ファクタリングによる資金調達|介護障害福祉事業の売上債権を早期現金化できるファクタリングサービスとは?

ファクタリングによる資金調達|介護障害福祉事業の売上債権を早期現金化できるファクタリングサービスとは?
井ノ上剛(社労士・行政書士)

介護障害福祉事業を運営されている方、またはこれから開業しようとする方の中には、日々の資金繰りに不安を感じている方も多いのではないでしょうか?このコラムでは、ファクタリングによる資金調達についてご説明します。日本政策金融公庫による資金調達も別コラムで解説していますので、併せてご覧下さい。

このコラムの推奨対象者

・介護障害福祉事業を運営中でファクタリングに関心のある方
・介護障害福祉事業の開業を計画中で資金面で不安のある方
・ファクタリング取引とは何か?に興味のある方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した法務事務所です。このコラムの執筆時(令和4年7月)現在、介護障害福祉事業の累積設立支援実績484社。多くの顧問先から「売上債権を早期現金化するファクタリングサービス」についてご質問を受けています。このコラムではファクタリングによる資金調達の仕組みを詳しく解説します。

同じ内容を動画でも解説しています。

日本政策金融公庫での資金調達については別コラムをどうぞ。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、自社が持つ売上債権を早期に現金化する金融サービスです。ファクタリングを利用することで、資金繰りを改善することが可能となります。

具体例でご説明します。

介護障害福祉事業を運営する会社が4月にサービス提供を行った場合、介護報酬や障害福祉報酬の請求は翌月、つまり5月に行うことになります。審査が通った後、会社に入金通知書が送付され、6月にサービス報酬が入金されます。障害福祉事業の場合は6月15日前後、介護保険の場合は6月25日前後です。

つまり介護保険事業では4月1日にサービスした分の売上金が、なんと85日も経ってから入金されるというわけです。非常に長い期間待たなければならない、ということがお分かり頂けると思います。

一方、事業を運営する上では、経費の支払いは先行で発生します。例えば家賃や給料をはじめ、様々な経費の支払いです。売上金が入金される前に、どんどんお金が出ていくわけです。

この様な場合に、介護報酬や障害福祉報酬の現金化が早くなると、経営が楽になると思いませんか?

介護障害福祉事業におけるファクタリングとは?

ファクタリングとは、このような介護報酬、障害福祉報酬を早めに現金化するサービスなのです。

ファクタリングの仕組み

介護報酬、障害福祉報酬を早期に現金化する仕組み、つまりファクタリングを行う場合は、ファクタリング会社と個別に契約する必要があります。一般的な事例でご説明します。

ファクタリングの利用例

4月に100万円の介護サービスの提供があったとします。(ここでは利用者負担分の存在は割愛します)

5月10日までに国保連に介護保険給付費の請求を起こすことで、6月25日に100万円が入金されるところですが、ファクタリングを利用すると、ファクタリング会社から例えば5月15日に入金されることになります。

もう少し細かく説明しましょう。

介護障害福祉事業におけるファクタリングの仕組み①

あなたの会社は、5月10日までに国保連に対して介護保険給付費を請求することで「国保連に対する売上債権」という権利を持っている事になります。この権利を、ファクタリング会社が買い取ってくれるわけです。

しかしこの時点では介護保険報酬の審査が終わっていないため、100万円の介護報酬が後日減額されてしまう可能性があります。

そのような事態に備えて、ファクタリング会社も100万円の全額を現金化してくれるというわけではありません。例えば80%に相当する、80万円を先に現金化してくれる形になります。

介護障害福祉事業におけるファクタリングの仕組み②

ファクタリング会社の手数料が1%だとして、8000円が差引され差額の792,000円が5月15日に入金されます。

残り20万円はファクタリング会社が国保連から100万円の支払いを受ける6月25日以降に支払われる、これがファクタリングの大まかな仕組みです。

介護障害福祉事業におけるファクタリングの仕組み③

ファクタリングを使う本来の意味とは?

最後に、ファクタリングと運転資金の関係についてご説明しておきます。

ファクタリングの説明の中で「売上債権」という言葉を使いました。介護障害福祉事業に限らず「売上債権」とはサービス提供は終えているけれども、売上金が入金されてない部分の権利のことです。

介護障害福祉事業の場合、サービス提供月の翌々月に売上債権が国保連などから入金されるため、毎月月末には2か月分の売上債権が貯まります。要するに4月末時点で、3月分と4月分の売上債権が貯まっているという意味です。

「売上債権」が増えると会社の経営は楽になるでしょうか?または苦しくなるでしょうか?

一見「楽になる」と思いがちです。しかし経営経験のある方ならお分かりになると思いますが、全くその逆つまり「苦しくなる」が正解です。

理由は簡単です。売上債権が増大する局面、つまり売上が増大する局面では、売上金が入金されるまでに先行して発生する支払いも同時に増大しているためです。

介護障害福祉事業におけるファクタリングの目的

具体的には人員増加に伴う給与や賞与、社会保険料などの人件費や日々の活動諸経費の増大です。売上が増えているのに資金が足りない、黒字倒産する、というのは売上債権の現金化に時間がかかるのが理由です。

ファクタリングはこのような売上債権の入金期間のギャップを埋めるために最適なサービスなのです。

まとめ

今回のコラムでは、ファクタリングによる資金調達についてご説明しました。別コラムで日本政策金融公庫による資金調達も解説していますので、併せてご覧下さい。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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