共同生活援助(障害者グループホーム)の設立開業に必要な施設・人員基準

共同生活援助(障害者グループホーム)の施設・人員基準

このコラムを読むと分かること(3分で読めます)

・共同生活援助(障害者グループホーム)の施設基準が理解できる
・開業のために最低限必要な人員基準が理解できる
・同一建物内に複数の共同生活住居を置く場合の規制が理解できる

共同生活援助(障害者グループホーム)の設立・開業を計画するにあたり、最初に理解しておきたいのが施設基準と人員基準だ。このコラムでは共同生活援助の設立・開業を計画中の方に向けて、施設と人員の基準を詳しく解説する。

このコラムの目次

①共同生活援助(障害者グループホーム)の施設基準
②1つの建物には原則、1つの共同生活住居
③共同生活援助の人員基準
④このコラムのまとめ

①共同生活援助(障害者グループホーム)の施設基準

以下の用語の理解が不十分だと、この後の制度の理解が進まないため、慎重に確認して欲しい。

・共同生活援助
・共同生活住居
・ユニット
・居室
・サテライト

施設の用語と階層 内容 定員
共同生活援助
(指定単位)
共同生活住居の集合体に営業許可(指定) 4人以上
  共同生活住居

ユニットの集合体のこと。戸建て住宅やマンションの1室を想定 ワンルームの集合体も可(各共同生活住居は概ね30分以内の移動距離)

2~10人

※既存建物活用型は20人まで
※都道府県知事が認める場合は30人まで

  ユニット 居室、交流場所(食堂・居間)、風呂、トイレ、洗面で構成。ワンルームマンション集合体の場合は、1室を交流場所にすることで可。

2~10人

(1ユニット)

  居室 7.43㎡(4畳半) 廊下・居間への出入口設置、他の居室との明確な区分が必須。
〇ふすまでの区分
×カーテン、パーテション区分
原則1人(夫婦は2人 この場合の広さ規定はなし)
サテライト型
住居
1つの共同生活住居(本住居)に対して、概ね20分以内で設置可能。本住居の定員に応じて設置数が異なる
・本住居4人以下の場合:1カ所
・本住居5人以上の場合:2カ所
 各7.43㎡(4畳半)
1人

○表を読むときは「居室」から上に向かって読むとわかりやすい○

末端の用語から理解しよう(居室とは?)

共同生活援助(障害者グループホーム)の一番小さい単位の施設は「居室」だ。1部屋に1人(7.43㎡)、戸建て住宅における1室をイメージすると分かりやすい。

他人の居室を通らずに(廊下や共用スペースを通って直接)各自の居室へ入退室できる構造が必要となる。

なお、7.43㎡には押し入れやクローゼットなどの収納スペースは含めることができないため、利用者の私物を置くためのスペースを7.43㎡に追加して確保できる広さが必要だ。

ユニットとは?

ユニットとは次の設備の集合体を示している。

・居室(先に説明済み)
・風呂
・トイレ
・洗面所
・台所
・食堂(居間)などの交流スペース

建物構造ごとに、ユニットをイメージすると以下の通りとなる。

建物構造 ユニットの例
戸建住宅 建物そのもの
4LDKマンション その4LDK
ワンルームマンション 住居(例えば201~204号室)と交流場(205号室)

 

共同生活住居とは?

ユニット(先に説明済み)の集合体を共同生活住居と呼ぶ。建物構造ごとに、共同生活住居をイメージすると以下の通りとなる。

建物構造 共同生活住居の例
戸建住宅 ユニット=共同生活住居
4LDKマンション 例えば301号室~303号室(3つのユニット)の集合体
ワンルームマンション ユニットA(201~205号室)、ユニットB(301~305号室)の集合体

指定単位としての共同生活援助

「共同生活援助」と表現する場合、これは指定単位を指している。例えば30分単位で行き来できる複数の共同生活住居を一体的に運営する場合には、1つの共同生活援助事業として、行政庁から営業許可(指定)を受けることで足りるのだ。

