令和6年2~5月処遇改善補助金の詳細判明!6月一本に向けて対処すべきこと|処遇改善支援補助金・処遇改善臨時特例交付金
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令和6年度処遇改善加算に関する制度改正の概要が明らかになってきました。1点目に制度の一本化です。1月11日の事務連絡で、三つの処遇改善加算の一本化が令和6年6月であることが明記されました。2点目に2月から先行で支給される補助金です。ベースアップ等支援加算の取得が必須要件であることが明確になりました。今回はこれらの最新情報をご説明します。
このコラムの推奨対象者
・処遇改善加算の一本化を正しく理解したい方
・処遇改善補助金の支給要件に関する知識を整理したい方
・事業所側のアクションについて具体的情報を集めている方
コラムの信頼性
タスクマン合同法務事務所は、社労士、税理士、行政書士、司法書士が合同し、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した法務事務所です。このコラムの執筆時(令和6年1月)現在、職員数56名、介護障害福祉事業の累積支援実績668社(北海道~沖縄)、本社を含め7つの営業拠点で運営しています。コラムでは処遇改善補助金と一本化について詳しく解説します。
同じ内容を動画でも解説しています。
3つの処遇改善加算の一本化
以下、介護保険制度、障害福祉制度におおむね共通の内容であるとの前提でご説明します。これまで、当社独自に厚生労働省の報酬改定会議の内容を追ってきました。処遇改善加算一本化の議論は早くから行われていましたが、一本化時期が令和6年6月1日であることが、令和6年1月11日の事務連絡に明記されました。最新の詳細情報が入り次第、皆さんに改めてご説明して参ります。
令和6年度処遇改善加算計画書の提出時期
処遇改善加算の一本化が令和6年6月1日であることから、4月時点の計画書は現行制度、つまり処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算として提出することになります。
この手続きについて、厚生労働省は「2月末を目途として様式集を公開し、自治体への提出期限を4月15日までとする」と示しています。これによって各自治体で具体的な提出期限を設定することになります。
令和6年2月から5月までの補助金
令和6年6月からの処遇改善加算の一本化に先立ち、同年2月から5月の4カ月間、補助金の支給が行われます。介護保険制度、障害福祉制度で補助金の呼び方が異なりますが、ここでは総括して「補助金」と呼び、ベースアップ等支援加算を「ベア加算」と省略して呼ぶことにします。
一本化後の新加算制度が、現行のベア加算の取得を必須要件にしていることから、2月から5月に支給される補助金もベア加算の取得が大前提となることが通知されました。補助金の具体的な支給内容を確認して行きましょう。
交付率
一部の報道では「職員1人当たり平均月額6000円の補助」などの記載がありますが、補助金は「1人当たりいくら」という固定金額で支給されるものではないため、誤解されないようお願いします。補助金はサービス種別ごとに交付率が設定され、交付率×総報酬額で支給されます。
例えば訪問介護の場合、交付率は1.2%の予定ですので、月間の介護報酬の総額が200万円の事業所の場合、24,000円が支給されることになります。なお通所介護の場合は0.7%です。その他の事業の場合も概ね1%またはそれ以下となります。
支給要件
補助金の支給要件として、3つ掲げられています。
1点目は令和6年2月または3月分以降賃上げを行うことです。ただし2月分と3月分については、就業規則改定の手続きが間に合わない可能性があるため、後日一時金として支給することも認められます。4月分以降は実際に毎月の給与で賃上げを行うことが必要となります。
2点目にベア加算を取得していることです。これには令和6年4月から新たにベア加算を取得する場合も含まれるため、多少融通が利きそうです。
3点目に補助金額の3分の2以上を毎月の給与で支給することです。この点もベア加算の要件と同じですが、現にベア加算を取得している事業所の場合は、現行のベア加算に関する手当に上乗せして、3分の2要件を満たす必要があるため、賃金規程の再構築が必要となり、新たにベア加算を取得する場合に比べて作業が複雑化します。
支給対象
対象は介護、福祉職員に限定せず、事業所の判断によって、介護職員以外の職員にも柔軟に配分することが可能です。これは6月から一本化される新加算制度に通ずる施策方針です。
提出先
政令市、中核市に該当する場合も含め、提出は全件都道府県となります。令和4年に同様の補助金が支給された際には、計画書提出に先立って「実際に賃上げを行った旨の申出」の提出が必要でしたが、今回はこの点については触れられていません。詳細は追って情報提供致します。
提出期限
令和4年度の補助金制度を参考に、提出期限を予測してみます。
計画書の提出は通常の処遇改善加算計画書同様に、令和6年4月15日になるものと予測します。
また実績報告書の提出は、5月分の補助金が入金される7月から2カ月後の9月30日になるものと予測します。なお具体的な期限については各都道府県の発表を詳しく確認されることをお勧めします。
事業所側のアクション
最後に事業所側のアクションをまとめます。このコラムの作成日は、令和6年1月18日です。
1月時点でベア加算を取得している事業所の場合
事業所に適用される交付率を確認し、月間の平均補助金額を予測します。この補助金額の3分の2に該当する金額を多少上回る金額で、2月または3月の賃上げを検討しましょう。ここで賃上げした分については、6月以降の新加算制度でも加算率がアップするものと予測されるため、賃上げを継続しても事業所側の持ち出しは発生しないでしょう。
1月時点でベア加算を取得していない事業所の場合
4月の処遇改善加算計画書でベア加算を取得する準備を進めつつ、2月または3月の賃上げを検討しましょう。この場合も補助金は2月または3月の賃上げ時期から適用されるため、事業所側の持ち出しは発生しません。6月以降も同様に新加算制度の加算率がアップするものと予測されるため、このまま賃上げを継続しても事業所側の持ち出しは発生しないでしょう。
なお賃上げには就業規則や賃金規程の改定が必要となりますが、当社の社労士が最も得意としている分野であるため、お困りの際は当社までご相談ください。
まとめ
今回のコラムでは処遇改善加算の一本化について解説しました。このコラムの内容を端的にまとめると、以下の通りとなります。
ポイント
①処遇改善加算の一本化は令和6年6月1日から開始され、これに伴い新たな加算制度への移行が行われます。
②令和6年度の処遇改善加算計画書の提出は、新加算制度移行前に現行制度に沿って行われることが必要です。
③令和6年2月から5月まで、補助金が支給され、この期間の賃上げやベア加算の取得が重要な要件となります。
処遇改善加算の一本化、補助金対応については、当社でも通常業務としてご対応しております。これらの業務の依頼先をご検討中の方は、ご遠慮なくこちらからお問合せ下さい。最後までお読み頂き、まことにありがとうございます。
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【この記事の執筆・監修者】
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◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
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