このコラムを読むと分かること(3分で読めます)

・介護事業の立ち上げる方法が理解できる。
・介護事業の申請方法等が理解できる。
・介護事業起案~オープンまで一連の流れが理解できる。

介護事業の立ち上げには事業計画、申請手続き、認可(指定)のプロセスを踏む必要がある。このコラムでは介護事業を始めたいという方々に向けて、開設までの一連の流れを解説する。

コラムの目次

①介護事業の起案(計画
②介護事業の申請方法と注意点は?
③介護事業の開設前後に注意することは?
④新規介護事業立ち上げのまとめ  

①介護事業の起案(計画)

開業地域と事業種別

介護事業開始に当たって、先に開業地域を決定するか、または事業種別を決定するかは事案によって様々だ。当事務所の相談事例では、事業種別を先に決定されている例が多い印象を受ける。仮に地域を先に検討する場合は、地域ニーズの事前調査が重要となる。

人員確保と設備要件

介護事業開設にあたり必要となる人員基準や資格要件、設備要件には、事業ごとに違いがあるので、十分に事前確認を行おう。

特に事業の主軸を担う管理者やサービス提供責任者は、早い段階で確保したい。同じ理念を共有できる人材を育成するには相当な時間を要するため、早い段階で採用し、開設まで行動を共にして、積極的にコミュニケーションを取っておこう。

法人設立

介護事業の開設には、株式会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人等の会社設立が必要となる。法人格の種類によって、設立に必要な時間や要件が異なるため、早い段階でスケジュール調整をしておこう。

すでに法人格がある場合は、定款や登記事項の事業目的覧に、計画中の介護サービスと合致する事業目的を入れ、法務局等へ申請する必要があることにも留意したい。

事務所と事業所

また事業所を開設するためには事務所を用意しなければならない。事業所と併設するか、単独で設置するのかについては特に決まりはないが、事業が軌道に乗るまでは併設が良いだろう。事務所と事業所に距離があると、管理不足を招くことになるためだ。

②介護事業の申請方法と注意点は?

指定申請書の作成

会社を立ち上げ、事業内容が決定したら、都道府県もしくは市町村に指定申請を行う。指定申請に必要な書類は都道府県若しくは市町村のホームページから各様式をダウンロードして作成する。以下に内容を例示する。

指定申請書
付表(営業時間や曜日等を記入)
定款、寄付行為等
登記事項証明書
従業者の勤務体制及び勤務敬愛一覧表
組織体制図
管理者経歴書
事業所の平面図
運営規程
利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
当該申請に係る事業の資産の状況
事故発生時の対応
誓約書及び役員等
介護給付費に係る体制届
資格証(介護福祉士や看護師等)

指定申請のタイミング

添付書式については、市町村等が添付書類一覧表を作成していることが多いため確認しながら準備を進めよう。申請期日は概ね開設日の1か月前となっているが、通所系サービス等は、開設を希望する2ヶ月以上前に事前協議と開設計画書の提出を求められる場合があるので注意が必要だ。

補正と指定の完了

申請の際、市町村等の窓口へは事前に予約を取る必要がある。開業後もやり取りが継続するため、役所窓口担当者とは、良好なコミュニケーションづくりを心がけよう。仮に受理が遅れると開設日が遅れることも想定されるため、当事務所のような法務の専門事務所に委託することも検討されたい。

③介護事業の開設前後に注意することは?

指定通知書の交付

補正完了後、指定要件を満たせば、指定事業者として決定され、指定通知書の交付が行われる。指定通知書の記載内容は以下の通りである。

事業者の名称
事業者の所在地
事業所の名称
事業所の所在地
事業の種類
指定期間(概ね6年間)
介護保険事業所番号

開設前の最終準備

開設までの最終作業として、重要事項説明書・契約書の作成、公印、マニュアルや社内規定等の作成と介護報酬請求ソフトの導入、名刺やパンフレット等の作成を行い、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に挨拶を行っておく。

従業員の採用とマネジメント

開設後には従業員のマネジメントが大切だ。介護事業は人員基準を要すものが多い。離職が続くと事業そのものが成り立たなくなるので、職員には細心の注意を払っていくことが重要である。

④新規介護事業立ち上げのまとめ

このコラムで解説した要件をまとめると次のようになる。

ア)事業種別の選択と営業地域
イ)申請書類の準備
ウ)最終的には人材

介護事業は起案できたとしても、人材・人員が揃わないと開設ができない。事業種別が決まったら、人材獲得が最初のハードルになる。募集について、ハローワークや求人誌等、早い段階で準備を行ってほしい。