ケアプランデータ連携システム|2つの導入ルート、年間21,000円の利用料、明日からのアクションプラン

ケアプランデータ連携システム|2つの導入ルート、年間21,000円の利用料、明日からのアクションプラン
井ノ上剛(社労士・行政書士)

タスクマン合同法務事務所がお送りする福祉起業塾です。介護事業所、障害福祉事業所の経営者の皆さん、または事業所の管理者の皆さん、ケアプランデータ連携システムを正しく理解していますでしょうか?今回のコラムでは2つの導入ルート、年間21,000円の利用料、明日からのアクションプランについて詳しく解説します。

このコラム推奨対象者

・介護事業所、障害福祉事業所の経営者の方
・事業所の管理者の方
・2つの導入ルートについて理解したい方
・年間21,000円の利用料について理解したい方
・明日からのアクションプランについて理解したい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は社労士・行政書士・司法書士・税理士が合同し、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化してご対応しています。このコラムの執筆日時点、職員数86名、累積顧客数は北海道から沖縄まで939社、本社を含め10の営業拠点で運営しています。コラムでは、2つの導入ルート、年間21,000円の利用料、明日からのアクションプランについて詳しく解説します。

ケアプランデータ連携システムの位置づけ

はじめに、ケアプランデータ連携システムの位置づけについて解説します。「令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」で、このシステムの活用が要件の一つに盛り込まれました。今後も様々な加算や補助金の要件になることが予想されます。

多くの経営者、あるいは現場の皆さんから、このような声をよく耳にします。

経営者

うちはFAXと郵送でなんとか回っているから、システムなんて必要ない

経営者

国保連への請求なら、もう電子化している

この感覚はある意味では正解ですが、ここで明確に区別しておかなければならないのが、「介護報酬請求」と「ケアプランデータ連携」の決定的違いです。

皆さんが毎月行っているのは「介護報酬請求」です。これは介護報酬を得るための必須業務であり、電子請求受付システムを通じて行います。介護ソフトを利用する場合は、ソフトを経由して、電子請求受付システムに繋がります。

これに対して、今回のテーマである「ケアプランデータ連携」は、ケアマネジャーとサービス事業所の間で交わされる「サービス計画書」や「実績」のやり取りを指します。これまではFAXや、セキュリティに不安のあるメール添付で行っていたこの業務を、安全かつ効率的にデジタル化するのがこのシステムです。

現在は「任意」ですが、国はこの「任意」の部分を、政策誘導によって「標準化」にしようと考えています。

2つの導入ルート

続いて、2つの導入ルートについて解説します。ここが非常に複雑で、誤解が生じやすいポイントです。大きく分けて、導入には「2つのルート」があります。

1点目は、「厚労省認定システム」を利用するルートです。これは、国保連のシステムを介さずに、民間企業のサーバーだけで連携を完結させる方法です。現時点で、「厚生労働省がケアプランデータ連携システムと同等の機能とセキュリティを有するシステムとして認めたもの」は、3つのシステムだけです。

厚労省認定システム

株式会社カナミックネットワーク「カナミッククラウドサービス」
株式会社富士通四国インフォテック「ケアプランデータ連携サービス」
株式会社コンダクト「でん伝虫データ連携サービス」

これらを利用すれば、国保連への利用料はかかりませんが、ソフト自体の利用料や乗り換えコストが発生する場合があります。

2点目は、「国保連システム」を利用するルートです。これを「標準ルート」と呼びます。現在、カイポケやワイズマンなど、介護ソフトをお使いの事業所は、わざわざソフトを買い替える必要はありません。

今のソフトを使い続けながら、国保連に対して「ケアプランデータ連携システム」の利用申請を行い、年間21,000円を支払うだけで利用可能になります。

よく「ケアプラン連携のベンダ試験完了」という言葉を目にすることがあるかと思いますが、これは「今のソフトのまま、国保連システムにつなげますよ」という証明ですので、大半の事業所にとってはこちらの標準ルートが現実的と言えます。

年間21,000円の利用料

次に、年間21,000円の利用料について解説します。国保連の「ケアプランデータ連携システム」を利用する場合、事業所番号ごとに年間21,000円の利用料がかかります。「なぜ有料なのか」という議論はありますが、システムの維持管理にはコストがかかるため、『利用する人がその維持費を負担する』という受益者負担の原則に基づき、有料とされています。

また経営視点で見れば、これは十分に回収可能な投資であると言えます。月額に換算すると約1,750円です。これで削減できるのは、紙代、インク代、郵送費、そして何より、FAX送信や電話確認、転記ミスを修正するために費やしている「事務員さんの人件費」です。やりとりにかかる時間を約1/3に抑えられる研究結果もあり、毎月数時間の作業時間が削減できれば、即座に元が取れる計算になります。

一方、ケアマネジャー側の導入メリットに挙げられるのが、「居宅介護支援費(Ⅱ)」の算定要件に関わる点です。ケアプランデータ連携システムを活用し、事務員を配置することで、ケアマネジャー1人の担当件数上限が、従来の40件未満から45件未満へと緩和されます。つまり売上の上限そのものを引き上げることが可能となります。

今後のシナリオ

続いて、今後のシナリオについて解説します。

経営者

まだ周りの事業所もやっていないし、うちは様子見でいい

このようにお考えの方も多いかもしれません。現在の普及率は全体の1割程度ですので、そのお気持ちも理解できます。

しかし、このシステムを使わなくても「なんとかやっていける」時代は、終わりを迎えつつあります。居宅介護支援事業所のケアマネジャーから、ある日次のように言われる場面を想像してみてください。

ケアマネジャー

〇〇さん、来月から実績はデータで送ってくれませんか? その方が早いので

ケアマネジャー側も、生産性を上げて担当件数を増やすために、事務作業の効率化が至上命題になっています。紹介元であるケアマネジャーから「データで送ってほしい」と要請された時、「うちはFAXしかできません」と答え続けることは、経営上の大きなリスクになります。

逆に、いち早く対応していれば、「あそこの事業所はデータのやり取りがスムーズだ」と評価され、選ばれる事業所になることができます。受け身ではなく、先手を打って体制を整えることが重要です。

明日からのアクションプラン

最後に、明日からのアクションプランについてまとめます。

1.自社で使用している介護ソフトのメーカーに、「ケアプランデータ連携のCSV出力に対応しているか」を確認してください。ほとんどの大手ソフトは対応しています。

2.次に、無理に「認定システム」への乗り換えを検討するのではなく、今のソフトのまま、国保連への利用申請を行うことを検討してください。年間21,000円のコストは、将来の「選ばれる事業所」になるための必要経費であり、十分にリターンのある投資なはずです。

一事業所の小さな取り組みが、介護業界全体の生産性向上に寄与し、ひいては人材不足問題の解決に繋がるのだという意識を持って、ケアプランデータ連携システムに向き合いましょう。

まとめ

今回のコラムでは、ケアプランデータ連携システムについて解説しました。2つの導入ルート、年間21,000円の利用料、明日からのアクションプランについてご理解いただけたかと思います。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
 ご了承お願い致します。

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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