就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援、設立・開業に必要な人員基準と事業所建物の設備基準
就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の設立・開業に必要な人員基準、事業所建物の設備基準について分かりやすく解説します。就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の立ち上げ開業を計画中の方々が対象です。障害者就労支援事業の専門社労士・行政書士が詳しく解説します。
このコラムの推奨対象者
・就労支援事業の人員基準を理解したい方
・それぞれの支援員の役割 を理解したい方
・就労支援事業開業にあたり事業所基準 を理解したい方
コラムの信頼性
タスクマン合同法務事務所は、介護障害福祉事業の設立と運営支援に専門特化した合同法務事務所です。このコラムのリライト(更新)時である、令和3年9月時点、これまでに設立支援した介護障害福祉事業件数が、累積400社を突破。就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の人員基準、事業所建物の設備基準についても年間、数多くご対応しています。安心してお読み下さい。
- 1. 人員基準
- 1.1. 職業指導員と生活支援員(移行、A型、B型)
- 1.1.1. 職業指導員の役割
- 1.1.2. 生活支援員の役割
- 1.1.3. 職業指導員と生活支援員の人員基準(必要人数)
- 1.2. 就労支援員(移行)
- 1.2.1. 就労支援員の役割
- 1.2.2. 就労支援員の人員基準(必要人数)
- 1.3. 利用者、従業者以外の作業員の雇用(A型)
- 1.4. サービス管理責任者(移行、A型、B型、定着)
- 1.5. 管理者(移行、A型、B型、定着)
- 1.6. 就労定着支援員(定着)
- 2. 事業所建物の設備基準
- 2.1.1. 訓練・作業室
- 2.1.2. 相談室
- 2.1.3. 洗面所・トイレ
- 2.1.4. 多目的室
- 2.1.5. 就労定着支援の事業所には特段の基準がない
- 2.1.6. 事業所探しをする前に・・・
- 3. このコラムのまとめ
人員基準
冒頭で、就労移行支援、就労継続支援A型B型の人員基準について確認していきましょう。
職業指導員と生活支援員(移行、A型、B型)
職業指導員の役割
職業指導員は就労移行支援、就労継続支援A型B型に共通して必要となる従業者です。具体的な業務として、利用者の職業技能の向上のための指導を担います。
職業指導員になるために特段の資格は不要です
生活支援員の役割
生活支援員も就労移行支援、就労継続支援A型B型に共通して必要となる従業者です。具体的な業務として生活介助を含めた、利用者の日常生活のサポートを担います。
生活支援員になるために特段の資格は不要です。
職業指導員と生活支援員の人員基準(必要人数)
職業指導員と生活支援員については、以下の3条件を同時に満たす数以上の配置が必要となります。
職業指導員と生活支援の配置数
①それぞれ1人以上
②1人以上は常勤
③就労移行支援の場合:利用者6名に対して常勤換算1人以上(2職種合わせて)
継続A型B型の場合:利用者10名に対して常勤換算1人以上 (2職種合わせて)
なお、ここでいう「利用者」は次の考え方を取る点に注意しましょう。
「利用者」の考え方
新規に指定を受ける場合:定員の9割を利用者とみなして計算する
その他の場合:前年度の平均値
就労支援員(移行)
就労支援員の役割
就労支援員は就労移行支援にのみ配置が必要となる従業者です。具体的な業務としては、利用者の一般就職についてのサポートを担います。
就労支援員になるために特段の資格は不要ですが、実務経験者を配置するよう推奨されています。
就労支援員の人員基準(必要人数)
就労支援員については、利用者15名に1人以上配置が必要です。
利用者、従業者以外の作業員の雇用(A型)
就労継続支援A型では、利用者(障害者)、従業者(支援員等)以外に、純粋な作業員を雇い入れる場合、次の人数制限が適用されます。
定員 | 作業員の数 |
10~20人 | 定員×50% |
21~30人 | 10または定員×40%の多い方 |
31人~ | 12または定員×30%の多い方 |
サービス管理責任者(移行、A型、B型、定着)
就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援ではそれぞれ利用者60人に対して1人、それを超える場合は利用者40人ごとに1人のサービス管理責任者の配置が必要です。
