサービスは、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護などであり、これらを組み合わせて提供することも想定されています。利用者との契約に基づき、適切なケアマネジメントを経て要介護者にサービスを届ける点は、通常の介護保険サービスと変わりません。なお、この事業は、地域支援事業の一類型として実施される見込みです。
まとめ
今回のコラムでは主要4テーマの第1、人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築について解説しました。3つの地域類型、特定地域サービスの創設と訪問介護の包括報酬、介護サービスの市町村事業化についてご理解いただけたかと思います。
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【この記事の執筆・監修者】
- (いのうえ ごう)
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ご了承お願い致します。
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
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