介護・障害者福祉事業所を開業する

1.法人を新たに設立するか、既存法人で行うか

介護・障害者福祉事業を新たに始めるにあたり、まず検討すべきであるのは次の点です。

①既存の法人で介護・障害者福祉事業を始める
②新たに設立する法人で介護・障害者福祉事業を始める

(なお、本稿で説明する障害者福祉事業とは居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、生活介護、短期入所、共同生活援助、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援等の事業をいいます)

 介護事業・障害者福祉事業ともに、自治体の条例に応じて、都道府県または市町村の事業者指定を受ける必要があります。

法律(条例)では、法人であればよいとされているため、株式会社・社団法人・NPO法人などどのような種類の法人でもよい、となります。

2.見落としがちな厚生労働省令171号

しかし、見落としがちなのが、平成18年9月29日 障害者総合支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第171号)です。

この厚生労働省令の第189条には次の規定があります。

厚生労働省令第171号(第189条)
指定就労継続支援A型事業者が社会福祉法人以外の者である場合は、当該指定就労継続支援A型事業者は専ら社会福祉事業を行う者でなければならない。

つまり、就労継続支援A型事業を行うためには、社会福祉事業以外の一般事業を行う法人であってはならないとされています。

就労継続支援A型についてはこちらをご確認ください。

障害者作業所である就労移行支援、就労継続支援(A型、B型)の3種類の事業を行う場合、就労継続支援A型だけを除いて運営することは事実上困難であるため、事実上は専ら社会福祉事業を行う法人で事業を行うか、新たに法人を設立する必要があるわけです。

本稿では、新たに専ら社会福祉事業を行う法人を新たに設立する前提で説明を続けます。

3.法人の種類を検討しよう

代表的な法人には、株式会社・社団法人・財団法人などが聞きなれたところですが、実は日本の法律では何十もの種類が規定されています。

しかしその中でも、介護・障害者福祉事業を含む民間事業を行うことの出来る法人としては、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社・NPO法人・社団法人・社会福祉法人あたりが考えうる限りであると思います。

次の稿でその一覧表を掲示していますので、まずは各法人の概要をご確認ください。

 

労務専門コラム 介護・障害者福祉 設立編

>>①介護・障害者福祉事業所の法人設立手続き
>>②会社設立形態 法人の種類と比較一覧表
>>③設立法人の種類を比較しよう
>>④会社設立~会社名称、本社住所、事業目的を決めよう
>>⑤会社設立~決算月、資本金、出資者、役員を決めよう
>>⑥会社設立後に必要な届出手続き
>>⑦障害者作業所 就労移行支援・就労継続支援(A型B型)
>>⑧就労移行支援、就労継続支援(A型B型)の事業者要件
>>⑨雑記 宗教法人と非営利型社団法人の比較
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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)