デイサービス(通所介護)設立前に確認すべき事業所の設備要件|食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室。食事提供の際の届出

デイサービス(通所介護)開業・設立前に確認すべき事業所の要件
井ノ上剛(社労士・行政書士)

デイサービス(通所介護)の立ち上げに必要となる事業所設備の要件を理解していますか?デイサービスの立ち上げには、食堂、機能訓練室、静養室、相談室、事務室が必要となります。このコラムではそれぞれの部屋の詳細について解説するとともに、サービス提供の一環で食事を提供する際に、必要となる法令上の届出義務についても触れていきます。

このコラムの推奨対象者

・デイサービス(通所介護)設立・開業時の事業所要件を理解したい方
・備えるべき部屋の要件を理解したい方
・食事提供の際の届出 を理解したい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に特化した専門会社です。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年8月時点で、これまで設立支援した介護福祉事業の累積数が400社を超えました。デイサービス(通所介護)の事業所要件についても、日々の業務の中で日常的にご対応していますので、安心してお読み下さい。

デイサービス(通所介護)の開業に必要な部屋の一覧

初めにデイサービス事業を設立・開業する際に必要となる各部屋について確認してきましょう。

食堂

文字通りデイサービスの利用者が食事をする場所です。デイサービスが日帰りであるため、一般的には昼食を想定しています。

食事提供を行うかどうかは事業所側の自由ですが、一定規模以上の食事提供を行う場合、衛生管理上の届出が必要となるので、確認しておきましょう。

食品衛生管理上の届出に

1回20食以上、または1日50食以上・・・食品衛生法の届出
1回50食以上、または1日100食以上・・・食品衛生法+健康増進法の届出

尚、食事提供の対象者が特定されている(不特定多数への食事提供ではない)ため、飲食業の許可は不要です。

機能訓練室

デイサービスの主目的が生活機能の維持・向上であるため、機能訓練室は必要不可欠です。機能訓練室ではリハビリ、レクリエーション等を通じて生活機能の指導を行います。

静養室

体調のすぐれない利用者の一時的な休憩場所として用います。

相談室

利用者まだは利用者の家族の個別の相談に応じるためのスペースです。パーテションなどの遮蔽物によって、相談内容が漏洩しないように配慮する必要があります。

事務室

デイサービス事業所としての事務を執り行う場所です。

広さの条件が定められている部屋

デイサービス(通所介護)の設立・開業に必要な部屋のうち、唯一広さの条件が定められているのが機能訓練室です。デイサービスの機能訓練室は利用定員×3㎡以上の確保が必要となります。

ここで言う利用定員とは、運営規定に記載する単位ごと同時利用の上限数であるため、例えば午前10名、午後10名で入れ替わり対応する場合、利用定員は10名となり、必要な広さは10名×3㎡=30㎡となります。

なお、デイサービスは同時に複数の利用者に対してサービス提供することが前提となるため、狭い部屋を複数準備して、必要面積を確保することは原則として認められない点に注意しましょう。

また食事時間帯と機能訓練時間帯を明確に分ける場合、食堂と機能訓練室を一体的に考え、二つ合わせて広さの要件を満たすことで足ります。

デイサービス(通所介護)で宿泊サービスを提供する場合の事前届出

デイサービスの営業時間外に宿泊サービスを提供する場合、事前に指定先の自治体に対して、「指定通所介護事業所等における宿泊サービス実施届出書」を提出する必要があります。

この「指定通所介護事業所等における宿泊サービス実施届出書」では宿泊定員、宿泊料金、宿泊室、宿泊対応人員などについて記載しなければならないので、事業所の設計段階から十分な検討を行う必要があります。

このコラムのまとめ

以上がデイサービス(通所介護)開業・設立前に確認すべき事業所の要件です。これら各室の配置レイアウトについては、指定先の自治体との事前協議の時点で審査を受け、設計を検討する必要があります。

十分な検討なしに自治体との事前協議を進めると、希望する配置レイアウトが達成できない可能性があるため、是非事前に当社の無料相談を利用されることをお勧めします。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
※ご契約がない段階での記事に関するご質問には応対できかねます。
 ご了承お願い致します。

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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