児童発達支援、放課後等デイサービスを設立・開業する前に知っておきたい業界の基礎知識を分かりやすく解説

児童発達支援・放課後等デイサービス開業の基礎
井ノ上剛(社労士・行政書士)

児童発達支援、放課後等デイサービス開業計画中の方向けの基礎知識開設コラムです。障害のある未就学児に対する療育(発達支援)を行う児童発達支援と、小学生から高校生までを対象とした放課後等デイサービス。児童発達支援、放課後等デイサービスの基礎知識を、業界専門の社労士、行政書士が詳しく解説します。

このコラムの推奨対象者

・児童発達支援事業の開業前に整理すべき事項を理解したい方
・放課後等デイサービスの開業前に整理すべき事項 を理解したい方
・児童発達支援事業、放課後等デイサービスに関連する基礎用語 を理解したい方

コラムの信頼性

タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した合同法務事務所です。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年9月時点、これまでに設立支援した介護障害福祉事業件数が、累積400社を突破。児童発達支援、放課後等デイサービスの開業相談にも年間、数多くご対応しています。安心してお読み下さい。

児童発達支援とは主に未就学の障害児向けの通所型療育

児童発達支援事業とは、児童福祉法に基づく指定(許可)を受けた事業者が、未就学障害児(小学校入学前)に対して必要な支援(療育、発達支援)を、通所型で行う福祉サービスです。

療育の必要性があると認められた未就学障害児に対して、基本動作指導、知識技能教育、集団生活への適応訓練などを通所によって療育を行うことが狙いです。

事業所ごとに音楽、運動、知育など様々な特色を生かし、療育を行っています。

児童発達支援"センター"は相談機能、保育所訪問支援を併せ持つ

児童発達支援センターは、①で説明した児童発達支援事業所の機能に加えて、次の機能を併せ持ちます。

・障害児に関する相談支援
・保育所等への訪問指導

児童発達支援センターは、地域の障害児発達支援の中核的な位置づけを担っています。。

営業開始に当たっての指定基準(人員配置、設備基準)は通常の児童発達支援事業所に比べて高めに(厳しく)設定されています。

放課後デイサービスとは小学生から高校生の障害児向けの通所サービス

一方の放課後等デイサービスは、小学生から高校生を対象とした、放課後や学校の休みの日に通所して支援するための福祉サービスです。

具体的には生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進などの支援を行います。

事業所ごとに音楽、運動、言語教育、知育など様々な特色を生かし、療育を行っています。

重症心身障害児とは重度の身体障害と知的障害の重複児

児童発達支援、放課後等デイサービスの開業を計画中の場合、重症心身障害児に対するサービス提供をどのように考えるか、開業前に検討しておく必要があります。

重症心身障害児とは、重度の身体障害と知的障害を併発している児童を指します。児童発達支援、放課後等デイサービスで、重症心身障害児の通所をメインとする場合、一般の事業所よりも障害児の利用定員を少なく(具体的には半分)し、かつ、支援員としての資格者を多めに配置しなければならないという決まりがあります。

つまり、より手厚い支援が求められているというわけです。その分、重症心身障害児の通所がメインとなる場合は、福祉報酬は高く設定されています。
>>重症心身型事業所の基本報酬の差はこちらを参照

通所受給者証とは福祉サービスの利用範囲を定めた証明書

児童発達支援事業所(未就学児童)、または放課後等デイサービス(就学児)のどちらにせよ、これらの障害児通所サービスを利用するためには、事前に市町村に申請し、通所給付決定を受けなければなりません。

この通所給付決定を受けて、通所受給者証が発行されます。通所受給者証には通所支援の金額(支給量)と有効期間が示されています。

従って児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所はサービス提供の前提として、必ず通所受給者証を確認しなければならないという義務が課せられています。
>>事業所側が利用者の負担上限を管理する事で加算を得る事もできる

通所給付決定保護者とは福祉サービスを利用できる障害児の保護者

児童発達支援、放課後等デイサービスに代表される 障害児通所サービスの利用主体は、当然に障害児本人であです。しかし実際の行政窓口での申請手続きや事業所との利用契約手続きは、障害児の保護者が行うことになります。

児童発達支援、放課後等デイサービスの通所給付決定を受けた障害児の保護者のことを、制度上「通所給付決定保護者」と表現することを理解しておきましょう。

まとめ

このコラムでは、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス事業所の開業を計画中の方に向けて、制度の概要と基本的な用語の解説を行いました。

児童発達支援、放課後等デイサービスの開業には、この他にも法定人員の配置、事業所設備の整備が必要となります。

これらの正確な制度理解のためにも、開業の際には、介護福祉専門の社労士・行政書士であるタスクマン合同法務事務所の開業サポートを受けられることを強くお勧めします。

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【この記事の執筆・監修者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
【記事内容自体に関するご質問には応対できかねますので、ご了承お願い致します。】

◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
奈良県橿原市議会議員
◆介護職員実務者研修修了
タスクマン合同法務事務所 代表
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 (電話)0120-60-60-60 
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