■遺言の有無の確認

1.遺言は遺産分割協議に優先

相続人にとって、遺言の存在は大きな意味を持ちます。

つまり、

①遺言の内容に反した遺産分割協議は原則無効

②遺言の存在が遺産分割協議の後に発覚した場合も遺言が優先

という趣旨です。

2.遺言を探しましょう。

つまり相続手続きの実際現場では、何を差し置いてもまずは

「遺言の有無の確認」

からすべてが始まるのです。

「遺言があるのか、ないのか」
「あるとすればどこか」

について考えていきましょう。

■遺言の種類別 調査の仕方

1.もっとも確実な検索ができる 公正証書遺言

公正証書遺言の最大の特徴は、

①作成に証人2名が立ち会っている
②遺言の存否および内容まで公証役場で管理されている

という事です。

つまり、公証役場(全国どこでも可)に行けば

「公正証書遺言があるのか、ないのか」
「ある場合、どこの公証役場に保管されているのか」

が分かります。

遺言者(被相続人)にとって、最も確実な遺言方法であるゆえんです。

2.遺言の有無は分かるが、どこにあるかは分からない 秘密証書遺言

これに対して秘密証書遺言について、公証役場での確認は、

「秘密証書遺言があるのか、ないのか」

の確認にとどまります。

つまり、遺言の内容まで公証人が関与していない事が理由です。

実際に「探す」作業は、次の自筆証書遺言と同じです。

3.心当たりを探すしかない 自筆証書遺言

最後の自筆証書遺言について。

先の二つの遺言方式と異なり、自筆証書遺言には証人、公証人の関与がありません。

遺言者(被相続人)が一人で作成し、どこかに埋もれてしまっている可能性があります。

つまり、「あるのか、ないのか」さえ遺族(相続人)には見当がつかないわけです。

遺言者(被相続人)の部屋、仏壇、金庫、銀行の貸金庫・・・。

加えて生前懇意にしていた知人、弁護士や税理士等の専門家に確認するなどして、遺言を探します。
(これは秘密証書遺言についても同様です)

もし後日遺言が出てきた場合、遺族(相続人)で合意した遺産分割が否定される可能性があるのですから。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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