令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の詳細事項|新たな処遇改善加算区分Ⅰ(ロ)、Ⅱ(ロ)、令和8年度特例要件、現行制度の厳格化と新設事業所の報酬減額

令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の詳細事項コラムサムネ
井ノ上剛(社労士・行政書士)

タスクマン合同法務事務所がお送りする福祉起業塾です。令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の具体的数値が示されました。今回のコラムでは令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の詳細事項をテーマに取り上げ、新たな処遇改善加算区分Ⅰ(ロ)、Ⅱ(ロ)、令和8年度特例要件、現行制度の厳格化と新設事業所の報酬減額について詳しく解説します。

このコラム推奨対象者

・会社経営者の方
・事業所の管理者の方
・新たな処遇改善加算区分Ⅰ(ロ)、Ⅱ(ロ)について理解したい方
・令和8年度特例要件について理解したい方
・現行制度の厳格化と新設事業所の報酬減額について理解したい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は社労士・行政書士・司法書士・税理士が合同し、介護保険事業・障害福祉事業に専門特化してご対応しています。このコラムの執筆日時点、職員数86名、累積顧客数は北海道から沖縄まで952社、本社を含め11の営業拠点で運営しています。今回の福祉起業塾では【令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の詳細事項】をテーマに取り上げ、新たな処遇改善加算区分Ⅰ(ロ)、Ⅱ(ロ)、令和8年度特例要件、現行制度の厳格化と新設事業所の報酬減額について詳しく解説します。

同じ内容を動画でも解説しています。

障害福祉サービス令和8年度処遇改善加算の区分

はじめに、令和8年度処遇改善加算の区分について解説します。今回の改定では、処遇改善加算の対象が、障害福祉従事者全体へ拡大される見込みです。具体的には事務職員や運転手など、事業所で働く幅広い職種の方々が、処遇改善加算の対象に加わることになります。

この対象職種の拡大に伴い、加算率が全体的に引き上げられる見込みです。

01令和8年度処遇改善加算率一覧表
※計画相談支援、地域相談支援、障害児相談支援

表(サービス種別は抜粋)で比較すると、例えば居宅介護では2.9pt、生活介護では1.2ptアップします。あわせて、これまで処遇改善加算の対象外であった計画相談支援、地域相談支援、障害児相談支援についても、新たに処遇改善加算が拡大適用されます。

これまでの加算Ⅰ・Ⅱは、標準的な「Ⅰイ」、「Ⅱイ」という位置づけになります。これに加え、生産性向上等に取り組む事業者のための上位区分として「Ⅰロ」と「Ⅱロ」が新設されます。

加算Ⅰロ・Ⅱロと令和8年度特例要件

続いて加算Ⅰロ・Ⅱロと令和8年度特例要件について解説します。これらは生産性向上等に取り組む事業者のための上位区分として位置付けられます。

02令和8年度特例要件_障害福祉(処遇改善加算)

加算Ⅰロ・Ⅱロを算定するためには、「令和8年度特例要件」として「ア・イのいずれか」および「ウ」を満たす必要があります。

令和8年度特例要件

ア)職場環境等要件のうち、生産性向上に関する取組を5つ以上実施(⑱㉑は必須)
イ)社会福祉連携推進法人に所属
ウ)加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を月給配分

ウ)の背景として、上位加算区分になるほど、加算額に占める月給に配分すべき額の割合が下がる状況にある点が指摘されています。

なお、「ア」と「ウ」の要件については、令和8年度中の対応の誓約でよいとされており、実績報告書において対応の実施が確認されます。未対応の場合には、加算返還につながるおそれがある点にご注意ください。

また大きなポイントとして、現在、加算Ⅲ・加算Ⅳまたは未算定の事業所であっても、令和8年度特例要件を満たせば、加算Ⅱロへ移行することが可能です。

03令和8年度特例要件_障害福祉_加算ⅢⅣから(処遇改善加算)

この場合、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅳおよび職場環境等要件については、令和8年度中の対応の誓約でもよいとされています。つまり、まだ要件を満たしていない事業所であっても、令和8年度中に整備することを誓約すれば、先に加算Ⅱロを取得できるということです。

ただし、こちらも実績報告時に未対応の場合には、加算返還につながるおそれがある点にご注意ください。

現行の処遇改善加算制度の要件見直し

続いて、現行の処遇改善加算制度の要件見直しについて解説します。今回の改定では、すでに賃上げや職場環境改善等に取り組んでいる事業者も含め、更なる取組を後押しするために、要件の見直しが行われます。

ここで解説する要件の見直しについても、令和8年度中の対応の誓約で可とされています。こちらも実績報告時に未対応の場合には、加算返還につながるおそれがある点にご注意ください。具体的に見ていきましょう。

加算Ⅰ・Ⅱについては、次の「a」・「b」のいずれかを満たす必要があります。

04処遇改善加算要件の見直し(障害福祉)

まず「a」は、経験・技能のある障害福祉人材の年収440万円以上という要件を460万円以上に引き上げるものです。

次に「b」は、職場環境等要件について、現行の要件に加えて、全体から更に1つ以上取り組み、合計14以上とするものです。

ここで、職場環境等要件の全体像を確認しておきます。

05職場環境改善要件

加算Ⅰ・Ⅱでは、各区分それぞれ2つ以上、生産性向上は3つ以上かつ⑱は必須、そして全体から14以上の取組が求められます。

加算Ⅲ・Ⅳの場合、各区分それぞれ1つ以上、生産性向上は2つ以上、そして全体から8以上の取組が要件となります。

令和8年6月1日以降に新規指定された事業所の臨時報酬改定

最後に、新規指定事業所の臨時報酬改定について解説します。

対象は、令和8年6月1日以降に新規指定された事業所に限られ、既存事業所については従前どおりです。この措置は令和9年度報酬改定までの期間限定です。各サービスの応急的な報酬単価は、ご覧の表のとおりです。

06新規指定事業所の報酬減額(障害福祉)

例えば就労継続支援B型では、既存事業所に比べて1.6%減となります。

なお、受入れニーズが特に高い重度障害のある方、サービスが不足している地域には、一定の配慮措置が講じられます。具体的には、ご覧の表に記載されるサービスを提供している事業所です。

06新規指定事業所の報酬減額(障害福祉)例外的に適用対象外となる要件

これらは報酬単価の引き下げ適用対象外とされ、従前の報酬単価が適用される見込みです。

まとめ

今回のコラムでは令和8年6月1日の障害福祉報酬改定の詳細事項について解説しました。新たな処遇改善加算区分Ⅰ(ロ)、Ⅱ(ロ)、令和8年度特例要件、現行制度の厳格化と新設事業所の報酬減額についてご理解いただけたかと思います。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
 ご了承お願い致します。

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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