介護障害福祉事業を開業する方向けの法定相続人講座㉒|相続した不動産が欠陥住宅だったとき、修繕費用は誰が払うのか?
■遺産の欠陥にどう対処するか?
1.遺産の欠陥の具体例
例えば次のようなケースが遺産の欠陥と言えます。
(表現上、「遺産の欠陥」は故人に失礼であることは承知の上ですが、分かりやすくするためにこのように表現しています。)
・土地の一部が実は隣人のものだった
・建物に構造上の欠陥が見つかり多額の修繕費がかかる
・相続財産に他人に対する貸付金があったが、相手先が倒産して焦げ付いた
2.遺産分割協議で対処法を決めていないかった場合
民法では次のように示しています。
民法911条 「担保責任は相続分に応じる」
例えば、BCD(ともに子)が1/3ずつ均等に相続したとします。
そのうち、Bが相続した家屋に構造上の欠陥が見つかり、300万円の修繕費がかかることになりました。
この修繕費は、Cが100万円、Dが100万円をBに支払うことで解決しましょう、という趣旨です。
もちろん、この欠陥についてあらかじめBCDが知っていて、それを前提に家屋の評価額を決め、分割協議をしていた場合には通用しません。
3.相続人の一部が遺産の修繕費を支払えない場合
先のケースでDが破産寸前で、100万円の修繕費をBに支払うことができない 場合を考えてみます。
民法913条では、
「無資力者の負担分は他の相続人が法定相続分に応じて背負う」とあるため、
次のようになります。(計算例)
【欠陥が見つかったことによる負担】
C→B(100万円)
D→B(100万円)
【Dが支払えない100万円による負担】
Bが50万円
Cが50万円
【結果300万円の負担割合】
B:300万円(修繕費総額)-100万円(Cから)-100万円(Dから)
+50万円(Dの無資力分) = 150万円
C:100万円(Bへ)+50万円(Dの無資力分)=150万円
【この記事の執筆・監修者】
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ご了承お願い致します。
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
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