児童発達支援、放課後デイサービスの基本報酬|児童支援等配置加算を算定する時の資格要件

訪問看護の介護保険報酬① 基本報酬を中心に 
井ノ上剛(社労士・行政書士)

児童発達支援、放課後デイサービスの開業を計画中の場合、事業所の収入がどのくらいの金額になるのか気になることでしょう。児童発達支援、放課後デイサービスの設立・開業には報酬制度の理解が欠かせません。このコラムでは福祉事業開業の専門家が、児童発達支援、放課後デイサービスの基本報酬算定の仕組みについて解説します。

このコラムの推奨対象者

・児童発達支援の開業にあたり基本報酬が理解できる
・放課後等デイサービスの基本報酬が理解できる
・児童支援員等配置加算の仕組みが理解できる

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した合同法務事務所です。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年10月時点、これまでに設立支援した介護障害福祉事業件数が、累積400社を突破。児童発達支援、放課後等デイサービスの基本報酬、児童支援員等配置加算についても年間、数多くご対応しています。安心してお読み下さい 。

児童発達支援の基本報酬

児童発達支援事業所では、通所1日あたりの報酬が算定されることになっています。なお利用時間の下限は法令では定められていいません。
>>短時間営業に関する開所時間減算はこちら

児童発達支援(センター型を除く)の基本報酬

利用定員 未就学児が7割以上 未就学児が7割未満
10人 885 754
11~20人 613 513
21人~ 486 404

 

医療的ケア児の場合の基本報酬

利用定員 スコア32点以上 スコア16点以上 スコア3点以上
10人以下 2885 1885 1552
11~20人以下 2613 1613 1280
21人以上 2486 1486 1153

主に重症心身障害児型の児童発達支援の基本報酬

利用定員 基本報酬
5人 2098
6人 1757
7人 1511
8人 1326
9人 1184
10人 1069
11人~ 837

 

放課後等デイサービスの基本報酬

次に放課後等デイサービスの基本報酬を確認しましょう。放課後等デイサービスにおいても、児童発達支援同様、通所1日あたりの報酬が算定されることになっていません。なお利用時間の下限は法令では定められていません。
>>短時間営業に関する開所時間減算はこちら

放課後等デイサービスの基本報酬

  医療的ケア児に対する判定スコア(3時間以上の場合)
  32点以上 16点以上 3点以上 3点未満
定員10人以下 2604 1604 1271 604
11人以上20人以下 2402 1402 1069 402
21人以上 2302 1302 969 302
  医療的ケア児に対する判定スコア(3時間未満の場合)
  32点以上 16点以上 3点以上 3点未満
定員10人以下 2591 1591 1258 591
11人以上20人以下 2393 1393 1060 393
21人以上 2295 1295 962 295

放課後等デイサービスの基本報酬(休業日版)

学校の休業日に放課後等デイサービスを利用する場合の報酬は下表の通りとなります。

  医療的ケア児に対する判定スコア
  32点以上 16点以上 3点以上 3点未満
定員10人以下 2721 1721 1388 721
11人以上20人以下 2480 1480 1147 480
21人以上 2372 1372 1039 372

ここではサービス提供時間3時間未満という場合の報酬は定められていない点に注意しましょう。

重症心身障害児型放課後等デイサービスの基本報酬

主に重症心身障害児が通所する放課後等デイサービスの基本報酬は下表の通りとなります。

利用定員 基本報酬 休業日
5人 1756 2038
6人 1467 1706
7人 1263 1466
8人 1108 1288
9人 989 1150
10人 893 1039
11人以上 686 810

児童指導員等配置加算

児童指導員等配置加算とは?

児童発達支援、放課後等デイサービス共に、支援員(従業者)のうちの1人以上が次のいずれかに該当する場合、質の高いサ^ビス提供がができる事業所であるとして、児童指導員等配置加算を算定することができます。

※これとは別に、「児童指導員等加配加算」があります。「配置」と「加配」の違いに注意しましょう。

児童指導員等配置加算を算定するための資格等

児童指導員等配置加算を算定するための資格は次の通りです。

児童支援員等配置加算の算定資格

1.児童指導員
2.保育士
3.強度行動障害支援者養成研修修了者
4.重度訪問介護従業者養成研修行動障害支援過程修了者
5.行動援護従業者養成研修修了者

児童支援等配置加算の単位

利用定員 児童発達支援 放課後等デイサービス
10人以下 12単位 9(12)単位
10~20人 8単位 6(8)単位
21人~ 6単位 4(6)単位

単位数は1日当たり。また( )内は学校の休業日にサービス提供する場合。

このコラムのまとめ

以上が児童発達支援および放課後等デイサービスの基本報酬と児童指導員等配置加算の概要です。

児童発達支援、放課後等デイサービスの基本報酬を高めるためには次の取組が必要となることを理解いただけたかと思います。

1.障害度(支援度)の高い児童を受け入れる
2.学校の休業日にもサービス提供を行う
3.一定の資格をもつ支援員を配置する

まずはこれらの条件を理解した上で、基本報酬を算定し事業計画を立案しましょう。事業計画の策定には、福祉事業開業の専門家であるタスクマン合同法務事務所の無料相談を受けられることをお勧めします。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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 (電話)0120-60-60-60 
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