デイサービス(通所介護)開業・設立に必要な従業員の最低基準と要件|生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員・管理者

デイサービス(通所介護)の人員基準
井ノ上剛(社労士・行政書士)

デイサービス(通所介護)設立のために、何人のスタッフが必要か理解していますか?生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員・管理者の資格要件は?最小の人員基準でデイサービスを開業するために、人員要件の理解は欠かせません。このコラムではデイサービスの人員基準について詳しく説明します。

このコラムの推奨対象者

・デイサービス(通所介護)開業・設立時の必要人員を理解したい人
・どのような資格者を何名揃えればデイサービスが開業できるか を理解したい人
・生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員の違い を理解したい人

このコラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した、合同法務事務所です。税理士・社労士・行政書士・司法書士で運営しています。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年8月、これまでに設立支援した介護障害福祉事業の累積数が400社を超えました。日々数多くの通所介護(デイサービス)の人員基準相談にも応じていますので、安心してお読み下さい。

デイサービス(通所介護)に必要な人員基準一覧表

本コラムで説明するデイサービス(通所介護)に必要な人員基準を一覧でまとめると、次の表の通りとなります。

職種 資格要件 配置基準
管理者 なし 常勤1名
生活相談員 ・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・社会福祉主事
・介護支援専門員
(自治体により異なる)
1名以上
看護職員 ・看護師
・准看護師
1名以上(利用者が10名以下の場合には、介護職員と合わせて1名以上)
介護職員 なし 利用者の数が15人までは1名以上15人を超える場合は、超える部分を5で割り+1名
機能訓練指導員 ・理学療法士
・作業療法士
・看護師
・准看護師
・言語聴覚士
・柔道整復士
・あん摩マッサージ指圧師
通所介護の単位ごとに専ら当該通所介護の提供に当たる者1名以上が必要。

以下、それぞれの詳細について詳しく解説していきます。

デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な生活相談員

生活相談員の仕事と資格

デイサービスで配置が必要な生活相談員は、デイサービス事業所の利用者や家族、地域の医療機関や福祉関連施設との連携窓口となる重要な役職です。

あえて「役職」と記載したのは、生活相談員という専門資格がないためです。デイサービスで生活相談員となるためには、一定の資格が必要であり、詳細は自治体の独自ルールによって定められていますが、次のような資格としている自治体が多いでしょう。

生活相談員の資格要件(例)

・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・社会福祉主事
・介護支援専門員

いずれも介護福祉分野の専門資格であることから、デイサービスの生活相談員の位置づけの重要性が理解いただけると思います。

生活相談員の必要人数

生活相談員の必要人数は、サービス提供日ごとで計算します。サービス提供単位ごとに計算しなければならない介護職員・看護職員と異なる点に注意しましょう。

ここで言うサービス提供単位とは、例えば次のようなケースです。

サービス提供単位とは?

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

デイサービスの生活相談員の必要人数(時間)は、サービス提供日ごとに、次の計算式で求めます。

生活相談員の必要人数(時間)

日ごとの生活相談員の勤務合計時間 ≧ 日ごとのサービス提供時間

事例のケースでは、サービス提供時間である8時間以上、生活相談員が勤務すれば良いという事になります。常勤が求められていないことから、複数の人員で8時間を満たしても大丈夫です。

生活相談員の外出時間も勤務時間に算定できるか?

デイサービスの生活相談員が、事業所のサービス提供についての重要な役職であることは、以上の通りご理解頂けたと思います。それでは生活相談員が外出している時間は勤務時間に算定出来ないのでしょうか?

デイサービスの生活相談員の責務が、利用者・家族・関係機関それぞれの連携相談の窓口である以上、次のような時間は、勤務時間として算定することができるとされています。

生活相談員の勤務時間に算定できる時間

・サービス担当者会議や地域ケア会議に出席するための時間
・利用者宅を訪問し、利用者または家族の相談に応じる時間
・町内会、自治会、ボランティア団体などを訪問し利用者支援のために連携する時間

これらに参加して事業所を留守にする場合に、一律に生活相談員不在とされる訳ではない点を理解しておきましょう。

デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な看護職員

看護職員配置についての基礎知識

まずデイサービスにおける看護職員配置についての基礎知識から整理しましょう。

デイサービスでは利用者の健康状態の確認のために、一定の医療知識を持った職員を配置する必要があります。その職種を看護職員と呼び、看護師または准看護師が担います。

しかしデイサービスに訪問看護ステーションを併設している場合や、近隣の医療機関、訪問看護ステーションと連携し、毎日看護職員が派遣され利用者の健康状態の確認を行う場合には、事業所独自で看護職員を雇用する必要はありません。

どうしても自社で看護職員を雇用できない場合、近隣の医療機関、訪問看護ステーションとの連携を考えるのも一つの方策でしょう。

看護職員の必要数

以上を前提に、デイサービス事業所での必要看護職員数は、次の通り定められています。

デイサービスで配置すべき看護職員数

単位ごとに1人以上(医療機関連携を含む)

単位について例に基づき再度整理しておきましょう。

単位とは?

