デイサービス(通所介護)開業・設立に必要な従業員の最低基準と要件

デイサービス(通所介護)の人員基準

このコラムを3分読めば理解できること

・デイサービス(通所介護)開業・設立時の必要人員が理解できる
・どのような資格者を何名揃えればデイサービスが開業できるか理解できる
・生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員の違いが理解できる

デイサービス(通所介護)をこれから開業・設立する方に対する人員基準説明コラム。このコラムではデイサービス(通所介護)設立の専門家が、開業・設立に必要な従業員の最低基準と要件について詳しく解説する。

このコラムの目次

①デイサービス(通所介護)の生活相談員
②デイサービス(通所介護)の看護職員
③デイサービス(通所介護)の介護職員
④デイサービス(通所介護)の機能訓練指導員
⑤デイサービス(通所介護)の管理者
⑥このコラムのまとめ

本コラムで説明するデイサービス(通所介護)に必要な人員基準を一覧でまとめると、次の表の通りとなる。

職種 資格要件 配置基準
管理者 なし 常勤1名
生活相談員 ・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・社会福祉主事
・介護支援専門員
(自治体により異なる)
1名以上
看護職員 ・看護師
・准看護師
1名以上(利用者が10名以下の場合には、介護職員と合わせて1名以上)
介護職員 なし 利用者の数が15人までは1名以上

15人を超える場合は、超える部分を5で割り+1名

機能訓練指導員 ・理学療法士
・作業療法士
・看護師
・准看護師
・言語聴覚士
・柔道整復士
・あん摩マッサージ指圧師
通所介護の単位ごとに専ら当該通所介護の提供に当たる者1名以上が必要。

以下、それぞれの詳細について詳しく解説していこう。

①デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な生活相談員

生活相談員の仕事と資格

デイサービスで配置が必要な生活相談員は、デイサービス事業所の利用者や家族、地域の医療機関や福祉関連施設との連携窓口となる重要な役職だ。

あえて「役職」と記載したのは、生活相談員という専門資格がないためだ。デイサービスで生活相談員となるためには、一定の資格が必要であり、詳細は自治体の独自ルールによって定められているが、次のような資格としている自治体が多い。

・社会福祉士
・精神保健福祉士
・介護福祉士
・社会福祉主事
・介護支援専門員

いずれも介護福祉分野の専門資格であることから、デイサービスの生活相談員の位置づけの重要性が理解いただけると思う。

生活相談員の必要人数

生活相談員の必要人数は、サービス提供日ごとで計算する。サービス提供単位ごとに計算しなければならない介護職員・看護職員と異なる点に注意しよう。

ここで言うサービス提供単位とは、例えば次のようなケースだ。

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

デイサービスの生活相談員の必要人数(時間)は、サービス提供日ごとに、次の計算式で求める。

日ごとの生活相談員の勤務合計時間 ≧ 日ごとのサービス提供時間

事例のケースでは、サービス提供時間である8時間以上、生活相談員が勤務すれば良いという事だ。常勤が求められていないことから、複数の人員で8時間を満たしても良い。

生活相談員の外出時間も勤務時間に算定できるか?

デイサービスの生活相談員が、事業所のサービス提供についての重要な役職であることは以上の通りご理解頂けたと思う。それでは生活相談員が外出している時間は勤務時間に算定出来ないのだろうか?

デイサービスの生活相談員の責務が、利用者・家族・関係機関それぞれの連携相談の窓口である以上、次のような時間は、勤務時間として算定することができるとされている。

・サービス担当者会議や地域ケア会議に出席するための時間
・利用者宅を訪問し、利用者または家族の相談に応じる時間
・町内会、自治会、ボランティア団体などを訪問し利用者支援のために連携する時間

これらに参加して事業所を留守にする場合に、一律に生活相談員不在とされる訳ではない点を理解しておこう。

②デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な看護職員

看護職員配置についての基礎知識

まずデイサービスにおける看護職員配置についての基礎知識から整理しよう。

デイサービスでは利用者の健康状態の確認のために、一定の医療知識を持った職員を配置する必要がある。その職種を看護職員と呼び、看護師または准看護師が担う。

しかしデイサービスに訪問看護ステーションを併設している場合や、近隣の医療機関、訪問看護ステーションと連携し、毎日看護職員が派遣され利用者の健康状態の確認を行う場合には、事業所独自で看護職員を雇用する必要はない。

どうしても自社で看護職員を雇用できない場合、近隣の医療機関、訪問看護ステーションとの連携を考えるのも一つの方策だろう。

看護職員の必要数

以上を前提に、デイサービス事業所での必要看護職員数は、

単位ごとに1人以上(医療機関連携を含む)

とされている。

単位について例に基づき再度整理する。

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

この場合、1単位目、2単位目、それぞれの単位に1人配置が必要となるが、看護職員には常勤要件がなく、また専従要件もないため、それぞれの単位で例えば1時間を看護職員として勤務し、残りの時間を他の職員(管理者、介護職員、機能訓練指導員)として勤務することも可能となる訳だ。
>>看護職員が欠如した際の「人員欠如減算」はこちら

③デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な介護職員

次にデイサービスにおける介護職員について見ていこう。

介護職員の資格要件

同じ居宅介護サービスである訪問介護では訪問介護員は初任者研修(ヘルパー2級)以上を条件としているが、 デイサービスの介護職員には資格要件がない。

デイサービスの介護職員に資格要件が定められていない理由は、介護分野の専門資格を必要とする生活相談員、リハビリ専門の機能訓練指導員の目の届く施設内で介助を行うため、無資格者であっても問題ないと解されているためだ。
>>有資格の介護職員比率を高める際の「サービス提供体制強化加算」はこちら

介護職員の必要数

デイサービスの介護職員は、単位ごとに最低人数が定められている。単位について例に基づき再度整理する。

【例】
・1単位目:9時~12時
・2単位目:13時~18時
 (合計8時間)

介護職員の必要数は次の通りだ。

・利用者15人までは介護職員1名
・利用者15人超の場合、超過数÷5+1名

例えば利用者18人の場合は次の計算式となる。

3(超過数)÷5+1=1.6名

つまり利用者15名までなら介護職員は1名、利用者18名の例では介護職員が1.6名必要となる。ではここで言う1名、1.6名はそれぞれ何時間勤務する必要があるか?これが次の問題である。

デイサービスの人員配置基準を満たすために必要となる介護職員の勤務時間

デイサービスではサービス提供時間数に対して、所定の人員が必要となることは述べた。ここで言うサービス提供時間とは、利用者ごとの平均サービス提供時間のことを指す。

仮に平均サービス提供時間が5時間である場合は、次の介護職員の勤務を確保しなければならない。

・介護職員1名  =5時間×1名分 =5時間
・介護職員1.6名=5時間×1.6名=8時間

簡易計算表にすると次の表の通りとなる。(内側白枠の小数点のある数字が介護職員の勤務時間)

 

利用者ごとの平均サービス提供時間

3時間

4時間

5時間

6時間

7時間

8時間

9時間

15人

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

16人

3.6

4.8

6.0

7.2

8.4

9.6

10.8

17人

4.2

5.6

7.0

8.4

9.8

11.2

12.6

18人

4.8

6.4

8.0

9.6

11.2

12.8

14.4

19人

5.4

7.2

9.0

10.8

12.6

14.4

16.2

20人

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

18.0

利用定員10人以下のデイサービスの特例

利用定員とは、予め運営規定で定めるデイサービス同時利用の上限人数のことである。

利用定員を10名以下で定める場合、介護職員と看護職員を併せて人員基準を考えることができる。つまり介護職員と看護職員を併せて上の表の時間勤務すれば足りるという訳だ。

介護職員は常時1名以上必要

介護職員にはさらに条件がついており、どのような時間帯においても常時1名以上確保することが求められている。

例えば上の表で午後の単位(13~18時)で5時間サービス提供のところ、利用者ごとの平均サービス提供時間が3時間だったとする。この場合であっても5時間分の人員配置をする必要があるという訳だ。

効率的な事業運営のためには、この場合午後の単位を13~16時などに短縮することも検討しよう。(そうすれば利用者不在の時間帯に人員を配置する必要がなくなる)
>>介護職員が欠けた際の「人員欠如減算」はこちら

④デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な機能訓練指導員

次にデイサービスで必要な機能訓練指導員について確認しよう。

機能訓練指導員として配置できるのは次の資格者だ。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師、准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師

これらの資格者を機能訓練指導員として、単位ごとに配置する必要がある。機能訓練指導員には常勤性が求められていないため、各単位に短時間の機能訓練を行いつつ、他の時間を別職種(管理者・介護職員・看護職員)に充てる事も可能だ。
>>理学療法士等による訓練計画を実施した際の「個別機能訓練加算」はこちら

⑤デイサービス(通所介護)開業・設立時に必要な管理者

デイサービス事業所では、管理者を1名置かなければならない。管理者は事業所の従業員管理と業務管理を一元的に行うことが義務付けられているが、資格要件はない

管理者は、敷地内の他事業所との業務を兼ねることは可能だが、他の事業所において、介護・看護職員として兼務することは認められない。

⑥このコラムのまとめ

以上がデイサービス(通所介護)における人員基準の概要だ。

他の介護障害福祉事業と異なり、デイサービスの人員配置には次の特徴があるため、複雑となっている。

・配置が必要な職種が多い(5職種)
・他の事業にはない、「単位」という考え方がある
・常勤、非常勤、兼務、専従の判断が必要

デイサービスの開業相談でよく耳にするのが、「もっと従業員数が必要だと思っていたのですが、意外と少なくて済むのですね」という言葉だ。

デイサービスの開業・設立を計画の際、人員の配置方法については、一人で悩まずに是非当事務所の無料開業相談を利用されることをお勧めする。

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◎デイサービス(通所介護)の設立・開業前の方へ

①デイサービス(通所介護)の概要を理解しよう
②デイサービス開業・設立に必要な従業員の基準要件
③通所型事業における物件調査(建築・消防)
④デイサービス設立・開業時の事業所要件
⑤運営規定とは?デイサービス(通所介護)編
⑥デイサービスの基本報酬と加算減算ルール
⑦設立・開業前に確認/人員配置に関する加算減算
⑧特別な取り組みを行う場合の加算について
⑨処遇改善加算(介護福祉職員)とは?仕組みをわかりやすく解説
⑩特定処遇改善加算(介護福祉職員)2019年/令和元年10月改正を詳しく解説