このコラムを3分読めば理解できること

・訪問介護事業所のサービス提供責任者、管理者の資格要件が理解できる
・専従、兼務、常勤換算などの用語が理解できる
・最低人数による訪問介護事業所の開設方法が理解できる

訪問介護事業所に、必ず配置することが求められるサービス提供責任者と管理者。その資格要件と必要人数とは?このコラムでは訪問介護事業のサービス提供責任者と管理者の人員基準について、介護保険法の専門家が、法律の基準に従って詳しく解説する。

このコラムの目次

①サービス提供責任者の8つの責務
②訪問介護事業のサービス提供責任者に関する人員基準
③サービス提供責任者の専従とは?
④利用者が40人を越えれば常勤換算法を取っても良い
⑤利用者が50人を超えた場合のサービス提供責任者の基準
⑥訪問介護事業所のサービス提供責任者の資格要件
⑦訪問介護事業所の管理者に関する人員基準
⑧このコラムのまとめ

①サービス提供責任者の8つの責務

訪問介護事業所に常勤配置しなければならないサービス提供責任者には、法令で8つの責務が課せられている。

1.訪問介護の利用申込に関する調整を行う
2.利用者の状態変化、サービスに関する意向を定期的に把握する
3.サービス担当者会議への出席により、居宅介護支援事業所と連携を図る
4.訪問介護員に具体的な援助目標、援助内容、利用者状況を伝える
5.訪問介護員の業務実施状況を把握する
6.訪問介護員の能力、希望を踏まえた業務管理を行う
7.訪問介護員に研修、技術指導を実施する
8.サービス内容の管理について必要な業務を実施する

《訪問介護事業所サービス提供責任者8つの責務》

②訪問介護事業のサービス提供責任者に関する人員基準

訪問介護事業所には、利用者員40名ごとに1人常勤専従のサービス提供責任者を配置する必要がある。

「サービス提供責任者は訪問介護員の中から選ぶ」という仕組みであるため、サービス提供責任者であっても、訪問介護員の人員基準2.5名のうちの1名に該当することになる。
>>2.5名の常勤換算方法についての詳細はこちら

良く質問を受ける「訪問介護員とサービス提供責任者は兼任できますか?」との問いについては、「兼任できるかどうかと言うより、そもそも訪問介護員のうち最低1名以上をサービス提供責任者とするため、当然に兼任OK」との回答になる。

③サービス提供責任者の専従とは?

訪問介護事業所のサービス提供責任者については、訪問介護事業に専従することが求められる。「専従」とは訪問介護事業のサービス提供時間を通じて、訪問介護事業以外のサービスに従事しないことを指す。

しかし例外的に、利用者に対する訪問介護事業に支障のない場合は、同一敷地内にある次の介護サービスに従事することが認められている。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護

④利用者が40人を越えれば常勤換算法を取っても良い

訪問介護事業所のサービス提供責任者は、40人ごとに1名配置する必要があるが、利用者が40人を超える事業所では、サービス提供責任者を常勤換算法に基づいて配置することができる。
>>常勤換算法の詳細についてはこちら

整理すると次表の通りとなる。(利用者は前3カ月を歴月で判断)

訪問介護事業所のサービス提供責任者配置基準

利用者数

原則的なサ責数

常勤換算によるサ責数

40以下

41~80

81~120

121~160

161~200

201~240

241~280

281~320

321~360

361~400

10

常勤換算法を使った方が、配置すべきサービス提供責任者が少なく済むことがお分かりいただけるだろう。

なお、同一の建物に居住する一定数の利用者に対して訪問介護を提供する場合、報酬減算が生じるため、下記コラムのご参照をお勧めする。
>同じ建物に住む要介護利用者にまとめて訪問介護サービスを提供した場合の減算

⑤利用者が50人を超えた場合のサービス提供責任者の基準

サービス提供責任者を3名以上配置し、かつうち1名が主としてサービス提供責任者業務に従事し、かつサービス提供責任者業務が効率的に行われている場合、利用者50人ごとに1人のサービス提供責任者を置くことで足りる。

主として従事する」とは、訪問介護員としてのサービス提供が1カ月30時間以内であることを指す。また「効率的な方法」とは、業務支援ソフトによるシフト管理、利用者情報のシステム化など。

利用者が50人を超える訪問介護事業所のサービス提供責任者配置基準

利用者数

原則的なサ責数

常勤換算によるサ責数

50以下

51~100

101~150

151~200

201~250

251~300

301~350

351~400

401~450

451~500

10

⑥訪問介護事業所のサービス提供責任者の資格要件

訪問介護事業所でサービス提供責任者としては配置するには、次のいずれかの資格要件を満たしている必要がある。

 ・介護福祉士
 ・実務者研修修了者
 ・介護職員基礎研修課程、1級課程、看護師
 ・3年以上の介護業務経験かつ初任者研修修了者・・・暫定措置

ここでいう「3年」にはボランティアによる介護職員期間は含まれないが、NPO法人が訪問介護事業所の指定を受けようとする場合、指定前にそのNPO法人でボランティアとして従事していた介護業務からの連続性がある場合は、例外的に認められる。

⑦訪問介護事業所の管理者に関する人員基準

訪問介護事業所では、管理者を1名置かなければならない。管理者は事業所の従業員と業務の管理を一元的に行うことが義務付けられているが、管理者になるための資格要件はない。

管理者は、敷地内の他事業所との業務を兼ねることは可能だが、他の事業所において、介護・看護職員として兼務することは認められない。

⑧このコラムのまとめ

一般的にはサービス提供責任者が管理者を兼ねることが多い。管理者がサービス提供責任者を兼ねることで、

管理者=サービス提供責任者=1人の訪問介護員

を同時に満たすことになり、残り1.5名の訪問介護員を確保することで、最低人数による訪問介護事業の開業を計画することができる。

効率的な人員配置により、低コストでの開業を希望される場合は、是非当社の訪問介護事業設立オール・イン・ワンパッケージのご利用を!

訪問介護のサービス提供責任者、管理者の人員基準について電話相談

◎訪問介護の設立開業前に読んでおきたい13記事

①訪問介護とは?設立・開業前に制度を詳しく理解しよう!
②訪問介護事業の人員基準 2.5名の常勤換算とは?必要な資格は?
③訪問介護事業の人員基準 訪問介護の設立・開業に必要なサービス提供責任者と管理者
④訪問介護の事務所要件 自宅兼事務所の申請は?整えるべき設備の基準は?
⑤運営規定、重要事項説明書、サービスの拒否、ケアマネへの謝礼・・・。訪問介護の開業前に知っておきたい運営上のポイント
⑥訪問介護設立・開業前に理解しておきたい、訪問介護の基本報酬
⑦訪問介護の初回加算、2人で訪問介護、夜間早朝割増、緊急時訪問介護加算について理解しよう!
⑧訪問介護の通院等乗降介助とは?算定条件と仕組みを解説
⑨同じ建物に住む要介護利用者にまとめて訪問介護サービスを提供した場合の減算
⑩処遇改善加算(介護福祉職員)とは?仕組みをわかりやすく解説
⑪特定処遇改善加算(介護福祉職員)2019年/令和元年10月改正を詳しく解説
⑫障害居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護 指定時の従業者要件
⑬居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護の報酬加算減算一覧表