20歳前の傷病による障害年金|受給可能な4つのパターン

20歳前の傷病による障害年金|受給可能な3つのパターン

20歳前の障害年金コラムを3分読めば理解できること

・国民年金未加入の20歳前でも障害年金の対象になることが理解できる
・20歳前の障害年金特有の制度が理解できる
・20歳前で勤務先の公的年金に加入している場合の障害年金制度が理解できる

障害年金受給の3要件の一つに「保険料納付要件」がある。保険料を納めた方に保険給付を行うという、公的保険の原則によるものだ。それではそもそも国民年金に加入していない20歳未満の方はどうなるのか?このコラムでは20歳前の傷病による障害年金について解説する。

20歳前の障害年金コラムの目次

・パターン①初診日が18歳6ヶ月以前の場合
・パターン②初診日が18歳6ヶ月以後の場合
・パターン③障害認定日には障害等級に該当せず後で障害等級に該当した場合
・パターン④20歳前に就職している方が就職中に初診日を迎えた場合
・20歳前の障害年金特有の決まり
・20歳前の障害年金コラムのまとめ

・パターン①初診日が18歳6ヶ月以前の場合

この場合、障害認定日が20歳前に訪れるため、20歳になるまで障害認定を行うことはできない。20歳になったときに障害認定を行い、障害等級に該当しているかどうかを判断することになる。

《初診日はいつ?》

20歳前の障害年金では初診日の特定が難しい。出生時にせよ、後発的なものであるにせよ、相当な年数が経過しているケースが多いためだ。

初診日の確認ができない場合、親族以外の第三者の客観的な証明により総合的に初診日の判断を行うこととされている。

・パターン②初診日が18歳6ヶ月以後の場合

この場合には、通常の障害年金の要件通り、初診日から1年半経過した日に障害等級に該当するかどうかを判定する。

・パターン③障害認定日には障害等級に該当せず後で障害等級に該当した場合

前に述べた①②のケースで、障害認定日には障害等級に該当しなかった場合を考えよう。この場合であっても初診日さえ20歳前にあることが証明できれば、障害が重症化し障害等級に該当したときから障害年金を請求することができる。

この制度を事後重症による20歳前傷病に基づく障害年金と呼ぶ

・パターン④20歳前に就職している方が就職中に初診日を迎えた場合

①②とは異なり、例えば19歳で就職し、就職先の社会保険(国民年金2号被保険者)に加入した方が、20歳になる前に障害を負った場合には、本来の障害年金が支給される。

・20歳前の障害年金特有の決まり

年金保険料を納付していないときに生じた傷病に基づき支給される、20歳前の障害年金には特有の決まりがある。そのいくつかをご紹介しよう。

《所得による制限》

所得が360万円を超えたら障害年金は半額停止
所得が462万円を超えたら障害年金は全額停止
※ただし、扶養親族1名当たり38万円を加算して計算

《収容・拘禁・国外による制限》

刑事施設、労務場、少年院にいるときは全額支給停止
また日本に住んでいないときも全額支給停止

・20歳前の障害年金コラムのまとめ

以上が20歳前の傷病による障害年金を受給可能な4つのパターンである。公的年金に未加入の状態でも支給される20歳前の障害年金には、通常の障害年金の受給基準とは異なる、特別のルールが設けられていることをご理解頂けたと思う。

特に20歳前の障害年金の請求には、初診日の特定が困難であるケースが多いため、困ったときは社労士に相談されることをお勧めしたい。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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