■一般的な死亡日の認定

1.医師が確認する「死亡」

「瞳孔が開き(無反応)」、「呼吸をせず」、「心肺が止まっている」

という状態を指して「人の死」とするのが一般的な考え方です。

このような「体の状態」を、医療の専門家である医師が確認するわけです。

2.過去には医師による誤診断も

逆説的にいうと、「絶対的に生き返らない状態」です。

医療技術が今ほど進んでいない時代には、葬儀中に蘇生する(正しくは意識が戻る)という誤診断が多々あったそうです。

しかし現代では医療技術の進歩によりそのようなことはないでしょう。

やはり原則として

「瞳孔が開き(無反応)」、「呼吸をせず」、「心肺が止まっている」

というのが通説的な人の死であるという事が言えそうです。

しかし、法手続きの世界ではこれ以外にも「人の死」を認める場合があります。

■法律に記載されている人の死

1.脳死は人の死か?

臓器移植法によると、

「同法で定める脳死の状態」であり、かつ
「臓器移植のために臓器の摘出がされる場合」
に限り、脳死時点をもって「人の死」とみなしています。

脳死を人の死と認める「場合がある」

という、少し難しい概念です。

2.戸籍法89条の「認定死亡」

戸籍法に次のような規定があります。

戸籍法89条
水難・火災などによって死亡が確実視される場合は、医師の診断を待たずして、実際に取調べをした官公署が市町村に死亡報告をする(死亡認定)

つまり医師が診断をしなくても、誰が見ても死亡していることが分かる状態の事を指します。

3.長期行方不明

行方が分からない人について検討します。

どこかで命を絶ってしまっているかもしれませんが、もしかすると別名を名乗って、新しい人生を送っているかもしれません。

しかし家族や利害関係者(特に法律上の)にとっては、この不完全な状態をいつまでも放置しているには限界があります。

そこで「実際には生きているかもしれないが、法律上は死んだものとみなす」

という制度があります。民法30条の「失踪宣告」です。

原則7年間の行方不明、例外的に戦争や難破船などで生死不明になった方は1年間。

この期間が経過したときに、死亡したものとみなすという制度です。

以上のように「死亡日」は、その後の相続手続きの起算日を測定する際に、非常に重要な意味を持ちますので、注意が必要です。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538