介護障害福祉事業を開業する方向けの相続税講座⑬|贈与税の具体的計算方法

贈与税の具体的計算方法

贈与は相続対策の王道的手法です。しかし気になるのは、やはり税金のことですね。以下では、贈与税の基礎的知識を整理してみます。

■贈与税の基礎知識

1.いくらもらうと贈与税を払うの?

贈与税は、1年間に110万円を超える財産を受け取ると発生する税金です。

110万円を「超える」ことがポイントですから、110万円ちょうどの場合は贈与税はかかりません。

2.1年間とはいつからいつまで?

贈与税のカウント期間は、1月1日から12月31日までです。

ですから、ある年の12月31日に110万円を贈与され、翌日の1月1日に100万円を贈与されたとしましょう。

たった、2日で210万円を贈与されていますが、この場合贈与税はかかりません。

3.贈与税を払うのは誰?

贈与税の申告・納付義務を負うのは、受贈者、つまりプレゼントをもらった人です。

利益を得た人が、税金を払うというのが納税の基本です。

4.贈与税の計算方法は?

贈与税の計算方法は、以下の2段階です。

まず、1段階目。

贈与財産の価額 - 110万円…①

次に、2段階目。

①の金額 × 税率 - 控除額 = 贈与税

■実際の贈与税計算方法

1.具体的に計算してみましょう!

ある人が、210万円を贈与したとして計算してみましょう。

まず、1段階目。

210万円 - 110万円 =100万円…①

次に、2段階目。

100万円 × 10%(税率)-0円 =10万円(贈与税)

※この金額では、控除額は0円です。

つまり、210万円贈与しても、10万円は贈与税ですから、実質200万円しか受け取れないわけです。

※平成27年1月から、もらう人の年齢や立場によって贈与税の計算式が異なります。
 上記の計算式は、あくまで原則とお考えください。

2.贈与税の税率はいくら?

以下に贈与税の税率をまとめました。

金額税率控除額
200万円以下10%なし
200万円超   300万円以下15%10万円
300万円超   400万円以下20%25万円
400万円超   600万円以下30%65万円
600万円超   1000万円以下40%125万円
1000万円超  1500万円以下45%175万円
1500万円超  3000万円以下50%250万円
3000万円超  55%400万円

ポイントは、贈与税は「高い」ということです。

みなさんも、下の表をみながらいくら贈与したら贈与税はいくらになるのか計算してみてはいかがでしょう。

「えっ!?そんなにかかるの!!」とお感じになるのではないでしょうか。

贈与は、相続税の補完税と言われています。安易な相続税逃れを防止するために、税率が高く設定されています。

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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