児童発達支援、放課後等デイサービス開業・設立前に知りたい運営上の注意点

児童発達支援、放課後等デイサービスの運営規定、重要事項説明書

このコラムを3分読めば理解できること

・児童発達支援、放課後等デイサービス開業に際して必要な事前対策が理解できる
・児童発達支援、放課後等デイサービスの運営規定、重要事項説明書が理解できる
・児童発達支援、放課後等デイサービスの禁止事項が理解できる

児童発達支援、放課後等デイサービスの開業にあたり理解しておきたい運営規定と重要事項説明書。これらの正確な理解は、児童発達支援、放課後等デイサービスの事業成功の第一歩だ。このコラムでは福祉事業開業の専門家が、児童発達支援、放課後等デイサービス開業前に理解しておきたい運営上の注意点について詳しく解説する。

このコラムの目次

①保護者に求めることのできる金銭
②児童発達支援、放課後等デイサービスの運営規定
③サービス提供拒否の禁止、懲戒権濫用の禁止、利益供与の禁止
④児童発達支援、放課後等デイサービス受給者証を持たない場合の援助
⑤児童発達支援、放課後等デイサービスの重要事項説明書と契約書
⑥このコラムのまとめ

①通所給付決定保護者に求めることのできる金銭

児童発達支援、放課後等デイサービスの運営規定作成にも影響する内容であるため、最初に通所給付決定保護者(以下保護者)に求めることのできる金銭について確認しよう。

利用者負担額

児童発達支援、放課後等デイサービスでは、原則として利用料金の9割を利用者が居住する自治体が負担し、残り1割を利用者が負担する。
>>事業者が利用者の限度額上限の管理を代行する場合の加算はこちら

利用者負担は法令で義務付けられているため、理由なしに事業所側が肩代わりすることは不当な利益供与として罰せられる点に注意しよう。

食費

児童発達支援、放課後等デイサービスで、食事提供部分が公費で賄われるのは、児童発達支援センターのみである。(つまり通常の児童発達支援事業所には食事提供加算がない)

児童発達支援センターで食事提供を行う場合のみ、食材費・調理費について保護者に対して費用を請求することができる。

日用品費

本来、事業所側が負担すべき費用と明確に区別するため、保護者に請求するときは使途、必要な理由、金額を文書で作成し、保護者の同意を得なければならない。

次の基準を確認しよう。

1.曖昧な名目は認められない(お世話料、管理協力費、共益費、施設費)
2.事業所の利益を上乗せすることは認められない(実費相当額で請求する)
3.テレビ、DVD等の画一的サービス費を徴収することは認められない

具体的には保護者の希望による身の回り品(歯ブラシ、スキンケア)、施設行事に必要な材料費などが想定されている。

②児童発達支援、放課後等デイサービスの運営規定

児童発達支援、放課後等デイサービス事業所運営上の憲法とも言うべき運営規定。ここでは運営規定に記載すべき事項とそれぞれの注意点について確認していこう。

1.事業の目的、運営の方針

2.従業者の職種、人数、職務内容

3.営業日、営業時間

4.利用定員

指定を得る際の利用定員の概念とは異なり、同時にサービス提供を受ける障害児の上限

5.通所決定保護者から受領する費用

詳細は①通所給付決定保護者に求めることのできる金銭を参照

6.事業の実施地域

利用申し込みに関する目安であり、この実施地域の範囲を超えてサービス提供しても良い

7.サービス利用に当たっての留意事項

8.緊急時等の対応

記載事項ではないが、児童発達支援、放課後等デイサービスでは、近距離の協力医療機関との提携が必要である。自治体によっては車で〇分以内の協力医療機関、などの制限があるため予め確認が必要である。

9.非常災害対策

10.主たる障害を定める場合の種類

児童発達支援、放課後等デイサービスは原則的には障害種別を問わず、通所受け入れを行う必要があるが、特に専門性確保の目的で主たる対象障害を定めることができる。主たる対象障害を定めた場合、この障害種別の児童からの申し出があった場合、理由なく断ることはできない。

11.虐待防止のための措置

③サービス提供拒否の禁止、懲戒権濫用の禁止、利益供与の禁止

次に児童発達支援、放課後等デイサービスにおける3つの禁止事項について確認しよう。

サービス提供拒否の禁止

児童発達支援、放課後等デイサービスでは、正当な理由がない限り、利用申し込みやサービス提供を拒むことはできない。ここでいう正答な理由とは次の4種である。

1.利用定員を超える申し込みがあった場合
2.入院治療の必要がある場合
3.事業所が提供する主たる障害種別が異なる場合
4.当該障害児を受け入れることで他の障害児に適切なサービス提供が困難な場合

