このコラムを読むと分かること(3分で読めます)

訪問看護とは、看護師等が療養上の世話や診療の補助を居宅で行う介護保険のサービスである。このコラムでは訪問看護のサービス内容、実施事業者の種類等について解説する。

コラムの目次

①訪問看護のサポート内容
②訪問看護における指示書とは?
③介護保険適用となる訪問看護サービス
④訪問看護サービス利用の流れ
⑤訪問看護サービスが提供できないケース
⑥指定訪問看護事業者とみなし指定事業者の違い
⑦まとめ

①訪問看護のサポート内容

訪問看護は看護師等が疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行う介護保険のサービスだ。

利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の心身機能の維持回復を図ることが訪問看護の目的だ。

ここで重要となるのは主治医の発効する指示(指示書)。以下、指示書について詳しく確認していこう。

②訪問看護における指示書とは?

医師の指示書

訪問看護サービスの実施には、主治医から交付される指示書が必須となる。ここでの「主治医」とは利用者(患者)が自ら選んで治療を受けている1人の医師のことを指す。

つまり指示書は主治医(1人)のみが発行できるのであり、主治医以外が作成する指示書では訪問看護サービスを行うことはできない。

訪問看護では、主治医の指示に基づき、看護師から次のサービスを受けることができる。

・血圧、脈拍、体温などの測定、病状のチェックなど
・排泄、入浴の介助、清拭、洗髪など
・在宅酸素、カテーテルやドレーンチューブの管理、
・褥瘡(じょくそう)の処理、リハビリテーションなど
・在宅での看取り

急性増悪期の保険切り替え

急激に病状が悪化(急性増悪)した患者に対して、主治医が特別指示書を交付した後14日間は、介護保険から医療保険に切り替わることも理解しておこう。

③介護保険適用となる訪問看護サービス

介護保険が適用されるのは、要介護認定または要支援認定を受けた場合、または特定疾病となった場合だ。特定疾病とは以下の16種類の疾病を指している。

筋萎縮性側索硬化症
脳血管疾患
後縦靭帯骨化症
進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
骨折を伴う骨粗しょう症
閉塞性動脈硬化症
多系統萎縮症
慢性関節リウマチ
初老期における認知症
慢性閉塞性肺疾患
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
早老症
末期がん

④訪問看護サービス利用の流れ

要介護状態や要支援状態にあるかどうか、および程度の判定を行うのが要介護認定(要支援認定を含む)であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会において判定される。

要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については全国一律に客観的に定められている。

訪問看護サービス利用の流れは以下のようになっている。

要介護認定申請

市町村の認定調査員(指定居宅介護支援事業者等に委託可能)による心身の状況調査(認定調査)及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定(一次判定)を行う。

保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会により、一次判定結果、主治医意見書等に基づき審査判定(二次判定)を行う。

要介護度の決定

居宅介護支援事業所のケアマネージャーが居宅介護サービス(ケアプラン)を作成(訪問看護サービスの必要性を組み込む)

訪問看護サービスの選択、訪問看護計画書の作成

⑤訪問看護サービスが提供できないケース

利用者(患者)が次のサービスを受けている期間は、介護保険における訪問看護を算定することができない。

・短期入所生活介護
・短期入所療養介護
・特定施設入居者生活介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・認知症対応型共同生活介護
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
・複合型サービス

⑥指定訪問看護事業者とみなし指定事業者の違い

介護保険制度において、介護保険サービスを提供するためには、サービスを行う事業所ごとに都道府県知事(権限移譲されている場合は市長)から指定を受ける必要があり、指定を受けた事業者は指定訪問看護事業者となる。

一方、特例として、健康保険法(医療保険)による保険医療機関の指定を受けている病院、診療所が訪問看護を提供する場合も、指定があったものとみなされる、「みなし指定」の規定が適用され、介護保険の訪問看護サービス事業者としてみなされる。

⑦まとめ

このコラムで解説した介護保険制度の「訪問看護」のポイントは次のようになる。

・介護保険制度の訪問看護サービスは、看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行うサービスである

・介護保険が適用になるのは、要介護認定または要支援認定を受けた場合、あるいは特定疾病となった場合であり、それ以外の場合は医療保険が適用される。

・介護保険制度の訪問看護は、指定訪問看護事業者が行うが、健康保険法(医療保険)による保険医療機関の指定を受けている病院、診療所も「みなし指定事業者」として訪問看護サービスを提供できる。

訪問看護事業の開業を計画中の方には、是非当事務所の無料開業相談のご利用をお勧めする。

訪問看護設立・開業の電話相談

訪問看護ステーション設立・開業前の方へ

①訪問看護とは?介護保険と医療保険の観点から
②訪問看護ステーション設立・開業に必要な人員基準
③訪問看護ステーションの事業所(事務所)要件
④訪問看護設立・開業前に把握したい運営上の注意点
⑤訪問看護の介護保険報酬1 基本報酬を中心に
⑥訪問看護の介護保険報酬2 加算を中心に

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)0120-60-60-60 
     06-7739-2538