■何が相続財産?

1.すべてが相続財産!!

よくご質問を受けます。

ご相談者「どこからどこまでが相続財産なのですか?」

私「原則として全てです。プラスもマイナスも、何もかも。」

「相続人は被相続人の財産の権利義務一切を承継する」 (民法896条)

例えば預貯金も株も車も土地も。

極端な例で言えば、引き出しの中の文房具も布団も何もかも。

逆な側面から言うと、借金などの負債もマイナスの相続財産です。

まず大原則は「すべてを相続人が引き継ぐ」と考えます。

2.相続財産から外れるもの、相続税の対象から外れるもの

その上で、次の考え方を加味します。

①相続財産から除外されるものかどうか

②相続税の対象から除外されるものかどうか

この2軸を表にすると次のようになります。

 相続財産である相続財産ではない
相続税がかかる預貯金、不動産、有価証券など死亡生命保険、死亡退職金、3年以内の生前贈与
相続税がかからないなし墓、仏壇

■孫の名義の預金は相続財産か?

1.ケーススタディ~孫名義の預金は相続財産?

ケーススタディ

Aの相続人はBC(ともに子)である。
Bには子Dがいる(Aの孫)
AはBとDに知らせずにD名義の預金口座に500万円を貯めている。
Aが死亡し、初めてその口座の存在が明るみに出た。

2.解説~孫名義の預金は相続財産?

ありそうな話ですね。

この場合問題となるのが、
①500万円の口座の所有者はだれか?
②課税関係はどうなるのか?

ということです。

ポイントは、「その口座が贈与されたものか否か」という点です。

3.贈与についての民法の規定

贈与についての民法の記載は次のようになっています。

贈与は一方の「あげます」の意思に対して、相手が「もらいます」の意思表示をすることで成立する。(民法549条)

この事例ではBもDもその存在を知らなかったため、贈与が成立しているとは言えません。

よって、500万円は被相続人Aの遺産として、BCで分割することになります。

4.相続税の申告と贈与の関係

なお、相続税の計算上は、さらに多くの観点から、「贈与されていない(つまり被相続人の財産である)」

として相続税を課税する場合があります。

贈与か否かのポイントは、

①贈与税の申告があったか
②贈与契約書はあるか
③もらった側が自由に使用(引出)しているか
④もらった側が通帳や印鑑、カードの管理をしているか

などです。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538