このコラムを3分読めば理解できること

・同じ建物の住人に訪問介護サービスを提供した場合の減算が理解できる
・具体的に、どのような形状の建物が減算対象になるのか理解できる
・建物所有者要件、利用者の人数算定要件が理解できる。

マンション等、同じ建物に住む介護保険利用者に対して、同時に(連続して)訪問介護サービスの提供ができれば、非常に効率的だ。しかし実際には、通常の利用者宅間の移動との均衡をはかるため、報酬の減算措置が取られている。このコラムでは同じ建物居住者に、まとめて訪問介護サービスを提供する場合の報酬減算について詳しく解説する。

このコラムの目次

①同じ建物の利用者にまとめて訪問介護をしたら減算?
②同一敷地内、隣接敷地内の建物、具体的には?
③建物の所有者が別法人なら問題ない?
④利用者数はどのように計算する?
⑤まとめ

①同じ建物の利用者にまとめて訪問介護をしたら減算?

訪問介護利用者宅の間の移動に要する時間を考えると、同じ建物に住む高齢者に、まとめて訪問介護を提供することができれば非常に効率的だ。

介護保険法では、このように効率的な訪問介護サービスを提供する事業者に対しては、報酬を一定比率減算することで、通常サービスとの均衡をはかっている。具体的には次の通りだ。

  介護事業所と同一の敷地・建物または隣接 その他
人数 ~49人 50人~ 20人~
算定率 90% 85% 90%
減算率 10% 15% 10%

②同一敷地内、隣接敷地内の建物、具体的には?

訪問介護費が減算される「同一敷地内」、「隣接敷地」というのは、文言をそのまま読んで判断するのではなく、構造上、外形上一体的になっているかどうかで判断する。

例えば、道路1本のみで隔たっている場合や、渡り廊下で繋がっている場合なども、減算対象の可能性がある。

ただし、例え同一敷地内であっても、敷地があまりに広大過ぎる場合や、隣接敷地であっても道路や河川で隔てられていて、迂回しなければたどり着けないような場合には、減算の趣旨である効率的なサービス提供ができない。よって減算対象とならない場合があることも知っておこう。

③建物の所有者が別法人なら問題ない?

先の②で解説した建物については、訪問介護事業者とは別人(別法人)の所有である場合にも、当然に減算対象となる。

建物の管理会社、運営会社が訪問介護事業所と同じか否かは、同一建物減算を算定する上では関係がないのだ。

④利用者数はどのように計算する?

今回解説をしている同一建物減算については、利用者が20人、50人という区切りで減算の適用内容がことなる。

ここでいう、人数は1か月の利用者の平均値を取る。この場合訪問介護事業所が1号訪問介護(予防)も併せてサービス提供している場合、1号利用者も併せて平均値を計算する必要がある。

⑤まとめ

以上が、同一建物に居住する利用者への訪問介護減算のルールである。効率的な訪問介護サービスの運営ができる反面、報酬単位の減算が生じるという問題も含んでいる。

減算の適用条件をじっくり読めば、事業所と一定の距離のある20名未満の利用者への訪問介護サービス提供など、工夫できることはたくさんありそうだ。

制度を十分に理解して、訪問介護事業の開業に臨んで欲しい。

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