訪問介護の事務所要件 自宅兼事務所の申請は?整えるべき設備の基準は?

訪問介護の事務所要件 自宅兼事務所の申請は?整えるべき設備の基準は?

このコラムを3分読めば理解できること

・訪問介護開業にあたっての事務所の要件が理解できる
・自宅を訪問介護の事務所として使う場合のポイントが理解できる
・事務所内に備えるべき設備、備品について理解できる

デイサービスやグループホームと異なり、訪問介護事業には事務所の広さ要件はない。しかし多くの訪問介護事業所が他の指定業務と兼業するのが一般的だ。このコラムでは介護保険法に基づいて、訪問介護事業の事務所要件について詳しく解説する。

このコラムの目次

①訪問介護の事務所 広さ要件 兼業の場合は?
②購入する備品、設備の要件は?
③自宅を訪問介護の事務所として使えるか?
④まとめ

①訪問介護の事務所 広さ要件 兼業の場合は?

法令では訪問介護の事務所について、明確な広さの要件は定められておらず、「事業の運営を行うために必要な広さ」があれば良いとされている。

当事務所で訪問介護の指定申請のご依頼を頂く際は、お客様に最低限、常勤換算の人数分(最低3セット)の机と椅子および相談スペースを配置できるスペースを確保していただくようお願いしている。

これらが収まれば、極端な話ワンルームマンションでも訪問介護事業を開業することができる。

一方で、他の指定事業と兼業する場合はどのように区画すればよいのか。例えば居宅介護支援(ケアマネージャー)や、訪問看護との兼業の場合を想定してみよう。

これらの事業との兼業する場合は、それぞれの法令により、「間仕切りで区分せよ」と規定されている。しかし「間仕切りで区分されていなくても、業務に支障が無い場合は、区画を特定することで足りる」ともされている。

要するに、壁やパーテションを設置しなくとも、いわゆる「机の島」で区画を特定することが出来れば兼業も認められるというわけだ。

②購入する備品、設備の要件は?

法令上は、手指洗浄設備(つまり手洗い)が必要例として定められており、その他は「必要な設備・備品」とされている。

具体的に何が必要か、との問題は指定申請先である各自治体のローカルルールによるところが大きいが、最大公約数的に記載すると次の通りとなる。

①手指洗浄設備(ペーパータオル、手洗いアルコール、ハンドソープも)
②トイレ
③相談室(外部から遮断し、相談者のプライバシーを保つ)
④個人情報保管用鍵付キャビネット
⑤人数分の机、椅子
⑥電話器
⑦FAX(複合機)
⑧パソコン

これらを準備した上で、多角度から写真に収め、指定申請書類に添付して提出する必要がある。申請最終期限は指定(開業)日の1ヶ月前で設定している自治体が多いため、開業1カ月前には事務所が完成している必要がある点に注意が必要だ。

③自宅を訪問介護の事務所として使えるか?

次に、自宅を訪問介護事業の事務所として使うことができるかを考えてみよう。建物の登記上、「居宅兼事務所」とされており、設計段階から事務所部分と居宅部分が明確に設計・建築されている場合を除いて、一般住宅(マンション含む)に住みながら、訪問介護の事務所として兼用することは極めて困難である。

なぜなら、先の②「購入する備品、設備の要件は?」で説明した設備の一部を、居住する家族と兼用することになるからだ。

自宅兼事務所で訪問介護事業の指定申請を行う場合、我々専門家が最も気をつけるのは、次のポイントだ。

①事務所部分が1室で明確に区分されているか?カギはあるか?
②家族の生活空間を通らずに、職員が手指洗浄設備、トイレに行くことができるか?
③職員の行動導線上、家族と頻繁に出くわすことがないか?

例えば、夫婦2人住まいで両名とも常勤の訪問介護職員となっている場合、遭遇する家族自体がいないため、自宅兼事務所としての申請は比較的容易となる。
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しかし、小さい子供の出入りが頻繁な家族の場合は、相当の工夫をしなければ、自宅兼事務所での申請は極めて困難となることが予想される。

④まとめ

低コストで訪問介護事業を始めるためには、事務所要件を正しく理解する必要がある。法律上最低限求められる基準を理解し、事業運営が出来るかどうかを事前にチェックしよう。

特に訪問介護事業の場合は、行政庁との正式な事前相談、事前協議という前置きがないため、申請書提出時の一発勝負となる。仮にそのタイミングで審査NGとなった場合、振り出しに戻すのが大変なため、専門家の相談を受けた上で進めることをお勧めしたい。

自宅兼事務所で申請する場合は、専門的知識がないと論点が不明確となる場合があるため、当事務所の無料相談のご利用を強くお勧めする。

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