このコラムを3分読めば理解できること

・居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護のサービス内容が理解できる
・障害居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の従業者要件が理解できる
・介護保険訪問介護と兼業する場合の指定基準が理解できる

障害者向け介護サービスである居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護。このコラムでは居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の枠組みを解説するとともに、これら4種の障害福祉サービスの指定を受ける際に必要な従業者要件について解説する。

このコラムの目次

①居宅介護のサービス内容と従業者要件
②重度訪問介護のサービス内容と従業者要件
③同行援護のサービス内容と従業者要件
④行動援護のサービス内容と従業者要件
⑤介護保険訪問介護を兼業する場合の指定要件
⑥このコラムのまとめ

介護福祉事業の開業支援

①居宅介護のサービス内容と従業者要件

居宅介護のサービス内容

居宅介護で障害者に提供するサービス内容は下記の3点である。

・入浴、排せつ、食事等の介護
・調理、洗濯、掃除などの家事
・生活に関する相談、助言、援助

なお、介護福祉業界で略称で「居宅(きょたく)」と言う場合、主に介護保険の居宅介護支援(ケアマネージャー業務)を指す場合が多いため注意しよう。

居宅介護の従業者要件

居宅介護の従業者として従事できるのは、次の4資格だ。

・介護福祉士
・実務者研修修了者
・居宅介護職員初任者研修課程修了者
・介護職員初任者研修課程修了者(介護保険法)

これら4資格以外の者がサービス提供を行う場合、報酬減算が生じるため注意しよう。

居宅介護のサービス提供責任者要件

居宅介護のサービス提供責任者として従事できるのは、上記従業者4資格と同様だが、

・居宅介護職員初任者研修課程修了者
・介護職員初任者研修課程修了者(介護保険法)

の場合に限り3年間の実務経験が必要であり、かつ10%報酬減算が生じる。なお、

・居宅介護職員初任者研修課程修了者
・介護職員初任者研修課程修了者(介護保険法)

を居宅介護のサービス提供責任者として認めることは暫定措置とされており、3年後に行われる障害福祉サービス報酬改定(令和3年度)において廃止が決定している。

②重度訪問介護のサービス内容と従業者要件

重度訪問介護のサービス内容

6段階ある障害支援区分のうち区分4以上(入院・入所の場合は区分6)であり、二肢以上に麻痺がある等の重度障害者に対して、次の5つのサービスを提供するのが重度訪問介護である。

・入浴、排せつ、食事等の介護
・調理、洗濯、掃除などの家事
・生活に関する相談、助言、援助
・外出移動中の介護
・入院、入所者している場合の意思疎通

重度訪問介護の従業者要件

重度訪問介護の従業者として従事できるのは次の資格者だ。

・介護福祉士
・実務者研修修了者
・居宅介護職員初任者研修課程修了者
・介護職員初任者研修課程修了者(介護保険法)
・障害者居宅介護従業者基礎研修修了者
・重度訪問介護従業者養成研修修了者
・行動援護従業者養成研修修了者
・居宅介護等事業従事経験者

重度訪問介護のサービス提供責任者要件

重度訪問介護のサービス提供責任者の資格要件は居宅介護の場合と同様であるのでご参照されたい。

③同行援護のサービス内容と従業者要件

同行援護のサービス内容

同行援護では視覚障害者の外出移動時に次の3つのサービスを提供する。

・移動に必要な情報の提供
・移動の援護
・移動時の排せつおよび食事等の介護

同行援護の従業者要件

同行援護の従業者として従事できるのは次の資格者だ。

・同行援護従業者養成研修(一般課程修了者)
・同行援護従業者養成研修(応用課程修了者)
・国立障害者リハ ビリテーションセンター学院視覚障害学科履修者

この他、指定権者(知事・市長)の判断で視覚障害者支援の実務経験が1年以上あることを条件に、一定の資格者に対して同行援護従業者要件を認めることが可能とされているため、各自治体において確認されることをお勧めする。

同行援護のサービス提供責任者要件

同行援護のサービス提供責任者の資格要件は居宅介護のサービス提供責任者の要件に加えて、

同行援護従業者養成研修(応用課程修了者)

を満たす者に限定されているため注意しよう。

④行動援護のサービス内容と従業者要件

行動援護のサービス内容

行動援護では、知的・精神障碍者に対して次の3つのサービスを提供する。

・行動時の危険回避
・移動時の介護
・排せつ食事等の介護

行動援護の従業者要件

行動援護の従業者として従事できるのは、次の資格者のうち実務経験が1年以上ある者に限られている。

・行動援護従業者養成研修課程修了者
・強度行動障害支援者養成研修修了者(基礎研修および実践研修)

令和3年(2021年)3月31日までに限り、居宅介護の従業者要件を満たし、かつ2年(360日)以上の実務経験のある者は行動援護の従業者とする経過措置がとられている。

行動援護のサービス提供責任者要件

行動援護のサービス提供者として従事できるのは次の資格者のうち実務経験が3年(540日)以上ある者に限られている。

・行動援護従業者養成研修課程修了者
・強度行動障害支援者養成研修修了者(基礎研修および実践研修)

令和3年(2021年)3月31日までに限り、居宅介護の従業者要件を満たし、かつ5年(900日)以上の実務経験のある者は行動援護の従業者とする経過措置がとられている。

⑤介護保険訪問介護を兼業する場合の指定要件

介護保険法における訪問介護事業の指定を受けている事業者が、障害福祉サービスの居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の指定申請を行う場合、介護保険法の訪問介護事業の指定をもって、障害福祉サービス上も指定基準を満たすと判断される。

従業者数も訪問介護における常勤換算2.5名以上を満たせば、それで障害福祉サービスの従業者数を満たすとみなされるが、業務を提供する従業者、サービス提供責任者の資格要件、実務経験要件については、当然に本コラム①~④の条件が適用されるため、注意しよう。

⑥このコラムのまとめ

以上が障害居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の指定時従業者要件である。

介護保険の訪問介護に加えて、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の指定を同時に取得しようとする場合、行動援護の資格要件が厳格化されているため、指定申請前の研修終了を計画しよう。

障害居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の設立開業をお考えの際は、当事務所の無料相談のご利用をお勧めする。

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