このコラムを3分読むと分かること

・4種類の介護タクシーの比較
・どの介護タクシー免許で開業するのが最も効率的か
・白(黄)ナンバーで介護タクシーは開業できる?
・個人でも開業できる介護タクシーは?

近年、介護現場で急速にニーズが高まっている介護タクシー。介護タクシー開業のためには原則として二種免許が必要だが、介護タクシーにはどのような種類があるのだろうか?このコラムでは介護事業開業支援の専門家が、介護タクシーの開業方法について詳しく解説する。

このコラムの目次

①4種類の介護タクシー比較
②一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)許可
③特定旅客自動車運送事業許可
④自家用自動車有償運送事業許可
⑤NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送登録
⑥まとめ

①4種類の介護タクシー比較

乗車する利用者から運賃を受け取る「介護タクシー」を開業するためには、以下4種類いずれかの許可(登録)を受けなければならない。詳細はコラム内で説明するとして、先ずは介護タクシーの概略を把握しよう。

《介護タクシー 4種類の比較》

運送業許可種別 運転免許 ナンバー 対象者 申請者

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)許可

道路運送法4条許可

二種 緑・黒 要介護認定や障害者手帳の有無に関わらず、単独歩行困難な人とその付添人。 個人・法人

特定旅客自動車運送事業許可

道路運送法43条許可

二種 緑・黒 自社の介護サービスを利用する、要介護認定者および障害者 指定訪問介護・障害福祉事業者(法人)

自家用自動車有償運送事業許可

道路運送法78条3号許可

一種 白・黄 上記2種(4条、43条)どちらかの許可を取得した場合の対象者。 上記2種(4条、43条)どちらかの許可を受けた、指定訪問介護・障害福祉事業者(法人)

NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送登録

道路運送法79条登録

一種 白・黄 要介護認定や障害者手帳の有無に関わらず、単独歩行困難な人とその付添人。 NPO・社会福祉法人等非営利法人

 

②4条 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)

運転者の免許とナンバープレート

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)の運転者は、当然に二種免許が必要だ。車両ナンバープレートは普通車の場合は緑色、軽自動車の場合は黒色となる。

介護タクシーの利用者

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)は、皆さんがよく目にするタクシー業と同じカテゴリーに入る。ただし、誰かれ構わず乗車させることが出来るか、と言うとそうではなく、単独での歩行が困難な方に限定される。

そのような意味から「福祉輸送事業限定」との条件が付されている。

利用者に関しては介護保険法や障害者総合支援法の制度適用には関係なく、もう少し広い意味での「単独歩行困難者」とその付添人とされている。

介護タクシー開業申請者

一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)での介護タクシー開業許可申請は、法人・個人を問わず行うことができる。この点が 他の3種の介護タクシー業との大きな違いだ。(他3種は法人でないと運営できない)

このような意味で、一般的に運営されている「個人の介護タクシー業」は全て、 一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)である。

③43条 特定旅客自動車運送事業許可

運転者の免許とナンバープレート

特定旅客自動車運送事業の運転者は、当然に二種免許が必要だ。車両ナンバープレートは普通車の場合は緑色、軽自動車の場合は黒色となる。

介護タクシーの利用者

特定旅客自動車運送事業における、「特定」とは利用者が一部の人に「特定」されていることを示す。

具体的には、 自社の介護サービスを利用する、要介護認定者および障害者である。逆に言うと、例え自社の介護サービスを利用する、要介護認定者および障害者であっても、運賃をもらって車で移送するためには、営業ナンバー(緑・黒)の取得が必要となる点に注意しよう。

介護タクシー開業申請者

特定旅客自動車運送事業での介護タクシー開業申請者は、指定訪問介護・障害福祉事業者に限定されている。

また指定訪問介護・障害福祉事業は、法人での運営しか認められていないことから、必然的に特定旅客自動車運送事業での介護タクシー開業申請者は法人となる。

通常は、指定訪問介護・障害福祉事業における、タクシー乗降の際の介護保険サービス「通院等乗降介助」のサービスを行うことで、この部分について介護保険(障害福祉費)給付を受けることができる。
>>通院等乗降介助の詳細はこちら

④78条3 自家用自動車有償運送事業許可

運転者の免許とナンバープレート

自家用自動車有償運送事業の運転者は、一種免許での運転が可能だ。車両ナンバープレートは普通車の場合は白色、軽自動車の場合は黄色となる。これが「自家用」と呼ばれる所以である。

介護タクシーの利用者および開業申請者

前述の通り、自家用自動車有償運送事業は、一種免許、自家用(白・黄)ナンバーでの介護タクシー運営が可能だ。

その前提として、以下いずれかの介護タクシー許可を受けている必要がある。

・ 一般乗用旅客自動車運送事業-福祉輸送事業限定許可
・特定旅客自動車運送事業許可

加えて、 指定訪問介護・障害福祉事業者としての指定を受けている(=法人)必要がある。

自家用自動車有償運送事業は、以上の条件のもとで、二種免許を持たない介護職員が、事業所または個人の所有する自家用車で、利用者を移送することを認める制度だ。(そのため「ぶら下がり許可」と呼ばれる場合がある)

⑤79条 NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送登録

運転者の免許とナンバープレート

NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送事業の運転者は、 一種免許での運転が可能だ。 車両ナンバープレートは普通車の場合は白色、軽自動車の場合は黄色となる。

介護タクシーの利用者

NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送事業の利用者に関しては、介護保険法や障害者総合支援法の制度適用には関係なく、もう少し広い意味での「単独歩行困難者」とその付添人とされている。

介護タクシー開業申請者

NPO・社会福祉法人等による福祉有償運送事業における介護タクシー開業申請者は、 NPO・社会福祉法人等に限定されている。

他の3種の介護タクシー業に比べて、開業条件は緩やかに設定されている反面、利用者から徴収する運賃は、相場の半額程度に抑える必要がある。

⑥まとめ

以上が4種類の介護タクシー業の許可種別だ。

広く一般の利用者を募るのか、それとも自社(介護事業所)の利用者に限定するのか。介護タクシー開業のためには、まずはこの点から許可種別を検討していく必要がある。