このコラムを3分読めば理解できること

・移行支援、A型B型、定着支援の支援内容の共通点と相違点が理解できる
・施設外支援と施設外就労の違いが理解できる
・一般就職後の支援内容の違いが理解できる
・移行支援、A型B型、定着支援の運営規定が理解できる

就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の設立・開業を計画中の方向けの解説コラム。このコラムでは就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の実習先、求職支援、定着支援、運営規定の作成について障害福祉事業の設立支援専門家が詳しく解説する。

このコラムの目次

①実習の受け入れ先の開拓(移行、AB)
②施設外支援と施設外就労の違い
③求職者の支援(移行、A)
④就職先に対する定着支援
⑤就職状況の報告(移行)
⑥違反者について市町村への通知義務
⑦就労支援事業の運営規定
⑧協力医療機関の提携
⑨書面の掲示義務
⑩このコラムのまとめ

①実習の受け入れ先の開拓(移行、AB)

就労移行支援、就労継続支援A型B型事業では、利用者たる障害者の実習受け入れ先を開拓しなければならない。

原則的には外部企業実習に支援員が同行しなければならないが、同行しない場合には利用者本人と実習先企業の聞き取りに基づく日報を作成することでも足りる。

外部企業での実習は当然に、利用者に対する支援計画に規定されていなければならない点に注意しよう。

②施設外支援と施設外就労の違い

ここで注意したいのが施設外支援と施設外就労の違いだ。

共に利用者たる障害者が支援事業所の外部で活動することには違いないが、施設外支援と施設外就労には下表の相違点がある。

  施設外就労 施設外支援
対象事業 移行、A型、B型 移行、A型、B型
支援職員
報酬算定と利用定員の変化 施設外に出た利用者数と同数まで、本体施設を増員することで報酬が増す。 ただし本体施設の増員は定員の70%増まで。 報酬、利用定員ともに変化なし  
加算 100単位
>>施設外就労加算はこちら
なし
期間 制限なし 年180日まで(特例あり)

支援員の同行を義務付ける施設外就労を活用すれば、例えば次の人数を限度に支援することも可能だ。

例)利用定員20名の場合
施設外就労 14名(定員の70%)
施設内作業 20名
合計 34名

なお、施設外就労に関する加算はサービス種別ごとに呼称が異なる点も理解しておこう。

就労移行支援:移行準備支援体制加算
就労継続A型B型:施設外就労加算
>>それぞれの詳細はこちら

③求職者の支援(移行、A)

就労移行支援および就労継続支援A型の事業者は、利用者の一般企業等就職のために、次の支援を行う必要がある。

・ハローワークでの求職登録
・合同就職説明会への参加
・企業面接への参加

雇用契約に基づく就労が困難なB型利用者を除き、就労移行支援、就労継続支援A型事業者に、求職支援の義務がある点を理解しよう。

④就職先に対する定着支援

一般就職が実現した利用者に対して、就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援、以上4種の事業所は全て、利用者が就職先に定着できるよう支援を行う義務がある。

具体的には職場不適応を防ぐ目的で、事業主、本人、家族はもちろんのこと、関係する障害福祉事業所や医療機関とも連携して、本人の職場定着を図るのが目的だ。

就労定着支援は、本来の目的が障害者の就労定着にあることから他の3事業と趣旨が異なるため、ここでは大きく二つに分けて定着支援のあり方を検討しよう。

1.就労移行支援、就労継続支援A型B型における定着支援

就労移行支援、就労継続支援A型B型事業においては、利用者が就職してから少なくとも6カ月以上の定着支援の義務を負っている。

平成30年9月までは「就労定着支援体制加算」として6カ月以上定着率を加算として報酬算定していたが、同年10月以降はそれらが基本報酬に組み込まれた。
>>就労移行支援、就労継続支援A型B型の基本報酬はこちら

2.就労定着支援

障害者の一般就職後、少なくとも6カ月以上は移行支援、就労継続A型B型事業所が責任をもって定着支援に当たらなければならないことは先に述べた。

就労定着支援は一般就職後6カ月以上経過した利用者を支援する、新設の事業だ。

就労定着支援事業所は1か月に1回以上、利用者との面談および事業所訪問を行い、職場状況の把握に努めなければならない。(障害を開示せず就職している場合があるため、必須ではなく努力義務に留まる)

⑤就職状況の報告(移行)

4つの就労支援事業のうち、就労移行支援事業所だけが指定自治体に対して前年度の就職状況の報告を行う義務を負っている。

就労定着支援事業が創設された平成30年前後から、就労支援系事業の報酬不正請求が相次いだことから、特に就職実績については報告情報が厳格化される流れになっている点を理解しておこう。

⑥違反者について市町村への通知義務

観点を変え、ここでは利用者自らが法の趣旨に違反してサービス利用を行う場合の、事業者としての通報義務について確認しよう。次のケースで、就労支援事業所は市町村に対して通知する義務を負っている。

・利用者が指示に従わないことにより、障害状態を悪化させた場合
・偽り、不正手段でサービスを受けた、または受けようとした場合

これらに加担した場合、事業所も連帯で罰せられる可能性があるため、直ちに通報しよう。

⑦就労支援事業の運営規定

次に4つの就労支援事業の運営規定について確認しよう。

4種の就労支援事業のうち、3つは通所型(就労移行支援、就労継続支援A型、B型)であり、1つは外部支援型(就労定着支援)である。

以下運営規定の記載事項を紹介するが、(移行、A型、B型)とあるのは就労定着支援以外の3業種にのみ適用されることを示している。

1.事業の目的、運営の方針(全種共通)
2.従業者の職種、員数、職務の内容(全種共通)
3.営業日、営業時間(全種共通)
4.利用定員(移行、A型、B型)
5.サービスの内容(全種共通)
6.利用者から受領する費用、種類(全種共通)
7.事業の実施地域(全種共通)
8.サービスの利用に当たっての留意事項(移行、A型、B型)
9.緊急時の対応(移行、A型、B型)
10.非常災害対策(移行、A型、B型)
11.主たる障害種類を定める場合はその種類(全種共通)
12.虐待防止のための措置(全種共通)

⑧協力医療機関の提携

4つの就労支援事業のうち、利用者が通所する就労移行支援、就労継続支援A型、B型の3種については、開業時の指定申請の時点で、協力医療機関を定めておく必要がある。

当然に事業所施設から近距離にあることが望ましいが、具体的な距離は各指定自治体で定められているため、事前に確認した上で医療機関を選定しよう。(診療科については特段の定めはないが、内科が望ましいとされている)

⑨書面の掲示義務

上記⑧と同じく、就労移行支援、就労継続支援A型、B型の3種については、事業所内に次の4情報を掲示すべき義務が定められている。

・運営規定の概要(前述⑦)
・従業員の勤務体制
・協力医療機関の情報(前述⑧)
・重要事項説明書

⑩このコラムのまとめ

以上、就労移行支援、就労継続支援A型B型、就労定着支援の実習先、求職支援、定着支援、運営規定の作成について述べた。

4種の就労支援事業の相違点、共通点を詳しく理解した上で、綿密な事業計画を立てよう。それぞれの事業の関連性や昨今の事業の動向など、お困りの際は当事務所の無料開業相談を利用されることをお勧めする。


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