このコラムを3分読めば理解できること

・共同生活援助(障害者グループホーム)の報酬体系が理解できる
・報酬体系の中でも特に加算、減算の制度が理解できる

共同生活援助(障害者グループホーム)の設立・開業を計画中の方向け、報酬と加算減算についての解説コラム。このコラムではこれから共同生活援助(障害者グループホーム)を開業する方に向けて、介護障害福祉事業の支援専門家が、報酬および加算・減算の制度について詳しく解説する。

このコラムの目次

①共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス費
②サービス提供職員欠如減算
③サービス管理責任者欠如減算
④個別支援計画未作成減算
⑤大規模住居等減算
⑥身体拘束廃止未実施減算
⑦福祉専門職員配置等加算
⑧視覚・聴覚言語障害者支援体制加算
⑨看護職員配置加算
⑩夜間支援等体制加算
⑪重度障害者支援加算
⑫日中支援加算
⑬自立生活支援加算
⑭(長期)入院時支援特別加算
⑮(長期)帰宅時支援加算
⑯地域生活移行個別支援特別加算(精神・強度障害)
⑰医療連携体制加算
⑱通勤者生活支援加算
⑲このコラムのまとめ

①共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス報酬

区分

利用者:世話人

障害支援区分

4:1

661

547

467

381

292

242

5:1

611

496

417

331

242

198

6:1

578

463

383

298

209

170

体験

691

577

497

411

322

272

利用者対:生活支援員

2.5:1

4:1

6:1

9:1

配置不要

ここでは、共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス報酬について確認していこう。尚、共同生活援助(障害者グループホーム)には大きく分けて3種類のタイプがあるが、ここでは介護サービス包括型の共同生活援助(障害者グループホーム)について解説する。
>>共同生活援助(障害者グループホーム)の3種についてはこちら

表に記載のとおり、介護サービス包括型 共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス報酬は、入居利用者の障害区分(横軸)と、入居利用者に対する世話人の配置割合(縦軸)よって決定される。

例えば、障害区分3を中心としたグループホームで、利用者5名に対して1名以上の世話人を配置する場合、1日331単位(約3300円)となる。

表の一番下の行は、利用者数に対する生活支援の配置割合を示している。障害区分4の場合、利用者6名に対して1名以上の生活支援人を配置しなければならいことを示している。(区分1、2には配置不要)
>>共同生活援助(障害者グループホーム)の人員基準の詳細はこちら

②サービス提供職員欠如減算

共同生活援助(障害者グループホーム)におけるサービス提供職員欠如減算は、本来配置すべき人員が不足した場合の報酬減算制度だ。

サービス提供職員欠如減算の適用月

1割を超過して人員欠如:欠如翌月から
1割の範囲内で人員欠如:欠如翌々月から

サービス提供職員欠如減算の具体的内容

減算適用1~2カ月目:30%減算(70%算定)
減算適用3カ月目以降:50%減算(50%算定)

③サービス管理責任者欠如減算

共同生活援助(障害者グループホーム)のサービス管理責任者欠如減算は、人員基準に定めるサービス管理責任者の人数が欠如した場合、欠如月の翌々月から解消月まで、次の基準で報酬が減算される制度だ。
>>サービス管理責任者の人員基準はこちら

減算開始1~4カ月目:30%減算(70%算定)
減算開始5カ月目から:50%減算(50%算定)

④個別支援計画未作成減算

共同生活援助(障害者グループホーム)の個別支援計画未作成減算は、個別支援計画を作成せずにサービス提供した場合に生じる減算制度だ。未作成の月から解消月の前月まで次の減算が生じる。

減算開始1~2カ月目:30%減算(70%算定)
減算開始3カ月目から:50%減算(50%算定)

⑤大規模住居等減算

共同生活援助(障害者グループホーム)の大規模住居等減算は、入居定員が一定以上の場合に生じる報酬減算制度だ。多人数同時にサービス提供する事に対する効率性の観点から以下の通り報酬減算が生じる。

ポイントは共同生活住居ごとに判定する点だ。
>>共同生活住居の定義はこちら

ア)入居定員が8人以上の共同生活住居

5%減算(95%算定)

イ)入居定員が21人以上の共同生活住居

7%減算(93%算定)

ウ)一体的運営がなされている共同生活住居の利用定員が21人以上

5%減算(95%算定)

例題)
7人定員の共同生活住居が3カ所あったとしよう。
個々の共同生活住居は7人であるため、減算は生じないが、立地が近接し、かつ世話人・支援員の勤務体制も明確な区分がない場合、ウ)が適用され、減算が生じる。この点を理解して勤務体制を計画しよう。

