デイサービス(通所介護)の基本報酬と加算減算|延長加算、同一建物居住者減算、送迎未実施減算、利用定員超過減算
デイサービス(通所介護)の基本報酬と加算減算を理解していますか?デイサービス(通所介護)の開業には基本報酬と延長加算、同一建物居住者減算、送迎未実施減算、利用定員超過減算のルール理解が欠かせません。このコラムでは初心者向けに、デイサービスの基本報酬の考え方を解説します。
このコラムの推奨対象者
・デイサービスの基本報酬算定の前提となる規模の基準を理解したい人
・デイサービス(通所介護)の基本報酬の考え方 を理解したい人
・運営体制によって生じる加算と減算のルール を理解したい人
コラムの信頼性
タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に特化した会社です。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年8月時点で、過去に設立支援した介護障害福祉事業の累積が400社を超えました。デイサービス(通所介護)の基本報酬と加算、減算ルールについても開業相談の中でご対応していますので、安心してお読み下さい。
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デイサービス(通所介護)基本報酬算定の前提となる規模の考え方
まずはデイサービスの基本報酬の算定根拠となる事業所の規模の問題から検討しましょう。
デイサービスは利用者の人数規模によって次の3種類に区分され、それぞれ別々の報酬算定方法が用いられます。大まかな分類の目安と共に表に示します。
区分 | 報酬単価 | 1日あたり利用者 |
通常規模型 | 最も高い | 概ね30人以下 |
大規模Ⅰ型 | 中間 | 概ね36人以下 |
大規模Ⅱ型 | 最も低い | 概ね36人超 |
ここで言う1日あたり利用者は、1カ月25日営業の場合の1日あたり利用者を指しています
デイサービス(通所介護)の介護保険基本報酬
デイサービスの基本報酬について一覧表にまとめました。なお下記の表は、先に説明した通常規模型のデイサービスの基本報酬です。大規模Ⅰ型、Ⅱ型の場合、最大で7%弱報酬単価が下がることを前提に、ここでは概略を掴みましょう。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 | |
3~4h | 368 | 421 | 477 | 530 | 585 |
4~5h | 386 | 442 | 500 | 557 | 614 |
5~6h | 567 | 670 | 773 | 876 | 979 |
6~7h | 581 | 686 | 792 | 897 | 1003 |
7~8h | 655 | 773 | 896 | 1018 | 1142 |
8~9h | 666 | 787 | 911 | 1036 | 1162 |
延長加算 | 超過1時間ごとに50単位(最大5時間250単位) |
2時間以上3時間未満のサービス提供を行うための条件
本来の基本報酬は3~4h以上の区分からですが、2~3hの区分は次に該当する利用者に限り特別に算定できる時間区分です。この場合4~5hの報酬の70%で算定します。
2~3hサービスを提供できるのは?
・利用者の心身の状況から、長時間のサービス利用が困難な場合
・病後のため短時間利用から始め、その後長時間利用に結びつける場合
2~3h区分で利用する場合であっても、単に「入浴サービスのみ」といった利用ではなく、適切な機能訓練を行う必要がある点を理解しておきましょう。
延長加算
上の表で延長加算とあるのは、8~9hのデイサービス利用の前後に、時間延長してサービスを提供する場合の加算です。同じ事業所を使って宿泊サービスを提供する場合には算定できない点に注意しましょう。
>>デイサービスにおける宿泊サービスはこちら
同一建物居住者減算
デイサービス(通所介護)における同一建物居住者減算とは、デイサービス事業所と一体の建物に住む利用者に関する報酬減算です。1日について94単位減算が生じます。
建物の所有権には関係なく、単に物理的に居住建物と事業所建物が近接している場合に減算が生じるわけです。
同一建物居住者減算は、通所移動に関する効率性の部分に着目する報酬減算ですので、例えば傷病者に対して2人以上の介助者が送迎付き添いを行う場合などには、減算は生じません。
送迎未実施減算
デイサービス事業所まで、利用者が自ら通所する場合、または利用者の家族等が送迎を行う場合には、片道について47単位減算が生じます。(往復94単位)
利用者の送迎に関する報酬は、基本報酬に組み込まれている、との考え方に基づくためです。
なお、先に説明した同一建物居住者減算が生じている場合には、送迎未実施減算は適用されません。
利用定員超過減算
デイサービス(通所介護)における利用定員超過減算とは、運営規定上の利用定員の上限を超えて運営することを未然に防ぐための報酬減算です。
この場合、定員超過月の翌月から解消月まで、利用者全員に対して3割減算(7割算定)となります。
利用者定員超過減算は、サービス提供日のうち1日でも定員オーバーすれば生じる、というわけではありません。具体的には次の計算式に該当した場合に減算が生じます。
利用者定員超過減算が生じるのは?
サービス提供日ごとの利用者最大数の合計 ÷ サービス提供日数 > 利用定員
つまり、あるサービス提供日にたまたま利用者数が定員を超過していても、別の日の利用者が少なかった場合には、上記の計算式を満たさないため、減算は生じない点を理解しておきましょう。
このコラムのまとめ
以上がデイサービス(通所介護)の設立・開業前に最低限理解しておきたい報酬の算定ルールです。
運営規定策定後では変更することが困難な部分も多く含まれるため、ぜひ当事務所の無料開業相談のご利用をお勧めします。
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デイサービス(通所介護)の設立・開業前の方へ
【この記事の執筆・監修者】
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◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
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