最低1名は常勤配置が必要となります。
なお、就労定着支援については、一体運営している他の就労支援事業の利用者に応じた配置が必要となります。
管理者(移行、A型、B型、定着)
管理者は就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援全ての事業で1名配置が必要です。
具体的には事業所の従業者と運営を一元的に統括する責任を担います。管理者となるために特段の資格は不要ですが、一定の実務経験を求める自治体もあるため事前に確認しましょう。
就労定着支援員(定着)
就労定着支援員は文字通り、就労定着支援事業に特有の従業者です。利用者40名に対して1名の配置が必要となります。就労定着支援員となるために特段の資格は不要ですが、実務経験者を配置するよう推奨されています。
また一体的に運営する他の就労支援事業の従業者が、就労定着支援員を兼務する場合、対面支援を行った場合に限り基本報酬を算定することができます。
事業所建物の設備基準
ここからは就労移行支援、就労継続支援A型B型の事業所(設備)基準について確認していきましょう。
訓練・作業室
訓練・作業室は就労移行支援、A型B型の利用者が職業訓練または作業を行う場所です。法令では「支障がない広さ」としていますが、多くの自治体では「利用定員1名あたり3㎡」と定めています。
3つの通所型就労支援事業の最低定員から計算すると、訓練・作業室の最低必要面積は以下の通りとなります。
・就労移行支援 最低定員20名×3㎡=60㎡以上
・就労継続A型 最低定員10名×3㎡=30㎡以上
・就労継続B型 最低定員20名×3㎡=60㎡ 以上
なお訓練・作業室以外に、下記の設備(スペース)を設ける必要があるため、実際に事業所不動産を選ぶ際は、留意しましょう。
相談室
相談室は、室内で利用者または家族との会話の機密性が守られる形式をとる必要があります。壁・ドアで完全密閉することが望ましいですが、簡易間仕切り(パーテション)で区切った場合も認められます。
広さの基準はないため、常識的に考えて2名~4名程度が着座できる広さがあればOKです。
洗面所・トイレ
洗面所・トイレも必須の設備です。支援員と利用者が同じ洗面所・トイレを使用する場合、利用者の特性に応じた作りにする必要があります。
利用者特性を考えて、支援員と同じ設備を利用することで足りる場合は、特段のリフォームを行う必要はないでしょう。
多目的室
利用者が食事、休憩、団らんをするスペースが多目的室です。先に説明した相談室で多目的室を兼ねることができる場合、多目的室を単独で儲ける必要はありません。
就労定着支援の事業所には特段の基準がない
就労移行支援、就労継続支援A型B型と異なり、就労定着支援には利用者の通所がないため、事業所の設備要件には特段の定めがありません。
就労定着支援事業所は、移行支援、A型B型との兼業が想定されているため、必要な設備を共用することが認められています。
事業所探しをする前に・・・
就労移行支援、就労継続支援A型B型については、以上の基準で事業所探しをするわけですが、その前に事業所建物の都市計画法、建築基準法、消防法の要件についてチェックする必要があります。
以下のコラムを参照に、十分な下調べを行いましょう。
このコラムのまとめ
以上が就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援、設立・開業に必要な人員基準、事業所基準です。
人員基準の理解なしに、就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の設立・開業計画を進めることはできません。
就労支援事業の人員基準でお困りの場合には、是非当事務所の無料開業相談を利用されることをお勧めします。
☑就労支援事業の設立・開業前に読んでおきたい記事
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【この記事の執筆・監修者】
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ご了承お願い致します。
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士・行政書士
◆奈良県橿原市議会議員
◆介護福祉士実務者研修修了
◆タスクマン合同法務事務所 代表
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(電話)0120-60-60-60
06-7739-2538
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