各共同生活住居は法の趣旨に基づき・・・

・地域交流を図ることのできる立地であること
・入所施設や病院の施設外であること

などが定められている。

サテライト型住居の設置基準

サテライト型住居は表の通り、本住居の定員に応じて1また2か所の設置が認められている。

しかし、複数の共同生活住居を本住居として、1つの建物内に複数のサテライト型住居を設置することは禁止されているので注意しよう。

②1つの建物には原則、1つの共同生活住居

複数の居室と、必要な生活設備(風呂・トイレ・食堂など)の複合体がユニットである。共同生活援助(障害者グループホーム)の運営はユニットの集合体である共同生活住居の単位で行われることがご理解頂けたと思う。

1つの建物に複数のユニットが存在したとしても、運営単位は1つの共同生活住居となる。また報酬制度も、共同生活住居を1運営単位として捉えている規定が多数存在する。

例えば、「大規模住居等減算」がその1つだ。共同生活住居ごとに定員を判定し、8人以上だと報酬減算が生じる。
>>大規模住居減算の詳細はこちら

そのため事業所としては、なるべく共同生活住居の規模を小さく、細分化したいという考えが働くのだが、都心部の例外を除き、原則として1つの建物には1つの共同住宅住居しか認定されない点を理解しておこう。

③共同生活援助の人員基準

ここでは共同生活援助の設立・開業に必要な最低限の人員基準について解説する。

世話人

世話人は主に家事や日常相談を担当する。世話人は常勤換算法で利用者数を6で割った数以上、配置しなければならない。

生活支援員

生活支援員は主に食事、入浴、排泄などの介助を担当する。生活支援員は、前年度の利用者の障害区分ごとに配置する必要がある。

障害支援区分 常勤換算法
利用者数を9で割る
利用者数を6で割る
利用者数を4で割る
利用者数を2.5で割る

例えば次のような計算

例)区分6が2人、区分5が4人、区分4が6人とし、事業所の週あたり所定労働時間を40時間とする

《計算方法》
区分6)2÷2.5=0.8人
区分5)4÷4=1.0人
区分4)6÷6=1.0人
合計)2.8人
2.8人 × 40時間 = 112時間
【結論】1週あたり、112時間分の人員を確保する必要がある。

サービス管理責任者

障害福祉事業の中で唯一、サービス管理責任者の常勤性が求められないのが共同生活援助(障害者グループホーム)の特徴だ。サービス管理責任者は次の基準で配置すれば足りる。(非常勤可

・利用者数が30人以下:1人
・利用者数が31人以上:超過30人ごとに+1人

管理者

共同生活援助の管理者は常勤の必要がある。しかし他職務兼務が認められているので、一般的には世話人や生活支援員と兼務している例が多いだろう。

管理者は従業員と入居利用状況について、一元的に統括する必要がある。

④このコラムのまとめ

以上が共同生活援助(障害者グループホーム)の設立・開業にあたり必要となる施設・人員基準だ。

共同生活援助の設立・開業時には、2施設目、3施設目を視野に入れた計画立案が必要となる。そのためにも施設・人員基準の十分な理解が欠かせない。

共同生活援助(障害者グループホーム)の開業計画を立案中の方には、是非当事務所の無料開業相談を利用されることをお勧めする。

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共同生活援助(障害者グループホーム)の設立・開業をお考えの方へ

①設立前に知っておきたい共同生活援助の基礎知識
②共同生活援助の設立開業に必要な施設・人員基準
③サービス管理責任者の要件について
④通所型事業における物件調査(建築・消防)
⑤共同生活援助の基本サービス費・加算減算
⑥処遇改善加算(介護福祉職員)とは?仕組みをわかりやすく解説
⑦特定処遇改善加算(介護福祉職員)2019年/令和元年10月改正点を解説