介護保険事業の指定前研修とは?(大阪市の事例をもとに説明)

介護保険事業の指定前研修

指定前研修コラムを3分読めば理解できること

・介護保険事業の指定申請と指定前研修の関係が理解できる
・指定前研修から実際の指定日までのスケジュールが理解できる
・指定前研修に関する具体的Q&A

東京、大阪等の大都市では介護保険事業の指定申請スケジュールに、「指定前研修」の制度が組み込まれている。このコラムでは介護保険事業 指定申請の専門家が指定前研修制度について詳しく説明する。

指定前研修コラムの目次

①介護保険事業 指定申請書類の提出期限
②介護保険事業の指定前研修制度
③指定前研修を踏まえた申請スケジュール
④指定前研修に関するQ&A
⑤指定前研修コラムのまとめ

①介護保険事業 指定申請書類の提出期限

介護保険事業、障害福祉事業を開業するためには行政庁から事業所に対する「指定」を受ける必要がある。いわゆる営業許可のことだ。「指定」は原則毎月1日に出される。

多くの自治体では、「指定希望月」の前々月末を申請書の提出期限に設定していることが多い。

大阪市を例にとってみよう。令和2年4月1日に指定を受けたい場合、申請書の受付期限は同年1月28日~2月28日と定められている。ここで注意が必要となるのは次の点だ。

× 2月28日までに申請書を提出する
〇 2月28日までに書類審査を受け、100点の状態にする

書類審査での指摘事項を解消する期間的余裕を考慮して、当事務所では「指定日-45日」程度を申請書提出の最終期限であるとしてスケジューリングしている。

なお、大阪市では「書類提出完了日」の期限を設けているだけでなく、「第1回目の書類提出日」についても期限が定められている点に注意が必要だ。
(上記事例で言えば、第1回目の書類提出日期限は2月4日)

②介護保険事業の指定前研修制度

日本全国、多くの自治体は単に「書類提出完了日」の期限を定めているに留まるが、一部大都市圏では「指定前研修」の制度を事前に設けることで、一時の申請集中を分散する仕組みを作っている。

大阪市を例にとると、令和2年4月1日に指定を受けるためには、同年1月17日に開催される指定前研修への出席が必須となる。

さらに、指定前研修を受けるためには、同年1月10日までに指定前研修受講のための予約申し込みを行う必要がある。こうなると申請スケジュールは最低でも4カ月は必要なる。

大阪市では令和2年9月1日指定分をもって、介護保険事業の指定前研修受講制度が廃止されました。対面回数を減らすことが目的です。令和2年10月1日指定分以降は、指定前研修はありません。

③指定前研修を踏まえた申請スケジュール

ここまでのスケジュールを図示すると、次のようになる。

令和2年4月1日指定を目標とした申請スケジュール

項目 期限 指定日から逆算
指定前研修予約 1月10日 -83日
指定前研修受講 1月17日 -75日
初回申請期限 2月4日 -55日
最終申請期限 2月28日 -30日
指定日(開業日) 4月1日  

以上のスケジュールから、介護保険事業の開業スケジュールは、比較的短い訪問介護でも、指定日の3~4カ月には着手する必要があることをご理解いただけると思う。

④指定前研修に関するQ&A

次に指定前研修について、よくある質問に回答したい。(大阪市事例)

指定前研修の参加にお金はかかるのか?

指定前研修の参加自体は無料だ。しかし指定前研修の受講後、実際の介護保険事業の指定申請を行う際は、申請手数料が必要となる。多くの自治体で、1申請概ね3万円程度の新S寧手数料を徴収している。

指定前研修の予約時には法人が設立されていなければならないのか?

指定申請者が法人に限られている以上、指定前研修も法人として受講する必要がある。そのような意味では、少なくとも指定前研修時には法人が設立されている必要がある。

法人は法務局への登記書類提出日に成立(設立)するため、最低でも指定前研修日の当日には法人設立登記申請が終わっている必要がある。

ここで指定前研修の予約時には法人が設立されていなければならないのか?との疑問がある。この辺りは各自治体で取り扱いが異なるため、詳しくは管轄部署に問い合わせて頂きたい。

指定前研修は誰が受ければよいのか?

原則として、指定前研修の受講者は法人代表者または管理者が受講する必要がある。大阪市では1事業所1名の参加に限定されている。

開業日(指定日)が未定だが、先に指定前研修だけ受けておくことはできるか?

できない。大阪市では、指定前研修日と指定日が連動する仕組みとなっている。先に示した例によると、1月17日の指定前研修を受けた法人は、4月1日指定のための申請予約権利が与えられる、ということになる。

この申請予約権利はあくまでも4月1日指定に限定するものであるため、4月1日指定を逃した場合、以後の月の申請に使い廻すことができない。この場合、改めて指定前研修を受けなおす必要がある点に注意が必要だ。

⑤指定前研修コラムのまとめ

以上が指定前研修制度である。大都市で実施されている介護・障害福祉事業の指定前研修制度は、研修としての機能とは別に、申請件数の絞り込み昨日もあると言える。

つまり、申請件数が非常に多い大都市において、申請スケジュールの中に何度も期限を設け、これらの期限を守って申請する事業者だけが指定(開業)にたどり着ける、という仕組みだ。

介護・障害福祉事業のスケジューリングでお悩みの際は、是非タスクマン合同法務事務所の無料開業相談のご利用をお勧めする。

タスクマン合同法務事務所へ電話する