⑥身体拘束廃止未実施減算

共同生活援助(障害者グループホーム)の身体拘束廃止未実施減算は、利用者に対する身体拘束廃止が未実施の場合に減算される制度だ。

具体的な算定ルール

身体拘束が実際に行われている場合
身体拘束に関する記録が行われていない場合

これらの場合に、1日あたり5単位減算される。

⑦福祉専門職員配置等加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の福祉専門職員配置等加算は、下表に基づいて算定される加算制度だ。

加算種 条件 単位(日)
常勤の世話人、生活支援員のうち資格者※割合が35%以上 15
常勤の世話人、生活支援員の資格者※割合が25%以上 10
世話人、生活支援員のうち常勤比率が75%以上または勤続3年以上の常勤比率が30%以上

(※資格者: 社会福祉士、介護福祉士、精神保健衛生士、作業療法士、公認心理師)

⑧視覚・聴覚言語障害者支援体制加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の視覚・聴覚言語障害者支援体制加算は、特別の支援が必要な利用者(※1)が一定数以上あり、かつ専門の支援員(※2)を一定数以上配置した場合に算定できる加算制度だ。1日当たり41単位を加算することができる。

※1 特別の支援が必要な利用者

視覚障害者:身体障害者手帳1級2級の視覚障碍者
聴覚障害者:身体障害者手帳2級の聴覚障害者
言語機能障害者:身体障害者手帳3級の言語機能障害者

上記いずれかに該当する利用者が、全体利用者の30%以上となる必要がある。

なお、重度の視覚、聴覚、言語機能障害、または知的障害を2以上有する利用者については、1人で2人として算定する。

※2 専門の支援員

視覚障害対応:点字指導、点訳、歩行支援が可能な者
聴覚障害、言語機能障害対応:手話通訳が可能な者

上記の対応可能な支援員が、事業所として本来配置が必要な人員基準に加えて、常勤換算法で利用者50人に対して1人以上配置する必要がある。
>>事業所本来配置が必要な人員基準はこちら

⑨看護職員配置加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の看護職員配置加算は、最低限必要な人員基準に加えて、次の2つの条件を満たす看護職員の配置を行う場合に、1日70単位の加算を算定することができる。

常勤換算法で1人以上
利用者20人に対して常勤換算法で1人以上

この場合、Ⅳを除く医療連携体制加算は算定できない点を理解しておこう。
>>医療連携体制加算はこちら

⑩夜間支援等体制加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の夜間支援等体制加算は、22時から翌朝5時を含む夜間帯を通じて、夜間支援従業員を配置する場合に算定することができる加算制度だ。

3種類の夜間支援等体制加算を一覧表にまとめる。

共通留意点

・利用者数は現に入居している利用者の数ではなく、前年度平均で算定する(新規指定の場合は便宜上、利用定員の90%
・利用者数「21~30」は同一の共同生活住居に入居している場合に限る

加算種別

(Ⅰ)

(Ⅱ)

(Ⅲ)

勤務体系

夜勤

宿直

連絡体制

利用者数

単位

672

112

10

448

336

269

90

224

75

192

64

8~10

149

50

11~13

112

37

14~16

90

30

17~20

75

25

21~30

54

18

 

以下、3種類それぞれについて具体的な解説を行う。

夜間支援等体制加算(Ⅰ)

夜間支援等体制加算(Ⅰ)で想定している働き方は、勤務時間を通じて仮眠をとらず、常時勤務状態にある、いわゆる「夜勤」だ。

共同生活住居ごとに夜間支援従業員を配置する必要があるが、概ね10分以内の距離なら複数の共同生活住居を担当することも可能だ。
>>共同生活住居の考え方はこちら

担当できる利用者の限度数は以下の通り定められている

複数の共同生活住居の場合:5カ所20人
1カ所の共同生活住居の場合:30人

夜間支援等体制加算(Ⅱ)

夜間支援等体制加算(Ⅰ)で想定している働き方は、勤務時間を通じて仮眠や休憩を断続的に取りつつ、事あれば勤務を行う、いわゆる「宿直」だ。

夜間支援等体制加算(Ⅲ)

夜間支援等体制加算(Ⅲ)は、夜勤も宿直も行わず、利用者の呼び出しにいつでも応対できる体制を作っている場合に算定することができる。

⑪重度障害者支援加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の重度障害者支援加算は、障害支援区分6の「重症心身障害者等重度障害者包括支援」の対象者が1名以上利用し、次の全ての人員基準を満たす場合に算定することができる加算制度だ。