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

この場合、1単位目、2単位目、それぞれの単位に1人配置が必要となりますが、看護職員には常勤要件がなく、また専従要件もないため、それぞれの単位で例えば1時間を看護職員として勤務し、残りの時間を他の職員(管理者、介護職員、機能訓練指導員)として勤務することも可能となる訳です。
>>看護職員が欠如した際の「人員欠如減算」はこちら

デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な介護職員

次にデイサービスにおける介護職員について見ていきましょう。

介護職員の資格要件

同じ居宅介護サービスである訪問介護では訪問介護員は初任者研修(ヘルパー2級)以上を条件としていますが、 デイサービスの介護職員には資格要件がありません。

デイサービスの介護職員に資格要件が定められていない理由は、介護分野の専門資格を必要とする生活相談員、リハビリ専門の機能訓練指導員の目の届く施設内で介助を行うため、無資格者であっても問題ないと解されているためです。
>>有資格の介護職員比率を高める際の「サービス提供体制強化加算」はこちら

介護職員の必要数

デイサービスの介護職員は、単位ごとに最低人数が定められています。単位について例に基づき再度整理します。

単位とは?

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

介護職員の必要数は次の通りです。

介護職員の必要数

・利用者15人までは介護職員1名
・利用者15人超の場合、超過数÷5+1名

例えば利用者18人の場合は次の計算式となります。

利用者18人での介護職員配置数

3(超過数)÷5+1=1.6名

つまり利用者15名までなら介護職員は1名、利用者18名の例では介護職員が1.6名必要となります。ではここで言う1名、1.6名はそれぞれ何時間勤務する必要があるか?これが次の問題です。

デイサービスの人員配置基準を満たすために必要となる介護職員の勤務時間

デイサービスではサービス提供時間数に対して、所定の人員が必要となることは述べました。ここで言うサービス提供時間とは、利用者ごとの平均サービス提供時間のことを指します。

仮に平均サービス提供時間が5時間である場合は、次の介護職員の勤務を確保しなければなりません。

平均サービス提供時間が5時間の場合の介護職員配置数

・介護職員1名  =5時間×1名分 =5時間
・介護職員1.6名=5時間×1.6名=8時間

簡易計算表にすると次の表の通りとなります。(内側白枠の小数点のある数字が介護職員の勤務時間)

  利用者ごとの平均サービス提供時間
3時間 4時間 5時間 6時間 7時間 8時間 9時間



15人 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0
16人 3.6 4.8 6.0 7.2 8.4 9.6 10.8
17人 4.2 5.6 7.0 8.4 9.8 11.2 12.6
18人 4.8 6.4 8.0 9.6 11.2 12.8 14.4
19人 5.4 7.2 9.0 10.8 12.6 14.4 16.2
20人 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0

利用定員10人以下のデイサービスの特例

利用定員とは、予め運営規定で定めるデイサービス同時利用の上限人数のことです。

利用定員を10名以下で定める場合、介護職員と看護職員を併せて人員基準を考えることができます。つまり介護職員と看護職員を併せて上の表の時間勤務すれば足りるという訳です。

介護職員は常時1名以上必要

介護職員にはさらに条件がついており、どのような時間帯においても常時1名以上確保することが求められています。例えば上の表で午後の単位(13~18時)で5時間サービス提供のところ、利用者ごとの平均サービス提供時間が3時間だったとします。この場合であっても5時間分の人員配置をする必要があるという訳です。

効率的な事業運営のためには、この場合午後の単位を13~16時などに短縮することも検討しましょう。そうすれば利用者不在の時間帯に人員を配置する必要がなくなります。
>>介護職員が欠けた際の「人員欠如減算」はこちら

デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な機能訓練指導員

次にデイサービスで必要な機能訓練指導員について確認しましょう。

機能訓練指導員として配置できるのは次の資格者です。

機能訓練指導員の資格要件

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師、准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師

これらの資格者を機能訓練指導員として、単位ごとに配置する必要があります。機能訓練指導員には常勤性が求められていないため、各単位に短時間の機能訓練を行いつつ、他の時間を別職種(管理者・介護職員・看護職員)に充てる事も可能です。
>>理学療法士等による訓練計画を実施した際の「個別機能訓練加算」はこちら

デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な管理者

デイサービス事業所では、管理者を1名置かなければならなりません。管理者は事業所の従業員管理と業務管理を一元的に行うことが義務付けられていますが、資格要件はありません

管理者は、敷地内の他事業所との業務を兼ねることは可能ですが、他の事業所で、介護・看護職員として兼務することは認められていません。

このコラムのまとめ

以上がデイサービス(通所介護)における人員基準の概要です。

他の介護障害福祉事業と異なり、デイサービスの人員配置には次の特徴があるため、複雑な構成になっています。

・配置が必要な職種が多い(5職種)
・他の事業にはない、「単位」という考え方がある
・常勤、非常勤、兼務、専従の判断が必要

デイサービスの開業相談でよく耳にするのが、「もっと従業員数が必要だと思っていたのですが、意外と少なくて済むのですね」というお声です。

デイサービスの開業・設立を計画の際、人員の配置方法については、一人で悩まずに是非当事務所の無料開業相談を利用されることをお勧めします。

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