■国民年金関連の手続き

1.国民年金の被保険者(加入者)が亡くなった場合

予備知識ですが国民年金には1号、2号、3号があります。

それぞれを要約すると、

1号 自営業者
2号 勤め人
3号 勤め人の配偶者

となります。

このうち1号に該当する方が亡くなった場合、14日以内に市町村長に届出が必要ですが、死亡届を提出した場合は省略可能です。

2号、3号に該当する方が亡くなった場合は、勤め先が手続きをすることになりますので、自ら手続きする必要はありません。

(ちなみに勤め先が5日以内に日本年金機構等へ届出ます)

これらの手続きにより、
「国民年金の被保険者(加入者)が亡くなったので、以後保険料を払う必要はない」
という状態になるわけです。

2.国民年金の受給権者が亡くなった場合

では逆に国民年金を「受け取っている方」が亡くなった場合はどうすればよいのでしょうか?

少し横道にそれます。

2010年前後、国民年金の不正受給が社会問題になりました。

この問題は、戸籍法の死亡届も国民年金法の死亡届も提出せず、

「受給権者が亡くなったことを隠す」

ことで国民年金を不正に受給し続けたというものです。

(例 東京都足立区で、生存していれば111歳の方が実は30年前に死亡していたという事件)

このような問題を受けて、政府は76歳以上の方の通院情報を基に、毎年生存確認を行うようになったわけです。

さて、国民年金の受給権者の死亡届は14日以内、厚生年金の受給権者の死亡届は10日以内。
いずれも日本年金機構への届出が必要です。

ただしこの場合でも死亡届を提出した場合は省略可能です。

■その他社会保険関連の手続き

1.健康保険の被保険者が亡くなった場合

健康(医療)保険には大きく分けて4種類あります。
①国民健康保険
②後期高齢者医療保険
③介護保険
④健康保険(政府管掌)

①~③については14日以内に市役所へ届出する必要があります。
④については事業主が5日以内に日本年金機構(または健保組合)へ届出する必要があります。

①④については、埋葬に対する支援金(埋葬費)として5万円程度の支給がありますので、漏れなくお手続きをされることをお勧めします。
(市役所によって支給額が異なります)

2.労災保険、遺族年金、雇用保険の被保険者が亡くなった場合

・仕事中に亡くなった方の場合の労災請求(労災保険法)
・遺族年金の受給が可能な方の遺族年金請求(国民年金法、厚生年金法)
・受け取るべき年金を受け取れずに亡くなった方の未支給年金(国民年金法、厚生年金法)
・雇用保険の失業給付を受け取れずに亡くなった方の未支給給付(雇用保険法)

があります。

これらの届出が漏れると、重要な権利を失ったり、不要な義務を負い続けたりする可能性がありますので、漏れなくチェックリストなどで管理することをお勧めします。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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 (電話)06-7739-2538