贈与の対象は、お金に限りません。お金ならば、いくらあげたのかは一目瞭然ですよね。

しかし、土地や建物などはいくらなのかが簡単には分かりません。今回は、贈与における土地と建物の原則的な評価方法について解説いたします。

■土地の評価方法

1.財産評価基本通達

贈与税は、取得した財産の価額に対して課税されます。

したがって、もらったものが一体いくらなのかが非常に重要です。

相続税や贈与税は、原則としてその財産を取得したときの時価を基準とします。

しかし、不動産は、そもそも時価が曖昧ですし、その時々の取引の事情によって値段が大きく変動します。

このような特性をもつ不動産は時価による財産評価に馴染みにくい財産です。

そこで、財産評価基本通達という国税庁が定めているルールにより、不動産は以下の特別な方法で評価することになっています。

贈与税(相続税も同じです)における土地の評価方法には、路線価方式倍率方式の2種類があります。

2.路線価方式

路線価方式とは、主として市街地の宅地を評価する際の評価方法です。

路線価とは、路線、つまり道路につけられた値段です。

その道路に面している土地は1㎡○○円で評価するという仕組みです。

たとえば、路線価が10万円で、その道路に接している土地が120㎡の場合を考えましょう。

路線価10万円 × 120㎡ = 1200万円がこの土地の評価額です。

※実際の評価ではさらに補正率が適用され調整されます。

遺産相続手続き不動産_路線価


ちなみに具体的な路線価は、毎年7月に国税庁が発表しています。

ご自身の土地がいくらで評価されるのか気になる方は国税庁のホームページで検索してみてください。

3.倍率方式

倍率方式とは、路線価が定められていない主として郊外および農村部の宅地の評価方法です。

毎年4~6月ごろに市区町村から固定資産税の通知書が届けられます。

その通知書の中には固定資産税の評価額が記載されています。

この価額を基礎として地域ごとに国税局長によって定められた倍率を掛けて計算した金額が評価額になります。

例えば、固定資産税の評価額が1000万円、その地域の倍率が1.2倍の時を考えてみましょう。

1000万円 × 1.2 = 1200万円がこの土地の評価額です。

■建物の評価額

1.建物の評価方法

建物は、贈与時の固定資産税の評価額に基づいて評価されます。

建物は、経年劣化のために初年度の評価額をピークとして、評価は下がる傾向にあります。

2.時価との比較

先ほど不動産は、時価評価に馴染みにくい財産であると述べました。

だからこそ、上記のような特別な方法により評価額を決定しているのです。

では、実際のところ時価評価と比べてみるとどちらがお得なのでしょうか。

一般的に、上記の評価方法で計算した価額は通常の時価よりも安くなります。

土地は時価の約80%、建物は時価の約50~70%と言われています。

現金ではなく、不動産に変えて贈与する方が税金対策になると言われるのは上記の事情を利用した手法です。

ただし、不動産購入時には、登録免許税、印紙税、消費税、不動産取得税など贈与税以外の様々な税金が発生します。

不動産を使った贈与税対策をお考えの方は専門家にご相談されることをお勧めします。