介護障害福祉事業を開業する方向けの相続遺産分割講座⑧|相続財産とは何か?相続財産の基礎知識
■何が相続財産?
1.すべてが相続財産!!
よくご質問を受けます。
ご相談者「どこからどこまでが相続財産なのですか?」
私「原則として全てです。プラスもマイナスも、何もかも。」
「相続人は被相続人の財産の権利義務一切を承継する」 (民法896条)
例えば預貯金も株も車も土地も。
極端な例で言えば、引き出しの中の文房具も布団も何もかも。
逆な側面から言うと、借金などの負債もマイナスの相続財産です。
まず大原則は「すべてを相続人が引き継ぐ」と考えます。
2.相続財産から外れるもの、相続税の対象から外れるもの
その上で、次の考え方を加味します。
①相続財産から除外されるものかどうか
②相続税の対象から除外されるものかどうか
この2軸を表にすると次のようになります。
相続財産である | 相続財産ではない | |
---|---|---|
相続税がかかる | 預貯金、不動産、有価証券など | 死亡生命保険、死亡退職金、3年以内の生前贈与 |
相続税がかからない | なし | 墓、仏壇 |
■孫の名義の預金は相続財産か?
1.ケーススタディ~孫名義の預金は相続財産?
Aの相続人はBC(ともに子)である。
Bには子Dがいる(Aの孫)
AはBとDに知らせずにD名義の預金口座に500万円を貯めている。
Aが死亡し、初めてその口座の存在が明るみに出た。
2.解説~孫名義の預金は相続財産?
ありそうな話ですね。
この場合問題となるのが、
①500万円の口座の所有者はだれか?
②課税関係はどうなるのか?
ということです。
ポイントは、「その口座が贈与されたものか否か」という点です。
3.贈与についての民法の規定
贈与についての民法の記載は次のようになっています。
贈与は一方の「あげます」の意思に対して、相手が「もらいます」の意思表示をすることで成立する。(民法549条)
この事例ではBもDもその存在を知らなかったため、贈与が成立しているとは言えません。
よって、500万円は被相続人Aの遺産として、BCで分割することになります。
4.相続税の申告と贈与の関係
なお、相続税の計算上は、さらに多くの観点から、「贈与されていない(つまり被相続人の財産である)」
として相続税を課税する場合があります。
贈与か否かのポイントは、
①贈与税の申告があったか
②贈与契約書はあるか
③もらった側が自由に使用(引出)しているか
④もらった側が通帳や印鑑、カードの管理をしているか
などです。
【この記事の執筆・監修者】
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※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
ご了承お願い致します。
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
(電話)0120-60-60-60
06-7739-2538
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