これらの点に該当するかどうかを慎重に検討して、通所サービスの提供を判断しよう。

懲戒権濫用(らんよう)の禁止

児童発達支援、放課後等デイサービスが障害児の療育を目的としたものである以上、指導上の必要性から指導員が児童に懲戒を行わざるを得ない場面も発生するだろう。

しかしながら法では、心身共に健やかに育成する趣旨から外れた行為を懲戒権の濫用(らんよう)として禁止している。具体的には次のような行為である。

1.暴行
2.合理的な範囲を超えて一定の姿勢をとらせる
3.食事を与えない
4.必要な睡眠時間、休憩時間を与えない
5.施設を退所させると脅かす
6.性的な嫌がらせをする
7.無視する

一方で、危険行為の制止など窮迫した場面で、当該児童に強制力を加えることは、懲戒権の濫用に当たらない点も理解しておこう。

利益供与の禁止

適切な児童発達支援、放課後等デイサービスの提供のために、関連する福祉関連事業者との間で、障害児(保護者)を紹介し合うことでの金品のやり取りは、相互に禁じられている。

金品を贈っても貰っても法令違反となるので注意しよう。

④児童発達支援、放課後等デイサービス受給者証を持たない場合の援助

児童発達支援、放課後等デイサービスの利用のためには、障害児の保護者が、居住する自治体に対して、通所給付の申請を行い、受給者証の交付を受けなければならない。

通所給付決定(受給者証)を受けていない保護者から、児童発達支援、放課後等デイサービスの利用申し込みがあった場合、事業所側は申請のための援助を行う義務が定められている。

受給者証の有効期間が終了する場合の、更新の手続きについても同様に、事業所側には援助を行う義務がある旨が定められている。

⑤児童発達支援、放課後等デイサービスの重要事項説明書と契約書

重要事項説明書

児童発達支援、放課後等デイサービスの利用申し込みがあった時は、事業所は保護者に対して、運営規定のダイジェスト版、従業者の勤務体制などの書類を、重要事項説明書として分かりやすくまとめて、交付しなければならない。

契約書

実際に利用の契約が成立した際には、さらに最低限次の5項目を記載した書面を契約書として交付する必要がある。

1.経営法人の名称と本店所在地
2.児童発達支援、放課後等デイサービスの具体的内容
3.通所給付決定保護者が支払う金額
4.サービス提供年月日
5.苦情窓口

以上が児童発達支援、放課後等デイサービスの重要事項説明書と契約書の概要である。開業前に慎重に検討して作成しておこう。

⑥このコラムのまとめ

児童発達支援、放課後等デイサービスの開業に際して、事前に取り組んでおかなければならない項目を列挙して開設した。

児童発達支援、放課後等デイサービスは公費により運営される事業であるため、実際の運営には相当程度行政庁の監視が入る。実地指導において不備を指摘されないよう、正しい制度理解が必要である。

児童発達支援、放課後等デイサービスの制度理解、実地指導に不安の場ある場合は、是非福祉事業開業の専門家であるタスクマン合同法務事務所にご相談を。

 

児童発達支援・放課後等デイサービスの電話相談

児童発達支援・放課後等デイサービス開業・設立 基礎知識

①児童発達支援・放課後等デイサービス開業・設立前に知りたい基礎の基礎
②サービス管理責任者(サビ管)・児童発達支援管理責任者(児発管)とは?
③児童発達支援・放課後等デイサービス開業・設立に必要な人員基準・要件
④児童発達支援・放課後等デイサービスの開業・設立に必要な設備・事業所要件
⑤施設通所型の介護・障害福祉事業を設立・開業する際に確認すべき建物の要件
⑥児童発達支援・放課後等デイサービス開業・設立前に知りたい運営上の注意点
⑦児童発達支援・放課後デイサービスの基本報酬と児童支援等配置加算
⑧児童発達支援・放課後等デイサービスの報酬減算の仕組みを理解しよう
⑨児童発達支援・放課後デイサービスの報酬加算をどこよりも分かりやすく
⑩処遇改善加算(介護福祉職員)とは?仕組みをわかりやすく解説
⑪特定処遇改善加算(介護福祉職員)2019年/令和元年10月改正点を解説