1日あたり360単位を算定することができる。

・重度障害者のために人員基準を超えて生活支援員を配置
・サービス管理責任者または生活支援員が、特別の研修を修了
・事業所に配置される生活支援員の20%以上が、特別の研修を修了

⑫日中支援加算

本来、夜間帯の家事支援、介護を提供する共同生活援助(障害者グループホーム)において、日中の支援を行った場合に算定することができるのが、日中支援加算だ。

日中支援加算は下表に基づき算定する。

種類

対象

対象人数

障害区分等

単位

(Ⅰ)

日中の外部活動が困難な入居者

1人

65歳以上
または区分4以上

539

2人~

270

(Ⅱ)

日中の外部活動を行っている入居者が外部活動できないとき日中支援を行った場合3日名から算定

1人

区分4~6

539

区分3以下

270

2人~

区分4~6

270

区分3以下

135

⑬自立生活支援加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の自立生活支援加算は、居宅での単身生活が可能と見込まれる入居者に対して、退去後の居住の場の確保、在宅サービスの連絡調整を行った場合に算定することができる。

・退去前:2回
・退去後:1回
(各回500単位)

⑭(長期)入院時支援特別加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の入院時支援特別加算は、入院中の利用者に対して、被服の準備や相談を支援などの日常支援を行うとともに、退院後の円滑な生活移行のために、医療機関との連絡調整を行う場合に算定することができる加算制度だ。

種別

入院期間

算定限度

単位

通常型

3~6日

月1回

561

7日~

1122

長期型

3日~

3カ月内

122

⑮(長期)帰宅時支援加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の帰宅時支援加算は、利用者の帰省にともなう家族との連絡調整や交通手段の確保などの支援を行った場合に算定することができる加算制度だ。

種別

入院期間

算定限度

単位

通常型

3~6日

月1回

187

7日~

374

長期型

3日~

3カ月内

40

⑯地域生活移行個別支援特別加算(精神・強度障害)

一定の生活環境から共同生活援助(障害者グループホーム)を利用するために、相談支援を行った場合に、次の3種類の地域移行加算を算定することができる。

種類

内容

支援

単位(日)

地域生活移行個別支援特別加算

通院治療者、刑務所出所者

社会福祉士、精神保健衛生士、公認心理帥が支援

670

精神障害者地域移行特別加算

精神科病院に1年以上入院していた精神障害者

300

強度行動障害者地域移行特別加算

障害者支援施設に1年以上入所していた強度行動障害者

強度行動障害支援者養成研修修了者が支援(職員比率20%以上)

300

⑰医療連携体制加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の医療連携体制加算は、外部の医療機関から看護師の派遣を受ける場合や、喀痰吸引の指導を受ける場合などに算定することができる加算だ。

加算種

単位(日)

要件

(Ⅰ)

500

看護師が利用者1人に対して看護

(Ⅱ)

(利用者1人あたり)
250

看護師が利用者2~8人に対して看護

(Ⅲ)

(看護師1人あたり)
500

看護師が従業員に喀痰吸引指導

(Ⅳ)

100

研修を受けた従業員が喀痰吸引

(Ⅴ)

39

日常的な健康管理、医療ニーズへ対応体制

⑱通勤者生活支援加算

共同生活援助(障害者グループホーム)の通勤者生活支援加算は、就労(就労継続A型B型の利用を除く)している利用者が50%以上の事業所で、職場での対人関係の調整や金銭管理について指導することにより、就労を定着させるための取組を行っている場合に加算することが出来る制度だ。

1日あたり、18単位を算定することができる。

⑲このコラムのまとめ

以上が共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス費と加算減算の概要だ。基本報酬と加算制度、減算制度を理解せずに共同生活援助の開業計画を進めると、事後大きな問題を生じることになるため、十分な研究理解をした上で一歩ずつステップを進めよう。

共同生活援助(障害者グループホーム)の基本サービス費と加算減算についてのご相談には、是非当社の無料開業相談のご利用をお勧めする。

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①設立前に知っておきたい共同生活援助の基礎知識
②共同生活援助の設立開業に必要な施設・人員基準
③サービス管理責任者の要件について
④通所型事業における物件調査(建築・消防)
⑤共同生活援助の基本サービス費・加算減算
⑥処遇改善加算(介護福祉職員)とは?仕組みをわかりやすく解説
⑦特定処遇改善加算(介護福祉職員)2019年/令和元年10月改正点を解説

【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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