訪問看護の介護保険報酬① 基本報酬を中心に

訪問看護の介護保険報酬① 基本報酬を中心に 

このコラムを3分読めば理解できること

・訪問看護ステーションの基本報酬の考え方が理解できる
・20分未満の訪問看護、2時間インターバル・ルールが理解できる
・看護師、准看護師、理学療法士等それぞれの報酬算定ルールが理解できる

訪問看護ステーションの設立・開業を計画中の方向けの基本報酬解説コラム。このコラムでは基本報酬を中心とした訪問看護の介護保険報酬について、介護福祉事業設立支援の専門家が詳しく解説する。

このコラムの目次

①訪問看護ステーションの介護保険基本報酬
②20分未満の訪問看護サービスを提供できる条件
③准看護師が訪問看護サービスを提供する場合の減算
④理学療法士等が訪問看護サービスを提供する場合
⑤訪問看護における2時間インターバル・ルール
⑥計画と異なる資格者が訪問看護サービスを提供した場合
⑦同一建物の利用者にサービス提供を行う場合の減算
⑧このコラムのまとめ

①訪問看護ステーションの介護保険基本報酬

訪問看護ステーションの開設にあたり、まずは介護保険の基本報酬を確認しよう。

訪問看護ステーションの介護保険報酬は、サービス提供時間等に応じて次の表の通りとなっている。

サービス提供時間等 介護保険報酬
20分未満 311単位
30分未満 467単位
1時間未満 816単位
1時間30分未満 1118単位
理学療法士等※の場合 296単位

※理学療法士のほか、作業療法士、言語聴覚士

以下基本報酬を中心に、訪問看護ステーションの設立・開業前に理解しておきたい報酬算定ルールを開設する。

②20分未満の訪問看護サービスを提供できる条件

上記の表をご覧いただくと、短時間の訪問看護サービス提供の方が、分当たりの報酬単価が高く設定されていることがお分かり頂けると思う。

これは利用者宅を訪問するにあたって必要な移動時間を考えた場合に、短時間かつ多件数の訪問看護サービスを提供する場合に対して、報酬を手厚くしているのが理由だ。

しかしながら20分未満の訪問看護については、次の2つの条件を満たさないと算定できない。

・保健師または看護師による20分以上の訪問看護が週1回以上含まれること
・24時間体制で応対できる緊急時訪問看護加算を届出ていること

>>緊急時訪問看護加算についてはこちら

以上2つの条件を事前に確認しつつ、20分未満の訪問看護サービスの対応を検討しよう。

③准看護師が訪問看護サービスを提供する場合の減算

准看護師も、看護師同様、訪問看護ステーションを設立・開業するに必要な2.5名の人員基準に算定することができる。

>>看護師と准看護師の違いについてはこちらを参照

准看護師が訪問看護サービスを提供する場合、所定単位数が10%減算(90%算定)されることを予め理解しておこう。

④理学療法士等が訪問看護サービスを提供する場合

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士(以下理学療法士等)による訪問看護は、リハビリテーションを目的に「看護師の代わりに訪問させる」との位置づけだ。

理学療法士等が訪問看護サービスを提供する場合は、次の2つの条件を満たす必要がある。

・1回あたり20分以上の訪問看護を提供する(20分未満は算定できない)
・1人の利用者についての算定限度は週に6回まで

以上の2つの条件を事前に確認しつつ、理学療法士等の雇用、訪問計画を検討しよう。

⑤訪問看護における2時間インターバル・ルール

先に説明した通り、短時間の訪問看護サービス提供の方が、分当たりの報酬単価が高く設定されている。ここでは本来長時間提供すべき訪問看護を、短時間に分割することを抑制する仕組みを説明する。

2時間インターバル・ルール

訪問看護における2時間インターバル・ルールとは、前回の訪問から2時間以上の間(インターバル)を開けないと、前回の訪問と時間を合算して計算する、という仕組みだ。

この仕組みによって、訪問看護サービスの短時間分割化を抑制している。

ただし、先に説明した20分未満の訪問看護を算定する場合や、緊急時対応をする場合は例外的に除かれる(つまり、2時間インターバル・ルールが適用されない)。利用者に対する頻回医療措置が必要となるためだ。

看護師と准看護師の時間合算

では、先の2時間インターバイル・ルールの適用を受けて、前後2回の訪問看護サービスの提供時間が合算されるケースを考えてみよう。

前後2回の訪問看護サービスの提供がともに看護師である場合(または准看護師である場合)は、純粋に2回の訪問看護サービス提供時間を合算して報酬を算定する。

一方で、前後2回の訪問看護サービスの提供に看護師、准看護師が混在する場合はどうなるのだろう。

このような場合(つまり合算される2回以上の訪問看護サービスの提供に、1回でも准看護師が混じっている場合)、全体を准看護師によるサービス提供であるとして報酬算定する。

結果、所定報酬を10%減算(90%算定)することになる。

看護職員と理学療法士等の時間合算

次に、看護職員と理学療法士等が連続して(2時間以上のインターバルを開けずに)サービス提供する場合を想定しよう。ここで言う看護職員と理学療法士等とは次の表のとおりだ。

イ)看護師等 保健師、看護師、准看護師
ロ)理学療法士等 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士

イ、ロそれぞれの訪問看護サービスが連続して(2時間以上のインターバルを開けずに)サービス提供する場合、職種ごとに報酬を算定することができる。

それぞれが提供する訪問看護サービスの目的が異なることが理由だ。

⑥計画と異なる資格者が訪問看護サービスを提供した場合

次に、計画と異なる資格者が訪問看護サービスを提供した場合を検討しよう。ケースを大きく二つに分け、表により整理してみる。

准看護士と保健師・看護師

計画上の訪問者 実際の訪問者 報酬算定
准看護師 保健師・看護師 10%減算(90%算定)
保健師・看護師 准看護師 10%減算(90%算定)

准看護師と理学療法士等

計画上の訪問者 実際の訪問者 報酬算定
准看護師 理学療法士等 理学療法士の報酬
理学療法士 准看護師 理学療法士の報酬

以上の算定ルールを十分に把握したうえで、計画上の訪問者の交代要員の配置を計画しよう。

⑦同一建物の利用者にサービス提供を行う場合の減算

訪問看護ステーションと同じ建物に住む利用者、隣接する建物にする利用者に対して、訪問看護サービスを提供する場合、または訪問看護ステーションとは全く異なる場所に利用者が住んでいるが、その建物に対象利用者が複数いる場合。

上記については訪問看護の移動時間が短縮され、効率的な運営ができるため一定の報酬減算が生じる。

具体的な減算割合は訪問介護と同様であるので、こちらの説明を確認してほしい。
>>同じ建物に住む要介護利用者にまとめて訪問介護サービスを提供した場合の減算

⑧このコラムのまとめ

以上が基本報酬を中心とした、訪問看護の介護保険報酬である。基本報酬の理解なしでは、人員配置計画はもとより、事業計画を策定することもできない。

訪問看護ステーションの設立・開業前に、基本報酬について理解したい場合は、ぜひ当社の無料相談の利用をお勧めする。

訪問看護設立・開業の電話相談

訪問看護ステーション設立・開業前の方へ

①訪問看護とは?介護保険と医療保険の観点から
②訪問看護ステーション設立・開業に必要な人員基準
③訪問看護ステーションの事業所(事務所)要件
④訪問看護設立・開業前に把握したい運営上の注意点
⑤訪問看護の介護保険報酬1 基本報酬を中心に
⑥訪問看護の介護保険報酬2 加算を中心に